相場展望11月09日号 米国株: NYダウは下落線の上限34,200にタッチ、転換点のため注意 日本株: 政治の混迷が「日本株にとってリスク」

2023年11月9日 11:59

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)11/6、NYダウ+34ドル高、34,095ドル(日経新聞より抜粋
  ・米連邦準備理事会(FRB)の金融引締めが長期化するとの見方が後退し、株式相場を支えた。NYダウは6日続伸し9/20以来の高値となった。半面、前週に大幅に上昇した反動で主力銘柄の一部には利益確定の売りも出やすく、指数の上値は重かった。
  ・FRBは先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の引上げを見送った。11/3発表の10月の米雇用統計が労働需給の緩和を示すなど、米経済の減速を示す指標の発表が相次ぐ。市場の一部には、FRBの利上げ局面が終了したとの見方があり、株買いが継続した。
  ・もっとも、NYダウの上値は重く、下げに転じる場面も目立った。先週に+1,600ドル余り上昇し、週間の上げ幅としては約1年ぶりの大きさとなった。短期間で大幅に上昇し、相場の過熱感が強まった。「相場の一段高を見込む投資家も小休止を期待していた」という。
  ・前週末にかけて低下基調を強めていた米長期金利は11/6に4.6%台後半に上昇(前週末終値は4.57%)。
株式の相対的な割高感が意識されたのも相場の重荷だった。
  ・個別株では、スマートフォンのアップルとソフトウェアのマイクロソフトが上昇したほか、バイオ製薬のアムジェンや金融のJPモルガンチェースへの買いも目立った。アナリストが業績上振れへの期待を示した半導体のエヌビディアが上昇した。半面、映画・娯楽のディズニーやドラッグストアのウォルグリーンズは下げた。

【前回は】相場展望11月6月号 米国株: 金利据え置き⇒長期金利低下⇒株高の構図 「つなぎ予算」は11/17に失効⇒政局混乱に注意 日本株: 岸田首相の17兆円経済対策はインフレ増進策 衆院総選挙は来夏のシナリオ?

 2)11/7、NYダウ+56ドル高、34,152ドル(日経新聞より抜粋
  ・米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が和らぎ、高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買い優勢となり、NYダウは7日続伸した。
  ・11/7の米債券市場で長期金利は前日に比べ▲0.10%低い4.54%を付ける場面があった。前週に米国のインフレ鈍化の兆候を示す経済指標の発表が相次いだことで、米連邦準備理事会(FRB)による追加の利上げ観測が後退している。シカゴ連銀のグールズビー総裁は11/7の米CNBCの番組で、政策金利について「どのぐらい高くすべきかというより、今の水準をどのぐらい長く維持するかという議論に変わっていくだろう」と述べた。
  ・11/7の米原油先物相場が大幅に下落した。原油高によるインフレや企業収益悪化への懸念が和らいだことも相場を支えた。市場では「7~9月期決算が市場予想を上回った企業が目立ち、買い安心感につながっている」との声が聞かれた。
  ・NYダウは取引開始直後に▲70ドル余り下げる場面があった。前日までの6営業日でNYダウは+1,600ドル余り上昇していた。短期的な過熱感が意識されやすく、景気敏感株の一角に利益確定の売りが出やすかった。
  ・ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は11/7のブルームバーグ通信のインタビューで、必要となれば追加の金融引締めを検討する姿勢を示した。週内にはパウエル議長などFRB高官の発言機会が多く、内容を見極めたい投資家も多かった。午後の取引でNYダウは伸び悩んだ。
  ・個別株では、顧客情報管理のセールスフォース、スマートフォンのアップル、ソフトウェアのマイクロソフトが上げた。半導体のインテルも買われた。ネット通販のアマゾン、電気自動車のテスラなど主力株が買われた。半面、化学のダウ、建機のキャタピラー、航空機のボーイングが下げた。原油価格の下落で石油のシェブロンにも売りが出た。

