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相場展望12月12日号 米国株: FRBは「金利引下げに前のめり」、インフレ上昇には鈍い反応 日本株: 日米金利差が拡大し、円安が進行⇒日経平均には追い風 ボックス圏の高値にあり、海外投機筋に翻弄されない備えを
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)12/10、NYダウ▲154ドル安、44,247ドル
2)12/11、NYダウ▲99ドル安、44,148ドル
【前回は】相場展望12月9日号 米国株: 今後の米国株を支える材料は「FRBによる利下げ」観測のみ 日本株: 今年の日経平均の上昇は事業会社の「自社株買い」が貢献大
●2.米国株:パウエルFRBは「追加金利引下げに前のめり」、インフレ上昇には鈍い反応が懸念
1)FRBの金利政策決定に影響力がある、消費者物価指標の発表を控え様子見ムードが強い展開が12/10まで続いた。
・しかし、12/11の発表を受け、12月のFOMCで追加利下げ確率の高まりを受けハイテク株を中心に買いが入った。
・ただ、NYダウは▲99ドル下げとなった。NYダウの下落とナスダッ総合が上昇するなど、米国株市場はまちまちの展開となったのが気懸りである。
2)米国CPI、11月は前年同月比+2.7%上昇、2ヵ月連続で伸び加速、インフレの芽
・CPIは、前月の+2.6%から上昇。
・前月比+0.3%上昇となり、7ヵ月ぶりの大幅な伸びとなった。
・ただし、市場予想と一致したため、12月の利下げ観測が強まる流れ。
・パウエルFRBは、景気後退懸念がでると「迅速に金利引下げ」で対処してきた。ところが、物価上昇しインフレ退治となる「金利引上げ」極めて鈍感は反応をするという特性がある。こうしたパウエルFRB議長の判断からして、今回の物価上昇に対して政策判断が遅れるとみる。
・したがって、12月・来年1月において、「追加金利の引き下げ」実施が濃厚である。
3)ナスダック総合指数は12/11、初となる20,000台に乗せ過去最高値を更新
・一方、NYダウは45,000ドル台に乗せて史上最高値を更新したが、その後は市場金利上昇と高値警戒感から売られ、反落している。なかでも、最近、買われてきたディフェンシブ株と景気敏感株は売られ重荷になった。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)12/10、上海総合+20高、3,422
2)12/11、上海総合+9高、3,432
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)12/10、日経平均+207円高、39,367円
2)12/11、日経平均+4円高、39,372円
●2.日本株 : 日米金利差が拡大し、円安が進行⇒日経平均には追い風
日経平均はボックス圏の上限にあり、短期投資筋の売りに警戒
1)日米金利差が拡大し、円安が進行⇒日経平均には追い風。
・円相場(東京市場) 12/5 12/6 12/9 12/10 12/11
円・ドル 149.73円 149.80 150.11 151.23 151.74
・米国の金利上昇にともない、日米金利差が拡大。
12/2 12/12
日米の金利差 3.12% 3.204 金利差は0.084%も拡大している
・12/11の日本⇒米国の円相場
東京市場 151.74円
NY市場 152.45
差異 0.71円もの円安が進行
・12/12の日経平均は大幅円安を背景に、輸出関連銘柄を中心に買われると予想。
2)12月に入ってから「陰線」が多いのが気懸り
・朝の寄り付きの値よりも、終値が下回るという「陰線」が多くの日で見受けられる。
・これは「相場が悪い」状況にあることを示している。
・円安の進展で日経平均にとっては追い風となっているが、中味は強気一辺倒ではないことを示している。海外投機筋は、急激な円安をバネにして先物で買い仕掛けをするとみる。
・最近の日経平均は38,000円~40,000円近辺でボックス圏相場となっているため、直近の日経平均の高さには要注意したい。投機筋の短期海外勢の動きは素早く、いつ売り転換してくるか見分けにくい。なお、海外投資家の先物売り残高の傾向をみると、警戒が必要と思われる。
●3.日本生命、保険会社のレゾリューションライフを約1兆2,000億円で買収(朝日新聞)
1)レゾリューションライフは、英国や米国で保険事業を展開する。本社は英領バミューダ諸島に置き、他社の保険契約を買い取って運用する「既契約受託事業」などを展開している。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・2607 不二製油 売上好調期待。
・9449 GMOインターネット 業績好調。
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