相場展望11月2日号 米国株: 「金利据え置き」で株価上昇、「インフレ高を忘れる」 日本株: 「底入れサイン」出るも、騰落レシオは「警戒感」示唆

2023年11月2日 11:23

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)10/30、NYダウ+511ドル高、32,928ドル(日経新聞より抜粋
  ・前週末のNYダウは3月以来の安値で終えており、自律反発狙いの買いが入り、1日の上げ幅としては6/2(+701ドル高)以来の大きさとなった。今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)や10月の米雇用統計の発表など重要日程を控えており、売り持ちを手仕舞う買いも入りやすかった。
  ・NYダウは直近2週間の下げ幅が▲1,200ドルを超えた。前週末にはハイテク株比率の高いナスダック総合指数に加えて、多くの機関投資家が運用指標とするS&P500株価指数も7月の高値からの下落率が「調整局面」入りの目安となる▲10%を超えていた。
  ・今週は米連邦準備理事会(FRB)だけでなく、日銀や英イングランド銀行(中央銀行)も政策会合を開く。米国では雇用統計などの注目度の高い経済指標や、スマートフォンのアップルの決算発表も予定されている。市場では「売られ過ぎの水準となっていたため、重要日程を前に持ち高を中立方向に戻すための買いが入った」との声が聞かれた。
  ・イスラエルは前週末からイスラム組織ハマスが実効支配するパレスナ自治区への空爆や地上作戦を拡大させていると伝わった。中東情勢の悪化懸念は引き続き根強いものの、10/30の米原油先物相場は下落した。外国為替市場ではドルが主要通貨に対して売られた。原油高やドル高を通じた米企業の収益圧迫への懸念がやや和らいだことも、米株相場の支えになったとの見方があった。
  ・個別銘柄では、スポーツ用品のナイキや金融のゴールドマンサックスが+4%弱上昇した。通信のベライゾンや工業製品・事務用品のスリーエムも買われた。前週に売りが目立ったハイテク株も買い直され、ソフトウェアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが高い。朝に発表した2023年7~9月期決算が市場予想を上回った外食のマクドナルドは+2%弱高となった。ネット通販のアマゾンや交流サイトのメタ、検索サイトのアルファベットなど主力株が買われた。

【前回は】相場展望10月30日号 米国株: 厳しい試練が続く株式市場、底値は30,000ドル割れも視野? 日本株: 買い手の海外投資家と証券自己部門が売り転換、買い手不在

 2)10/31、NYダウ+123ドル高、33,052ドル(日経新聞より抜粋
  ・11/1午後に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を控え、景気敏感株などに持ち高調整の買いが続いた。NYダウは前週末におよそ7カ月ぶりの安値を付けていたため、売り持ち高を減らすための買いが入りやすかった。
  ・NYダウは10月の月間では▲454ドル(▲1.35%)下落した。下落は3カ月連続で、2020年1~3月以来の連続月間下落記録となる。
  ・FOMCでは政策金利の据え置きが大方の予想となっている。市場では「相場が大きく動くようなイベントにならないと見た投資家が持ち高を中立に戻すための買いを入れた」との声が聞かれた。NYダウは前週末までの2週間で、▲1,200ドル余り下落していた。
  ・米原油先物相場が下落し、原油高による景気悪化懸念が和らいだことも投資家心理の改善につながった。航空機のボーイング、機械のハネウェルなどの景気敏感株やクレジットカードのアメリカンエキスプレスといった消費関連株が上昇し、NYダウを支えた。
  ・ただ、米連邦準備理事会(FRB)が12月以降に再利上げに動くとの観測は根強い。11/1のパウエルFRB議長の記者会見内容を見極めたいとの雰囲気もあり、NYダウの上値は重かった。
  ・NYダウは▲140ドル余り下げる場面があった。建機のキャタピラーが▲7%安となり、指数を押し下げた。朝発表の2023年7~9月期決算は市場予想を上回ったが、10~12月期見通しが物足りないとの受け止めが広がった。同様に朝に決算を発表したバイオ製薬のアムジェンは▲3%安だった。
  ・7~9月期の雇用コスト指数は前の四半期に比べ+1.1%上昇し、市場予想+1.0%上昇を上回った。米国のインフレ懸念が意識されたのも相場の重荷だった。
  ・個別株では、通信のベライゾンや工業製品・事務用品のスリーエム、半導体のインテルが上げた。電気自動車のテスラ、ネット通販のアマゾンなども買われた。一方、石油のシェブロンが売られた。