 3)11/8、NYダウ▲40ドル安、34,112ドル(日経新聞より抜粋
  ・前日までの急ピッチの上昇で過熱感が意識された。半面、米国の利上げ観測の後退を背景に、ハイテクやディフェンシブ株などに物色が入り、相場を下支えした。
  ・NYダウは前日までの7営業日の間で+1,700ドル余り上昇し、短期間に大きく水準を切り上げていた。11/8は利益確定や持ち高調整の売りが優勢となり、一時▲150ドル余り下げた。
  ・朝方は買いが先行し、NYダウは午前に+100ドル上げる場面があった。前週発表の米経済指標が景気減速や労働需給の緩和を示し、市場の一部で米連邦準備理事会(FRB)の利上げ局面が終了したとの見方が強まった。11/8の債券市場では米長期金利が4.5%台前半(前日終値は4.56%)で推移する場面が目立った。米長期金利の低下基調で、株式の相対的な割高感が薄れる傾向にある。
  ・市場では「足元の上昇に乗り遅れまいとする機関投資家が相場の動きに追随した買いを入れている」との声があり、株価が下がる場面では押し目買いが入った。多くの機関投資家が運用指標とするSP500株価指数とハイテク株比率の高いナスダック総合指数は小幅に上げて終えた。ナスダックは小幅続伸ながら9日連騰した。
  ・個別銘柄では、ドラッグストアのウォルグリーンズが安い。石油のシェブロンや工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株も売られた。画像処理半導体のエヌビディアなども買われた。一方、ソフトウェアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが高い。バイオ医薬品のアムジェンなど業績が景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄も上げた。

●2.米国株:NYダウは下落線の上限34,200ドルにタッチ、転換点のため注意

 1)長期金利の低下が、ハイテク株を上げ、NYダウを引上げた
  ・米雇用統計の鈍化が、長期金利の上昇懸念を和らげた。

 2)NYダウは、8/1高値から下落線を描き、10/27に底を付け、11/7まで反発した
  ・NYダウの推移
   08/01 35,630ドル
   10/27 32,417 8/1高値から▲3,213ドル下落、▲9.0%下落
   11/07 34,152 10/27底から+1,735ドる上昇、戻り率+54%
   11/08 34,112 7日連騰で過熱感が出て▲40ドル反落

 3)NYダウは8/1からの下落線34,200ドルに11/8にタッチし下落、戻りの転換点か?
  ・長期金利は11/8も低下したが、ハイテク銘柄の多いナスダックは小幅の上げ。
  ・長期金利の推移(10年物)
   10/28  10/31  11/07  11/08
   4.894%  4.931  4.567  4.497
  ・11/8は金利低下にもかかわらず、NYダウは▲40ドル安、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数はわずか+10上昇・+0.08%上がっただけ。
  ・11/8は8/1から始まった下落線の34,200ドルに瞬間タッチした後、下落した。この34,200ドルを上に抜かないと下落基調に戻る可能性がある。「上昇か下落か」の転換ポイントに位置する。
  ・恐怖指数(VX)が低下したため、再度上昇の可能性(米国株の下落を示唆)。要注意。

 4)長期金利に影響を及ぼすリスク
  ・持続的なインフレ圧力⇒予想外の金利引上げ
  ・中国の一段の景気減速⇒中国の景気悪化が海外に波及
  ・中東・中国の緊張高まり⇒世界市場に混乱

●3.FRB高官、インフレ目標2%達成を再公約、長期債利回りの急伸睨みつつ(フィスコより抜粋

 1)連邦準備制度理事会(FRB)のボウマン理事、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、インフレは終了しておらず、インフレの2%目標達成を再度公約した。特に、ボウマン理事は引続き追加利上げが必要だと予想していると、最近の雇用統計で労働市場の減速が明らかになったにも関わらずタカ派姿勢を崩していない。

 2)一方で、最近の長期債利回りの急伸を巡りウォラー理事は、10年債利回りの+1%近くの上昇は、中央銀行と金融市場では地震に相当すると、警戒心を表明。理事の見解は経済指標に関する講演のなかのものであり、政策に関する発言ではない。しかし、利回りの急伸が金融状況逼迫の警告を理事に与えたことは確かだと見られている。

 3)今週はパウエルFRB議長は11/8に挨拶、11/9には国際通貨基金(IMF)会合の討論会に参加予定で、追加利上げの可能性を見極めるため、注目が集まっている。

●4.投資の神様・バフェット氏の投資会社は7~9月で株式▲7,800億円売り越(ABEMAより抜粋

 1)手元資金は過去最高の約23兆円。

 2)世界経済の減速と資源を多く使う中国の景気減速が本格的な景気後退になると、米国株はあと▲1~▲2割ぐらい下がる可能性に対して身構えているのでは、と野村総研の木内登英氏は話す。

