相場展望7月27日号 米国株: 好業績期待で上昇しただけに、材料出尽くし懸念がある 日本株: 短期筋海外投資家は「先物売り」継続、「現物株」動向に注視

2023年7月27日 12:21

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■I.米国株式市場

●1. NYダウの推移

 1)7/24、NYダウ+183ドル高、35,411ドル(日経新聞より抜粋
  ・4~6月期決算発表を控えた企業の好決算を期待した買いが入り、昨年2月以来およそ1年5カ月ぶりの高値で終えた。11日続伸は2017年2月以来。NYダウの上げ幅は+200ドルを超える場面があった。
  ・7/25~26開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、+0.25%の利上げを決めるとの見方が優勢。市場では今の利上げサイクルでは最後になるとの観測があり、金利上昇への過度な警戒は和らぎつつある。
  ・米SPグローバルが7/24発表した7月製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.0と市場予想46.7を上回った。「金融引締めが続くなかでも、景気が底堅いことを示した」との受け止めがあり、株式相場の支えとなった面がある。
  ・NYダウは前週末までの10営業日で+1,500ドル近く上昇した。主力銘柄の一部には利益確定目的の売りが出る一方、株高の継続で相対的な運用成績の悪化を避けようとする機関投資家の買いも入りやすかった。
  ・石油のシェブロンが上昇した。7/23に発表した2023年4~6月期の1株利益が市場予想を上回った。金融のゴールドマンサックス、航空機のボーイング、ホームセンターのホームデポも買われた。半面クレジットカードのアメリカンエキスプレスや製薬のメルクが下げた。

【前回は】相場展望7月24日 日本:日本株上昇の牽引役・海外投資家の「買いが止まる」

 2)7/25、NYダウ+26ドル高、35,438ドル(日経新聞より抜粋
  ・朝方に決算を発表した工業製品・事務用品のスリーエムなどが上昇し、NYダウは昨年2月以来およそ1年5カ月ぶりの高値を更新し、NYダウの12連騰は2017年2月以来の6年5カ月ぶり。ただ、7/26に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて、引けにかけて伸び悩んだ。
  ・2023年4~6月期決算と併せて2023年12月通期の1株利益見通しを引上げた3Mが+5%余り上げた。1株利益が市場予想以上だった化学のダウや通信のベライゾンも買われた。ハイテク株の上昇に出遅れていた景気敏感株全般に物色が盛んだった。
  ・7/25の通常取引終了後に4~6月期決算を発表するソフトウェアのマイクロソフトも高かった。来週にかけて決算発表がある主力ハイテク銘柄には業績改善を期待した買いが入った。
  ・7/25午前発表の7月米消費者信頼感指数が117.0と、市場予想112.0を大幅に上回って、2年ぶりの高水準となった。インフレに鈍化が見られる一方で、米景気が底堅さを保っている。米経済のソフトランディング(軟着陸)への期待が一段と強まっているのも投資家心理を支えた。
  ・FOMCでは2会合ぶりに+0.25%の利上げを決めると見られる。市場では7月に利上げした後、しばらく政策金利を据え置くとの見方が多い。米景気に対する楽観が高まるなか、年前半の株高に乗り遅れた機関投資家の買いが続いたとの指摘があった。
  ・NYダウは+110ドル余り上げる場面があったが、引け間際に上値が重くなった。前日までの11営業日で+1,600ドル余り上昇した。FOMCの結果や声明、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の会見を見極めたいとして持ち高を傾けにくい雰囲気があった。
  ・保険のトラベラーズや製薬のメルク、金融のゴールドマンサックスなどが下落。引け後に決算発表するネット検索のアルファベット、7/26に決算予定の交流サイトのメタが高い。7/24夕に発表した四半期決算が市場予想を上回ったオランダの車載半導体NXPセミコンダクターズが上昇し、半導体株が連れ高した。