 3)11/01、NYダウ+221ドル高、33,274ドル(日経新聞より抜粋
  ・米連邦準備理事会(FRB)は11/1まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。金融引締めの長期化に対する過度な警戒がいったん薄れ、買いが入った。
  ・FRBは政策金利を5.25~5.5%に据え置いた。市場の想定通りの結果で、株式市場では発表後に買い安心感が広がった。パウエルFRB議長はFOMC後の会見で、今後の金融引締め方針について、「今後の経済データに基づいて注意深く進める」などと従来の見解を繰返した。物価上昇率を目標の2%に戻すには経済と労働市場がある程度鈍化する必要があるとの見方を示したものの、一段の利上げに対する警戒は薄れ、会見中に買いの勢いが増した。
  ・オアンダのモヤ氏は「FRBはタカ派の姿勢を維持しようとしたが、市場関係者は追加の金融引締めがあるとは考えていない」と指摘した。
  ・会見を受けて米長期金利は4.7%台半ばまで低下(前日終値は4.93%)した。株式の相対的な割高感が薄れたのも株買いを誘った。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが入り、ソフトウェアのマイクロソフトとスマートフォンのアップルの上昇が目立った。
  ・朝には米財務省が四半期の国債発行計画を明らかにした。発行額は市場予想よりも少なく、国債増発に伴って債券需要が緩むとの警戒感が和らいだ。これも米長期金利の低下を促し、株式相場を下支えした面がある。
  ・個別株では、建機のキャタピラーや半導体のインテル、バイオ製薬のアムジェンが上昇した。7~9月期決算を発表したAMDが+10%弱上昇し、交流サイトのメタの上昇も目立った。半面、ドラッグストアのウォルグリーンズやスポーツ用品のナイキは売られた。

●2.米国株:「金利据え置き」で株価上昇も、「インフレ率の高さ」を放置

 1)NYダウの10/1の+511ドル高は「利上げ停止観測」、11/1の+221ドル高は「金利据え置き決定」で上昇
  ・NYダウ上昇の要因。
   ・追加の利上げ停止観測が強まり買い直し。
   ・直近のNYダウ▲1,200ドル超下落していたため、自律反発狙いの買い。
   ・売り持ち残高が高くなり過ぎたための調整で、売り方の買い戻し。

 2)直近2日間は「金利据え置き」で株価上昇も、「インフレ率の高さ」を忘れている

 3)米長期金利は「金利引上げ停止」観測で低下したが、再上昇リスクに注目したい。

●3.米10月ISM製造業景況指数は46.7、予想49.0・9月49.0から予想外に悪化(フィスコ)

●4.米求人件数は955万件、予想940万件と予想外の2カ月連続増加(ブルームバーグ)

 1)経済のさまざまなセクターで労働市場が力強さを維持していることが浮き彫り。

●5.米国経済の成長に減速の兆し、FOMCは追加利上げの可能性残す(フィスコより抜粋

 1)米国経済は若干減速の兆しが見られ始めた。米コンファレンスボードが発表した10月消費者親鸞感指数が102.6と、9月104.3から低下し、5月来の低水準となった。しかし、予想100.5を上回った。

 2)連邦準備制度理事会(FRB)は、11月連邦公開市場委員会(FOMC)で2会合連続で政策金利を据え置き、今までの利上げによるインフレや経済への影響をさらに見直していく公算。最近の長期債利回りの上昇を巡る判断などにも注目が集まる。ただ、労働市場が減速傾向にあるとはいえ依然底堅く、米国経済の7割が消費であり追加利上げの選択肢も残す可能性が強い。