●5.ユーロ圏総合PMI、10月は46.5で景気後退リスク高まる(ロイター)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)11/6、上海総合+27高,3058(亜州リサーチより抜粋
  ・先週の好地合いを継ぐ流れとなり、10/18以来の高値水準を回復した。
  ・米長期金利の低下期待や、米中関係の関係改善が引続き支えとなった。経済対策の期待感も強まった。
  ・新しく就任した中国財政部の藍佛安部長はこのほど、2024年新規地方政府債の前倒し発行に言及した。
  ・業種別では、政策支援の動きが期待される、証券の上げが目立った。複合のメディアが11/6に報じたところによれば、先ごろ開催された5年に1度の中央金融工作会議では、大手証券会社のM&Aや再編を支援し、資本市場を活性化させる方針が示されたという。ハイテクも高く、医薬もしっかり。不動産・自動車・素材・インフレ関係なども買われた。半面、石油・石炭などエネルギーは冴えず、公益・銀行・海運が売られた。

 2)11/7、上海総合▲1安、3,057(亜州リサーチより抜粋
  ・売りの圧力が意識される流れとなった。
  ・上海総合指数はこのところ急ピッチに上昇し、足元で10/18以来の高値水準を回復しており、様子見ムードが広がった。
  ・取引時間中に公表された10月の貿易統計が強弱感の分かれるなか、明日11/9に発表される物価統計の内容を見極めたいとするスタンスも強まった。ただ、下値は限定的。
  ・今日、公表された貿易統計は、輸入がプラス成長を回復したものの、輸出は減速が続いている。
  ・米中関係の改善や中国の経済対策に対する期待感が根強く、指数はプラス圏で推移する場面も見られた。
  ・業種別では、保険の下げが目立ち、消費関連も冴えず、医薬・インフラ関連・運輸なども売られた。半面、ハイテク関連はしっかり、証券も物色された。複数のメディアが11/6に報じたところによれば、先ほど開催された5年に1度の中央金融工作会議では、大手証券会社のM&Aや再編を支援し、資本市場を活性化させる方針が示されたという。エネルギー・不動産・銀行・メディア・娯楽なども買われた。

 3)11/8、上海総合▲4安、3,052(亜州リサーチより抜粋
  ・経済指標の発表が気掛かり材料として意識される流れとなった。もっとも下値は限定されている。
  ・中国では明日11/9、10月物価統計が公表される予定だ。関係者の間からは、デフレが進み、景気懸念を示唆する内容となる可能性が指摘されている。
  ・足元では、官民が公表した景気感指数がそろって悪化。前日に公表された輸出入統計は、強弱感の分かれる内容だった。
  ・中国経済対策の効果が期待されている。国際通貨基金(IMF)は11/7、中国政府が1兆人民元(約20兆5,000億円)規模の国債増発を決定したことなどを受け、中国経済の成長見通しを2023年は5.0⇒5.4%、2024年は4.2⇒4.6%のそれぞれ上方修正している。
  ・指数はプラス圏で推移する場面もあった。
  ・業種別では、素材の下げが目立ち、エネルギー関連も冴えない。原油安が逆風で、昨夜のNY市場ではWTI原油先物が▲4.3%安と急反落し、約3カ月ぶりの安値を一時付けた。金融・インフラ関連・公益・消費関連なども売られた。半面、医薬は物色され、不動産・メディア・娯楽が買われた。

●2.中国、10月輸出▲6.4%減(予想▲3.3%)、輸入+3.0%増(予想+4.4%)(ロイター)

●3.世界のファンド、10月に中国株を▲31億ドルを売却=モルガンS(ロイターより抜粋

 1)3カ月連続で▲30億ドル以上の売り越となった。

 2)欧州ファンドは2020年終盤から積み上げてきた保有の約半分を売却。米国ファンドからの資金流出も加速した。個別銘柄では、電子商取引大手のJDドットコム(京東集団)、大手スマホメーカーの小米科技(シャオミ)、中国建設銀行が売られた。一方、アリババ、百度(バイドゥ)AIAが買われた。

●4.米ギャラップ、中国市場から撤退へ、「中国に好意的な米国民は15%」の世論調査を

公表で、当局から圧力か(読売新聞より抜粋
 1)中国の国家安全当局は、米系の調査会社やコンサルティング会社が国家機密を盗み出しているとして警戒を強めている。今年に入り、米国のベインやミンツなどが捜索や聴取の対象となっていた。