 3)7/26、NYダウ+84ドル高、35,522ドル(日経新聞より抜粋
  ・米連邦準備理事会(FRB)は7/26の米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の想定通り+0.25%の利上げを決めた。パウエルFRB議長が記者会見で次回会合で政策金利を据え置く可能性に言及し買いが優勢となった。
  ・FRBは政策金利を+0.25%引上げ、5.25~5.50%にすると決めた。インフレ率が目標の+2%を上回る現状を踏まえ、一段の金融引締めが必要と判断した。多くの市場参加者が見込んだ通りの結果で、発表直後の相場の反応は限られた。
  ・パウエル議長の会見が始まるとNYダウは上げ幅を拡大。前日に比べ一時+200ドル近く上昇する場面があった。「今後の会合については何も決定していない」としつつも、物価目標など経済データ次第では「次回の9月会合で再び利上げする可能性もあるし、据え置きを選ぶ可能性もある」との認識を示した。米経済が底堅さを維持している点にも触れた。今回が今の利上げサイクルで最後の利上げになり、米経済が景気後退を回避できるとの期待が意識された。
  ・企業業績の改善への期待も相場を支えた。航空機のボーイングは7/26発表の2023年4~6月期決算で売上高が市場予想を上回り、株価は+9%上昇する場面があった。ネット検索のアルファベットも4~6月期決算が市場予想を上回り、株価が大幅高となった。
  ・買い一巡後は上げ幅を縮めた。NYダウは前日までの12営業日で+1,700ドル余り上昇した後で、利益確定売りが出た。
  ・工業製品・事務用品のスリーエムや飲料のコカ・コーラが上昇した。半面、7~9月期の業績見通しが冴えなかったソフトウェアのマイクロソフトが下落。建機のキャタピラーや石油のシェブロンにも売りが出た。

●2.米国株 : 好企業業績を先取りした相場だけに、材料出尽くし懸念がある

 1)米国株は、4~6月期の好決算発表を先取りして大幅上昇したため、要注意
  ・米国株は、36年半ぶりの13 営業日連続上昇し、+1,785ドル高と急騰した。7/7終値 33,734ドル ⇒ 7/26 35,520ドル +1,785ドル高・+5.3%高上昇の材料は「4~6月期の好決算発表」の先取りである。
  ・その要因で株高となっているため、実際の決算発表後は「材料出尽くしで売り」として利益確定売りに押されやすくなる局面も想定できることに留意したい。

 2)7/26のNYダウは「9月利上げ見送り期待」で+82ドル高
  ・パウエルFRB議長の記者会見での発言もあり、NYダウは13日連続の上昇。

 3)米インフレの鈍化は底打ちし、再上昇が強く懸念される
  ⇒ FRBの利上げは継続すると予想
  ・WTI原油価格の推移に見られるように、エネルギー価格が再加速している
   6/12 67.12ドル ⇒ 7/25 79.63  +12.51ドル高・+18.6%高
  ・労働市場は、失業率が低く、求人件数が高水準に見られるように人手不足の深刻さを背景に、賃金上昇が続きサービス価格上昇が止まらない。

 4)中国・欧州の景気回復は期待外れとなる公算
  ・中国は、経済刺激策を打つとアナウンスいたが、いったん火が消えた消費の再点火は容易ではない。中国は個人消費の喚起のため、家電製品の購買意欲向上に焦点をあてて需要拡大を目指しているが、いったん締めた財布のひもを緩めるのは困難。なぜなら、個人は将来に不安を感じたから財布のひもを締め、貯蓄に回しているからである。その個人の将来不安を払拭する必要があるが、中国共産党・政府からそのような不安払拭の政策が見えない。
  ・中国の住宅購買刺激策も期待できない。住宅価格の上昇を抑制しながら、住宅販売増は難しい。さらに、住宅供給する不動産業界が習国家主席の融資規制で疲弊している。
  ・欧州、中心となるドイツ経済は景気後退の瀬戸際に立っている。英国もインフレが鈍化しつつあるものの、牽引役となる余力はない。フランスもストが多発する懸念を抱えている。
 
 5)米株式に試練が待ち受けていると予想
  ・米インフレの再加速が濃厚であり、FRBは約7%程度まで利上げに迫られると予想する。
  ・したがって、米国株式は苦難が待ち受けていると予想する。

●3.FRB、+0.25%の追加利上げ決定、インフレ再加速防ぐ狙い(毎日新聞より抜粋

 1)7月の利上げで、政策金利の誘導目標は5.25~5.5%になる。

 2)米国の6月の消費者物価指数は前年同月比+3.0%上昇で、直近のピークだった。2022年6月の+9.1%上昇から12カ月連続で鈍化。FRBが目標とする+2%に近付きつつある。