 3)中国の10月製造PMIが予想外に再び景気後退域に落ち込んだほか、ユーロ圏の7~9月期経済が予想外のマイナスに落ち込むなど、世界経済の急速な鈍化の影響が果たして今後、米国経済にも波及するかどうかに注目が集まる。米国経済が景気後退を回避し、独り勝ちとなると、ドル買いをさらに支援することになる。

●6.米ウィーワーク、来週にも連邦破産法11条の適用を申請=米WSJ紙(ロイター)

●7.米AMD、7~9月期見通し予想を下回る、ゲーム市場低迷など重し(ロイター)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)10/30、上海総合+3高、3,021(亜州リサーチより抜粋
  ・米中関係の改善期待が相場を支える流れとなった。
  ・中国の王毅・外交部長は10/26~28の日程で訪米し、バイデン米大統領やブリンケン国務長官などと相次いで会談した。11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会談に合わせ習近平・国家主席とバイデン米大統領の会談が実現するとの見方も広がった。ただ、全体としては上値が重い。
  ・中東地域の地政学リスクが高まっているほか、中国指標の発表も気懸り材料として意識された。中国で明日10/31に、10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表される。
  ・業種別では、ハイテク関連の上げが目立ち、医薬もしっかり。素材・公益・インフラ関連・空運・酒造・食品なども買われた。半面、銀行が安い。純金利マージンが低下し、業績不安が重しとなった。不動産・エネルギー・自動車・保険・証券が売られた。

 2)10/31、上海総合▲2安、3,018(亜州リサーチより抜粋
  ・中国景況感の悪化が嫌気される流れとなった。
  ・朝方公表された10月の中国製造業PMIは49.5に低下し、景況判断の境目となる50を再び割り込んだ。予想外の縮小を受け、景気懸念が改めて広がった。ただ、経済対策の強化が支えとなって、下値は限定されている。
  ・市場では、7~9月期に預金準備率が引き下げられるとの観測が浮上している。指数はプラス圏で推移する場面もみられた。
  ・業種別では、ハイテク関連の下げが目立ち、自動車も安い。素材・インフラ関連
  ・医薬なども売られた。半面、金融はしっかり。公益・不動産・エネルギー・空運・食品・酒造の一角が買われた。

 3)11/01、上海総合+4高、3,023(亜州リサーチより抜粋
  ・中国経済対策の期待感が相場を支える流れとなった。
  ・官民で公表された景況感指数が悪化する中、市場からは「景気不安は経済対策につながる」との声が聞かれた。関係者の間からは、10~12月期に預金準備率が引き下げられるとの観測も浮上している。
  ・5年に1度の中央金融工作会議に関しては、10/30~31に開催され、流動性の確保と融資コストの引き下げに尽力することが確認された。
  ・業種別では、酒造の上げが目立った。白酒(中国の蒸留酒)メーカー最大手の貴州茅台酒は10/31、一部製品の出荷価格を約6年ぶりに引上げると発表。業界全体の追い風となった。銀行もしっかり。公益・エネルギー・自動車・メディア・娯楽なども買われた。半面、素材は冴えない。ハイテク・医薬・不動産・海運・インフラ建設は下落。

●2.中国の女性、「家族の新潮流」の確立が必要=習近平・国家主席(ロイターより抜粋

 1)中国の習近平・国家主席は、政府が高齢化と出生率の低下に取り組む中、女性には重要な役割があり、「家族の新潮流」を確立しなければならないと、述べた。女性の仕事において良い働きをすることは、女性自身の発展だけではなく、「家族の調和、社会の調和、国家の発展、国家の進歩」にも関係すると指摘。「結婚・出産に関する新しい文化を積極的に育成し、若年層の結婚・出産・家族観に対する指導を強化する」ことが必要とした。

●3.中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)、10月は49.5と、予想50.2を下回る(ロイター)