 2)在北京の企業関係者によると、顧客となっている日系企業も多く、中国での事業活動に影響が及ぶ可能性がある。

●5.碧桂園の支配株主に、中国当局が平安保険に要請=関係者(ロイター)

 1)中国企業が、中央政府の要請を無視できるのは「稀」であるが、条件を交渉する余地はある。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)11/6、日経平均+758円高、32,708円(日経新聞より抜粋
  ・日米の長期金利低下を追い風に、値がさの半導体関連を中心に買い優勢となり、上げ幅は今年最大で、節目の32,000円を回復し、9/20以来の高値を付けた。日経平均は一時+800円強上昇する場面もあった。
  ・前週末に発表された10月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退し、米長期金利は一時4.48%と9月下旬以来の水準に低下した。さらに11/6の国内債券市場でも長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が後退したとの見方から海外勢などの買いを誘った。
  ・日銀の植田総裁は11/6、名古屋での金融経済懇談会で「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の枠組みのもとで粘り強く金融緩和を継続することで、経済活動を支え、賃金が上昇しやすい環境を整えていくことが政策運営の基本だ」と強調した。緩和的な金融政策が継続するとの見方も買いを後押しした。
  ・半面、これまで金利上昇局面で買われてきた銀行株は次第に売りが膨らみ、相場の一段の上値を抑えた。
  ・個別銘柄では、アドテスト・ファストリ・東エレク・KDDI・TDKが上昇した。一方、アステラス・レーザーテク・花王・ニトリが下落した。

 2)11/7、日経平均▲436円、32,271円(日経新聞より抜粋
  ・このところの急伸で短期的な過熱感が意識され、利益確定目的の売りが先行し、日経平均は5営業日ぶりに反落した。日本時間11/7の取引で米株価指数先物が軟調に推移したのも重荷となった。
  ・日経平均は前日に+758円高と今年最大の上げ幅を記録した。前日までの4日続伸で合計の上げ幅も+2,000円を超え、高値警戒感から売り圧力が強まった。11/7の米株価先物指数がマイナス圏で推移し、上昇が続いてきた米国株の下落リスクも心理面で重荷になった。海外の短期筋が株価指数先物に売りを出し、日経平均は下げ幅を広げた。
  ・国内は主要企業の決算発表が相次いでいる。業績の実績や通期予想が市場予想に届かなかった銘柄の下げも目立ち、味の素や帝人・NTTが下落した。中国の10月の貿易統計で米ドル建ての輸出額が市場予想より減少し、中国景気の減速懸念が売りを誘ったとの見方もあった。
  ・個別銘柄では、京王・清水建設・NTTデータが下げた。一方、旭化成・日立造船・スクリンは高い。

 3)11/8、日経平均▲105円安、32,166円(日経新聞より抜粋
  ・米長期金利が低下し、買い持ち高が積み上がったバリュー(割安)株を売る動きが相場の重荷となった。一方、前日の米ハイテク株高を支えに、日経平均は朝方には上昇する場面も
あった。決算を発表した銘柄の個別物色が中心で、相場の方向感は乏しかった。
  ・米金利の先高観が後退し、これまで堅調だった銀行や保険など金融株に売りがかさんだ。中国景気の減速懸念から11/7のニューヨーク原油先物相場が下落し、石油関連株の売りも目立った。午後に機械や鉄鋼など景気敏感株が弱含み、株価指数先物への売りが次第に優勢となると、日経平均の下げ幅は一時▲200円を超えた。
  ・11/7の米債券市場では長期金利が低下し、10年物国債利回りは4.56%で終えた。これを受けて同日の米株式市場でハイテク株比率の高いナスダック総合指数が+0.89%高で終えた。
東京市場でも半導体関連などハイテク株への買いが相場の支えとなり、日経平均は午後に上げ幅を+200円超に広げる場面があった。
  ・前日に決算を発表した任天堂が買われ、今日発表した川重が売られるなど、個別銘柄の物色は活発だったが、相場全体の方向感を定めるほど株の持ち高を一方向に傾ける動きは目立たなかった。
  ・個別銘柄では、東海カ・ソフトバンクG・トヨタが下げた。一方、横河電・エーザイ・リクルートが上げた。