 3)ただ、インフレ鈍化は原油価格の下落に伴うエネルギー価格の低下が主因。人手不足を背景にした賃金高騰などサービス価格の上昇は続いているため、追加の引締めが必要と判断したと見られる。

●4.パウエルFRB議長の記者会見における発言要旨(フィスコ)

 1)年内の利下げは、予想しない。

 2)自動的な1会合ごとの利上げは望まない。データ次第の方針を再確認。

 3)より引締めスタンスが進むと、リスクも上昇。

 4)もし、データが正当化すれば9月の利上げを決定する可能性もある。

 5.米7月総合PMIは52と、6月の53.2から低下し、5カ月ぶりの低水準    (ロイター)
  1)サービス業PMI(購買担当者景気指数)は52.4と、6月54.4・予想54を下回る。

●6.アルファベット、増収増益、クラウド事業好調、広告収入増(NHK)

●7.米7月消費者信頼感指数、強い労働市場やインフレ鈍化を支えに2年ぶり高水準(フィスコより抜粋

 1)7月消費者信頼感指数は117と、予想を上回り2021年7月来で最高となった。

 2)労働市場の強さが消費を支え、米国経済の底堅い成長を後押ししている。なお、貨物運送会社・航空会社・スクリーンライター・俳優協会などが賃金交渉を巡ってストライキを実施しており、労働市場の現状を正確に把握するのは非常に困難な状況となっている。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)7/24、上海総合▲3安、3,164(亜州リサーチより抜粋
  ・投資家の慎重姿勢が継続する流れとなった。
  ・中国景気の先行き不安が意識された。景気回復の遅れが指摘されるなか、このところ当局は消費刺激策を相次いで発表しているが、一部からは「景気押し上げ効果は薄い」との声も聞かれた。
  ・中国では近く、下半期の政策方針を決定する中央政治局会議が開催される。政策の内容を見極めたいとするスタンスも買い手控え要因となった。もっとも、経済対策に対する期待感は根強く、指数はプラス圏で推移する場面も見られた。
  ・業種別では、不動産の下げが目たち、酒造・食品・素材・エネルギーも安い。

 2)7/25、上海総合+67高、3,231(亜州リサーチより抜粋
  ・中国経済対策が材料視される流れとなった。
  ・7/24開催の中央政治局会議では、下半期の政策方針として、不動産政策の緩和が示唆された。また、「資本市場を活性化させ、投資家の信頼感を高める」という考えも示している。現地メディアによると、政治局会議で「資本市場を活性化させる」との文言が盛り込まれたのは、2013年の政治局会議以来、10年ぶりという。そのほか、積極的な内需の拡大、雇用の安定化、地方債務のリスク解消を図る方針なども打ち出された。
  ・業種別では、不動産の上げが目立ち、金融も急伸、消費関連も物色された。素材・エネルギー・インフラ関連・ハイテク・医薬品・運輸なども買われた。

 3)7/26、上海総合▲8安、3,223(亜州リサーチより抜粋
  ・前日に急伸した反動で、戻り売りに押される流れとなった。
  ・前日の上海総合指数は+2.1%上昇し、約2週ぶりの高値水準を回復した。また、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、米金利動向を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながった。もっとも、下値は限定的。
  ・中国当局の景気支援スタンスが引続き相場の支えとなった。
  ・業種別では、エネルギーの下げが目立ち、自動車も安い、ハイテク・インフラ関連・運輸・銀行なども売られた。半面、不動産の物色は続き、医薬品・公益・素材が買われた。
    

●2.中国共産党が重要会議で「新たな困難に直面」と、景気回復に危機感(朝日新聞より抜粋

 1)中国共産党は7/24、党序列上位で構成する政治局会議を開き、足元の経済情勢について、「新たな困難と試練に直面している」との認識を示した。国営新華社通信が報じた。今年4~6月期の国内総生産(GDP)は1~3月期と比べ+0.8%の伸びにとどまり、景気回復は鈍っている。党として、不測の事態に危機感をあらわにした。

 2)習近平・国家主席が主催した7/24の会議では、「新たな困難」として、国内需要が不足していることのほか、企業の経営環境の困難さ中国を取り巻く外部環境の複雑さが増していることなどを挙げた。