 1)9月の50.2からも低下し、景気の境目である50を割れた。

 2)10月非製造業PMIは49.5で、市場予想50.2を下回った。(フィスコ)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)10/30、日経平均▲294円安、30,696円(日経新聞より抜粋
  ・パレスナ自治区ガザを巡る情勢が悪化する懸念などを背景に、前週末の米市場でNYダウが7カ月ぶりの安値で終えたことを受けて、東京市場でも幅広い銘柄に売りが出て、下げ幅は一時▲450円を超えた。
  ・前週末に2024年3月期(今期)の業績見通しを下方修正した日野自やオムロンが値幅制限の下限(ストップ安水準)まで急落した。決算発表後に売られる銘柄が目立ち、投資家心理が悪化したのと指摘があった。日本時間10/30の取引で米長期金利が前週末比で上昇すると、日経平均が下げ幅を広げる場面もあった。
  ・10/31に日銀の金融政策決定会合の結果公表を控えて、買い持ちの解消が出たとの声も聞かれた。もっとも一方的な売りは続かず、売り一巡後には大引けにかけて様子見ムード
が強まった。
  ・個別株では、コマツ・住友化が下げ、三菱自も売られた。一方、日立・日清粉の上げが目立ち、キーエンスが高かった。

 2)10/31、日経平均+161円高、30,858円(日経新聞より抜粋
  ・朝方は売りが先行したものの、日銀が金融政策決定会合の結果を公表すると、政策修正への過度な警戒感が後退して短期筋による買い戻しが入った。もっとも国内金利の先高観がくすぶる中で半導体関連には売りが出て、相場の重荷となった。
  ・日銀は今日まで開いた金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めた。長短金利の事実上の上限だった1%を「めど」とした。一定程度を超えることを容認するが「これまでの政策からほとんど変わらない」と受け止められた。外国為替為市場で円相場が1ドル=150円台前半まで下落したのに歩調を併せて株買いが強まり、日経平均は午後に上げ幅を+270円程度まで広げた。
  ・国内債券市場で長期金利上昇が米長期金利の高止まりで、アドテスト・東エレク・レーザーテクといった半導体関連には売りが膨らんだ。「国内で物価が上昇する中、マイナス金利解除など本格的な政策修正の時期を巡る思惑で金利には上昇圧力がかかるリスクもある」という見方もあった。これまで発表された海外の半導体関連企業の決算が振るわず、国内半導体企業の決算に慎重な見方が出ているのも買いの見送りにつながった。
  ・半面、金利上昇が追い風になりやすい銀行や保険といった金融株には買いが優勢だった。
  ・個別株では、KDDI・テルモ・ファストリ・ダイキンが上昇した。一方、デンソー・TDK・パナソニック・ルネサスが下落した。

 3)11/01、日経平均+742円高、32,601円(日経新聞より抜粋
  ・前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継ぎ、この日の高値で引け、上げ幅は今年2番目の大きさとなった。外国為替市場で1ドル=151円台まで円安・ドル高が進み、輸出関連株に採算改善を見込んだ買いが入った。日銀が金融緩和姿勢を当面続けるとの見方も投資家心理を強気に傾けた。
  ・日銀が前日の金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を決めた。ただ、微調整にとどまり、市場の想定ほど金融政策の正常化に前のめりではないと受け止められた。イベントを無難に通過し、売り持ち高を膨らませていた海外ヘッジファンドなどの短期筋が株価指数先物に買い戻しを入れたようだ。財務省の為替介入が10月はなかったことが分かり、円買い介入への過度な警戒感が後退したことも外需株の買い安心感につながった。
  ・日経平均は大引けにかけて強含んだ。トヨタが午後に2024年3月期の連結業績の上方修正を発表し、市場予想平均のQUICKコンセンサスも上回った。トヨタに好感した買いが入って上げ幅を広げると、円安進行を追い風にした企業業績の改善期待が市場全体に広がった。
  ・個別銘柄では、ファストリ・ファナック・TDKなど値がさ株が高い。ホンダ・SUBARU・スズキなど自動車株が上昇した。東エレク・信越化・スクリンも買われた。一方、アドテストが大幅安、オークマ・住友ファーマが下落した。日本ハム・ニチレイが売られた。