●2.日本株:政治の混乱が「日本株にとってリスク」

 1)相場の概況
  ・11/6:金利低下を好感、半導体株が牽引し、今年最大の上げ幅。
  ・11/7:過熱感が意識され、大幅下落。
  ・11/8:金利先高観が後退し金融株が大幅下落。中国景気懸念で関連株安。世界景気後退懸念で資源・金利が低下し、景気敏感・金融株下落。

 2)テクニカル指標:過熱感を示す
  ・騰落レシオ(6日) 10/26 11/6 11/7 11/8
             60  209  126 137 :やや過熱感
  ・ストキャスティクス 11/1 11/6 11/7 11/8
   SLOW       24  70  86 89 :過熱感が高まる

 3)日経平均上昇の要因
  ・7月期決算発表シーズンで好業績。
   円安効果
   値上げ効果
   日銀による金融緩和継続で低水準な金利環境
  ・米国株が金利低下で割高感薄れ・企業業績好調で上昇の追い風を受ける。

 4)最近の株価は「金利低下」を好感し上昇したが、11/7からその方程式が崩れる傾向
  ・長期金利の上下変動で、株価が変動する
  ・最近の日経平均の上昇で、NYダウに対して日本株の「割安感」が後退し、むしろ割高感が増す位置にある。

 5)政治の混迷化が、日本株の足を引っ張る懸念が増す
  ・今の日本に国民にとって必要なのは「物価高問題への対応」である。物価上昇で、実質賃金のマイナスが18カ月連続して、庶民の生活は苦しくなっている。その苦しさを反映して、子供への仕送り額が大幅に減少している。両親にとって、子供への仕送りの減額は、最後の手段だ。
  ・岸田首相は「経済立て直し」とのことで、国会演説で「経済、経済、経済」と連呼した。そして、経済対策として17兆円もの補正予算を成立させようとしている。その心は、「低下した支持率」の挽回対策にある。
  ・「岸田政権支持率の向上」が目的の「超大型補正予算」であると国民から見透かされている。しかも、その経済対策のために、8.5兆円もの国債の増発が予定されている。国の借金増は、後日、国民が支払うことになる。
  ・2年前の自民党総裁選挙で岸田候補の公約は、「所得倍増」「金融課税強化」「新しい資本主義」であった。最近、とんと聞かない。忘れたのか。自民党総裁になるための方便だったのか。
  ・来年の自民党総裁選挙での再選を狙った、場当たり的な発想と実行と映る。
  ・国民の関心は「物価高対策を含めた実質賃金のプラス」である。食糧自給率は低く、輸入に頼っているのが日本の現状である。「円安の進行」は物価高に直結する。円安対策も立派な「物価対策」の1つであるが、首相の眼中にはないようだ。
  ・超大型経済対策が「庶民の生活安定と回復」に、どのように関係付けているのか知りたい。
  ・自民党を支えてきた保守岩盤支持層が流動化していることは各社の世論調査で明らかとなっている。弱い野党に助けられているが、政治の流動化は日本の国益を損ねる。日本の株式取引の約65%は外国人証券会社が担っている。海外投資家が特に嫌うのが「政治の混乱」である。この政治の混乱を収束しなければ、「日本株の流動化」に歯止めがかからなくなるリスクに警戒したい。

●3.実質賃金、9月前年同月比▲2.4%減、18カ月連続減少(テレ朝)

 1)9月消費者支出、前年同月比▲2.8%減

●4.米ブラックストーン、アジアではインドと日本に集中、来年の未公開株(PE)投資(ブルームバーグ)

 1)日本の注目セクターは、IT(情報技術)や消費関連。

 2)投資金額は1件当たり3,000億円超も、大企業の事業売却には強い関心。

●5.半導体素子大手JSR、9月中間決算で純損失▲21億円、前年同期+147億円黒字(時事通信)

●6.海運大手3社、上期決算はコンテナ運賃下落などで大幅減益(NHK)

 1)日本郵船 上期純利益+1,133億円、前年同期比▲83%減
 2)商船三井 上期純利益+1,507億円、前年同期比▲74%減
 3)川崎汽船 上期純利益+631億円、前年同期比▲88%減

●7.帝人、4~9月期純損失▲5.4億円、前年同期+75.7億円黒字(ロイター)

●8.シャープ、4~9月期営業利益▲58億円赤字、前年同期+10億円黒字(NHK)

●9.米ウィーワーク、連邦破産法11条適用申請、ソフトバンクG出資(ロイター)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・7085 カーブス 増益
 ・7733 オリンパス 株価反発期待

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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