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相場展望11月28日号 米国株: 財務長官指名を好感し株高、過熱感あるも12月半ばまで底堅いと予想 日本株: トランプ追加関税の影響と円高で、輸出・半導体関連株に逆風
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)11/25、NYダウ+440ドル高、44,736ドル
2)11/26、NYダウ+123ドル高、44,860ドル
3)11/27、NYダウ▲138ドル安、44,722ドル
●2.米国株:財務長官指名を好感し株高、過熱感あるも12月半ばまで底堅いと予想
1)トランプ氏が、財務長官に投資家のベッセント氏を指名、市場は好感し株高も懸念
・ベッセント氏が、インフレ(物価上昇)を再燃させることなく、経済成長を促すとの期待が膨らみ、11/25のNYダウは大幅高となり史上最高値を更新した。
・ただ、ベッセント氏は米国財政政策の方針を語っておらず、株式市場の一方的な期待感で米国株、特にNYダウが上昇したことに留意したい。むしろ、半導体大手・エヌビディア株が今後の成長への懸念で▲4.18%下落したことに注目すべきと思われる。
2)11/25の米国株上昇は歪さが増幅、NYダウとラッセルが大きく上昇・他は小幅高
・主要株価指数の上昇率
NYダウ +0.99%
ナスダック総合 +0.27
ナスダック100 +0.14
S&P500 +0.30
ラッセル2000 +1.35
PHL半導体(SOX) +0.65
・NYダウの上昇の中で、逆行して最大の下落したのはエヌビディアで▲4.18%安。ナスダック100では、エヌビディア▲4.18%安、テスラ▲3.96%安、ネットフリックス▲3.59%安と今まで株式相場上昇を主導してきた主力銘柄が大きく下落したことが目立ったことに注目したい。
3)NYダウは11/26も最高値を更新したが5営業日で大幅上昇し、過熱感が発生
・NYダウの推移 11/19 ⇒ 11/26 上昇幅 上昇率
43,268ドル 44,860 +1,592ドル +3.68%
4)11/27の米国主要株価指数は、感謝祭の祝日で休場・過熱感もあり下落
・11/27の下落要因は、
(1)感謝祭が11/28にあり祝日で休場するため持ち高調整の売りが出た。
(2)直近の株価の急上昇で、過熱感が出ていた。
5)12月半ばまでは米国株は底堅さを発揮する見通しも、以降は低調に推移すると予想
・12月半ばまで株式相場が底堅い要因
・11/27は、翌日が感謝祭で祝日・休場のため、一時的な売りが出やすかったに過ぎない。そのため、米国株式市場の底堅さは12月半ばまで続くと予想。
・12月半ばから低調に推移する予想する要因
・税金対策として、含み損を抱える銘柄で実現損を出すための売りが出る。
・ただし、年末は運用評価を上げるための買いが発生すると予想する。
●3.トランプ氏大統領就任初日、中国製品に10%追加関税、メキシコ・カナダには25%(時事通信)
1)中国への追加関税は、米国で社会問題化している合成麻薬「フェンタニル」などの流入への対抗措置。
2)メキシコとカナダにも、麻薬や不法移民の流入が止まるまで25%の追加関税。
●4.トランプ関税で、生鮮品が高騰や品薄に、メキシコ・カナダ産農産物供給細る恐れ(ロイター)
●5.米国消費者支出指数(PCE)は根強いインフレを示す見込み(ブルームバーグ)
1)米国連邦準備理事会(FRB)の利下げへの慎重な姿勢を後押しする可能性がある。
・11/27発表の10月の米国PCEは前年同月比+2.8%と、4月以来となる大幅な伸びが見込まれる。
・FRBは、インフレの基調的な指標としてPCEの動向を重視している。
●6.独逸・ティッセンクルップ、業況悪化で鉄鋼部門の1.1万人を削減(ブルームバーグ)
●7.米国株11/25、次期米国財務長官の指名を受け、NYダウ上げ幅500ドル超で始まる(日経新聞)
1)米国の債務膨張を抑えられると期待した買いが入る。
2)米国長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れている面もある。
●8.バフェット氏、バークシャー株の11.4億ドル相当(約1,750億円)を慈善団体に寄付へ(ブルームバーグ)
1)バフェット氏の家族が管理する4つの財団に寄付する。
2)バフェット氏の純資産は1,502億ドルで、世界の長者番付で7位となっている。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)11/25、上海総合▲3安、3,263
2)11/26、上海総合▲4安、3,259
3)11/27、上海総合+50高、3,309
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)11/25、日経平均+496円高、38,780円
2)11/26、日経平均▲338円安、38,442円
3)11/27、日経平均▲307円安、38,134円
●2.日本株:トランプの追加関税の悪影響と円高から、輸出・半導体関連株に逆風
1)トランプ次期大統領の関税表明を受け11/26~27、先行きの警戒感から大幅下落
・自動車など輸出関連や半導体関連を中心に幅広い銘柄が売られた。
2)円高が進行し、輸出関連銘柄に逆風
・円高の推移 11/20 11/27(日本) 11/27(米国)
155.42円 152.26 151.09
11/27は日本時間⇒米国時間で+1.17円高と急伸した。
・11/28は円高の急伸を受け、輸出関連株は業績悪化予想を受け売られる展開。逆に、ニトリなどの輸入企業は業績改善見込みで買われると予想。
3)人工知能(AI)などハイテク銘柄の株価は、軟弱に推移すると予想
・米国フィラデルフィア半導体株価指数(SOX)は下落傾向にある
・SOX指数の推移
7/10 6,904
11/27 4,853
7/10から▲2,051下落し、下落率は▲29.7%と大きく下がっている。
・米国SOX指数のチャートをみると、下方方向から抜け出せない模様。
・日本の半導体株も7月に天井を付け銘柄が多く、株価回復の方向性がみえず。
・金利が上昇の方向にあり、ハイテク株には相対的に割高感が高まる可能性がある。
●3.キリンビール、「一番搾り」など値上げ、来年4月から216品目(TBS)
1)原材料が高騰する中、アサヒビールやサントリーに続く値上げとなる。
●4.電気自動車の「全固体電池」量産化へ各社が研究開発を加速(NHKより抜粋)
1)「全固体電池」は電気を貯めたり放出したりするのに必要な「電解質」を液体ではなく、固体に転換することで走行距離を2倍に引上げられる。充電時間も短縮が期待できる技術で、各社が研究開発を進めている。
2)ホンダは、生産工程を検証するため430億円を投資し2025年1月の稼働開始する。2020年代後半に量産を始める予定。
3)トヨタは試作ラインを作り、2027年にはEVに搭載することを目指している。日産自動車も2024年に試作ラインを稼働、2028年にEVへの搭載を予定している。
4)海外メーカーでも、中国・上海自動車が2026年の量産化を発表した。韓国や欧米でも研究開発が加速するなど競争が激しくなっている。
●5.日本政府、ペロブスカイト太陽電池を2040年に原発20基分を普及目標(NHK)
●6.日本特殊陶業、東芝マテリアルを2025/5末の買収、約1,500億円で(ロイター)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・8113 ユニチャーム 業績堅調。
・9603 エイチ・アイ・エス 業績好調。
・9616 共立メンテナンス 業績回復期待。
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