●3.中国、中国企業の外国でのIPO申請で中国リスク記述の抑制を要求(ロイターより抜粋

 1)中国企業の上場目論見書に、中国の政策やビジネス、法的環境について否定的な記述を含めないように求めた。

 2)中国当局の窓口指導に従わなかった場合、上場許可が下りない可能性を示唆。
  

●4.中国トヨタ、合弁会社「広汽トヨタ」で1,000人削減、経済不振・生産状況で(共同通信)

 1)トヨタ中国での2023年1~6月の販売台数は、前年同期比▲2.8%減、87.94万台。

●5.中国指導部が不動産政策緩和と景気支援強化を表明(ブルームバーグより抜粋

 1)中国共産党の最高指導部は7/24の会議で、減速する経済を活性化するため、消費を押し上げ、不動産セクターに追加支援を提供すると表明。

 2)大規模な刺激策の発表はなかったものの、景気押し上げに向けた政府の一段の決意が示されたとストラテジスト受け止めている。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)7/24、日経平均+396円高、32,700円(日経新聞より抜粋
  ・日銀が今週の金融政策決定会合で現行の金融緩和策を維持するとの観測報道が相次ぎ、外国為替市場で円安・ドル高が進んだ。輸出採算の改善期待から主力株を中心に幅広い買いが入り、日経平均の上げ幅は一時+500円に迫った。
  ・円相場は一時141円台後半まで下落し、日銀の政策修正を見込んで株価指数先物を売り建てていた海外の短期筋が買い戻しを進めた。
  ・業種別では、自動車や機械・鉄鋼といった主力株が買われたほか、金融緩和の継続への思惑から不動産株も堅調だった。
  ・半導体関連株高も日経平均の上昇を支えた。先週末の米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が反発し、前週末に下げが目立っていた東エレク・アドテストに買いが波及した。
  ・一方、三菱UFJや三井住友FG・みずほFGといったメガバンク株に売りが出て、相場の上値を抑えた。日銀の政策修正で運用環境が改善するとの思惑が一部にあっただけに、緩和継続の観測が重荷となった。
  ・個別株では、三菱自・マツダ・日産自・コマツ・日立建機・日本製鉄・JFE・神戸製鋼が高い。一方、電通・日本ハム・川崎汽船・郵船が安い。

 2)7/25、日経平均▲18円安、32,682円(日経新聞より抜粋
  ・日銀の金融政策決定会合や主要企業の4~6月期決算発表を控え、直近上昇が目立っていたハイテク株を中心に持ち高整理や利益確定の売りがやや優勢。
  ・日経平均は午後に入って下げ幅を▲200円近くまで広げる場面があった。ソフトバンクGなど主力株の一角に海外短期筋と見られる手仕舞い売りが出た。もっとも、売り買いとも様子見ムードが強いなかで一方的に持ち高を傾ける動きは続かず、大引けにかけて急速に下げ幅を縮めた。
  ・中国当局による政策期待を背景とした上海・香港の株式相場の大幅な上昇が投資家心理を下支えした。業績が中国景気に影響されやすいとされる安川電など機械株の一角が買われた。足元の中国景気は厳しいものの、市場では「インフラ投資のうち鉄道関連など一部で財政出動の動きが見られ、今後の景気底入れが意識されやすくなる」との見方があった。
  ・ファストリ・KDDI・東エレク・ニデック・ネクソンが下落した。一方、ダイキン・オリンパス・TDK・ファナックが上昇した。

 3)7/26、日経平均▲14円安、32,668円(日経新聞より抜粋
  ・日本時間7/27未明に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に買い手控えムードが強く、商いも低調だった。朝方に日経平均の下げ幅は一時▲200円に迫ったが、その後は前日終値32,682円近辺で推移した。     小幅ながら上昇に転じる場面もあり、方向感に乏しかった。
  ・外国為替市場で円相場が円高・ドル安基調で推移し、株価の重荷となった。
  ・米国で7/25の取引終了後に発表されたマイクロソフトなどの決算を受け、ハイテク株が多い米ナスダック100株価指数の先物が下落したことも売りを促した。
  ・チャート上では25日移動平均(32,810円、7/25時点)が上値抵抗線として意識された。市場では「7/18まで上昇基調にあった25日移動平均が足元で下落基調に転じていることも投資家心理の重荷だった」との声が聞かれた。
  ・アドテスト・ダイキン・オリンパスが売られ、トヨタ・デンソー・ホンダなど自動車関連株の下げも目立った。一方、東エレク・ソフトバンクG・スクリンが高く、中外薬・大塚・花王が買われた。

●2.日本株:

 ・短期筋の海外投資家は「先物売り」、「現物株の動向に注視」
 ・岸田首相のバラマキ政策は、「日本衰退」の道へまっしぐらか!
  1)短期筋の海外投資家は「先物で売り越し継続」、「現物株の動向に注視」
   ・海外投資家の「現物株買い」も勢いが低下。
     6月1週 9,854億円の現物株買い
     7月2週  557億円の現物株買いと、買い意欲が減退。
   ・外国人投資家の「先物売り」に加え、「現物株売り」転換に注視。それまでは、「売り圧力が弱い」ため、日経平均は底堅い展開が続く可能性があると予想する。

  2)岸田首相のバラマキ政策が、日本のインフレを押し上げる
   ・岸田首相の政策は、「インフレ促進」政策である。円安・賃金上げ・原油高と、企業のコスト転嫁で、消費者が値上げを受け入れざるを得ない状況をつくっている。賃上げも大企業に偏っており、7割を超える中小企業で働く人に届いていない。つまり、多くの国民が賃上げなしに、物価高で生活困窮していのが現状である。
   ・しかし、政府税収は史上最高値。インフレで売上が増えた分だけ、自動的に「消費税」が増加している。一部の賃上げされた人からも、所得税の増収がある。
   ・結果として、国民から48%もの税金・保険料など高負担率の徴収となっている。その負担率をますます増やそうと財務省がもくろんでいる。それは岸田首相の考えに一致する。国防費の倍増、海外諸国への援助・・等々と支出増が目白押しである。
   ・国民の負担は、「5公:5民」とすでに江戸時代でも重税といわれてきた水準となっている。このままいけば「6公:4民」になる。昔であれば、「一揆」が起こっても不思議でない状況をつくっていることを、岸田首相はじめ政府首脳・自民党は現状を知るべきではないか。
   ・この状況が進展すれば、能力の高い日本国民は海外移住して日本から去ってしまいそうだ。それで日本は立ち行くのだろうか!

●3.日本の経済成長率、2023年は+1.4%と予想、2024年は+1.0%に減速(ロイターより抜粋

 1)国際通貨基金(IMF)は世界経済見通しを発表した。
  ・日本は超緩和的な金融政策を維持し、生活費上昇の影響を和らげるための大規模な財政支出を行っており、IMFは「緩和的な政策」が成長を下支えしていると指摘した。そのため2023年は+1.4%と、先進国の+1.5%並みとした。
  ・2024年は過去の景気刺激策の効果がなくなるため+1.0%へ鈍化すると予想。

●4.全国スーパー6月売上、前年同月比+2.1%増、4カ月連続増加(NHK)

 1)「食料品」が節約志向の高まりから消費者の買い控えが続いているものの、店頭価格が上昇したことで売上が伸び、販売額は前年同月より+3.7%増えた。

●5.日産とルノーは資本関係見直し、ルノーの保有比率は43⇒15%まで引下げ(TBS)

 1)対等な資本関係になることで最終契約を結んだと発表。

 2)日産は、ルノーのEV新会社に約930億円を出資。

●6.企業業績

 1)レーザーテック 2023/6月期営業利益420⇒610億円上方修正、配当増(フィスコ)
 2)大塚    1~6月期純利益+47%増、抗精神病薬が牽引(日経新聞)
 3)富士通ゼ  4~6月期純利益+9%増、営業赤字も為替差益が寄与(日経新聞)
 4)シマノ   1~6月期純利益▲27%減、自転車ブームが一服(日経新聞)
 5)オービック 4~6月期純利益+12%増、ERP受注増(日経新聞)
 6)日産自   2024年3月通期純利益見通し+3,150⇒+3,400億円(ブルームバーグ)
         中国事業不振も、円安の利益、中国以外で販売台数増の効果
 7)アドテスト 4~6月期純利益▲75%減(日経新聞)
 8)カプコン  4~6月期純利益+2倍、最高益(日経新聞)
 9)日東電工  4~6月期純利益▲43%減(日経新聞)
 10)サイバー  4~6月期純利益▲75%減(日経新聞)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・6258 平田機工    EV・半導体投資の受注拡大期待。
 ・7148 FRG      高配当期待。
 ・7276 小糸製作所   好業績。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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