●2.日本株:「底入れのサイン」点灯も、騰落レシオ(6日)は「警戒感」を示唆

 1)10/30の日経平均は+161円高も、強弱入り乱れる
  ・空売り比率は、54.3と異常に高い数値となったが、「騰落率(25日)ー空売り比率」は25.02と底値圏⇒「底入れのサイン」

 2)11/1の日経平均は+742円高と、売りの薄い中買い戻しで急騰
  ・大幅高の要因
   ・米国株の上昇。
   ・円安「151円」台突破で、企業業績改善期待の高まり。
   ・トヨタの好決算発表による株高の波及効果。
   ・日銀の誘導金利上昇を受け、金利高期待で銀行株急伸。
   ・空売り比率が40.1と「売り手控え」、日経平均は買い戻しによる一方的な買い優勢となり急騰した。
   ・騰落レシオ(6日)は145.19と過熱感を示唆。
   ・海外投資家の先物手口は+4,773枚の買いに転換。

 3)日銀は「一定の金利上昇を容認」と方針の小幅修正
  ・日銀が10/31、金融政策決定会合で「1%に一定程度を超える金利上昇を容認」したことで警戒感が後退し、日経平均に買いが入り上昇した。
  ・また、円相場が151円を突破し、今年の最安値を付け、輸出関連企業も上昇。

 4)海外投資家ぼ株価先物の手口は、「迷い」で強弱感が出て、方向性は定まらず
  ・10/30 11/1
   海外投資家の先物手口 ▲5,015枚売り +4,773枚買い
   日経平均の動向    +161円高   +742円高
  ・海外投資家の先物手口の枚数は少なく、腰が据わった売買とは言い難い。
  ・ただ、外国人の株価先物に対する「売り」スタンスは10/30まで2週間続いており今後の手口に注目。
  ・「売り」が続いたため、「売り疲れ」が出て「買い直し」の場面もあり得る。

 5)株式相場に「援軍」
  ・米株式相場の上昇。
  ・円安の進行で、企業業績改善期待増す。
  ・補正予算17兆円規模。

 6)懸念材料:政治への不信感の高まり
  ・臨時国会の提出法案に「首相は年収30万円アップ、閣僚20万円増収」がある。賃金アップは一部の国民であり、全体的に実質賃金は目減りが続いている。物価高で庶民の生活はますます苦しくなっている。国民の生活苦に共鳴できない首相に、期待する方が馬鹿を見る異常な状況になっている。
  ・首相が任命した人事で、不祥事が露見し早くも2名の辞任者が発生。

 7)株価上昇の持続性には疑問
  ・外国人の株価先物手口は売り継続のため。
  ・売り方の買い戻しによる上昇のため。
  ・大幅下落による自律的反発のため、買い上がるには力不足。
  ・米長期金利が11/1に低下(4.717%)したため、円相場が円安⇒円高に転換する可能性が出てきた。
  ・円高進行で輸出関連株が業績改善期待が剥がれる恐れがある。
  ・金利上昇で銀行株が急伸したが、根拠が薄くなる。

●3.企業業績

 1)トヨタ、4~9月期純利益+2兆5,894億円、2年ぶり過去最高更新(時事通信)
 2)三井住友トラスト、2024年3月通期純利益+2,000⇒+1,000億円に下方修正(ブルームバーグ)
 3)三菱自、2024年3月通期、営業利益+1,700⇒+2,000億円に上方修正(ロイター)
 4)パナソニック、4~9月期純利益+2,883億円、前年同期比2.7倍(朝日新聞)
 5)オムロン、通期予想+1,020⇒+450億円に下方修正(Kabutan)
 6)オリエンタルランド、4~9月期純利益+545億円最高益、開園40周年(時事通信)
 7)TOTO、2024年3月期営業利益+530⇒+470億円下方修正(朝日新聞)
 8)通期営業利益+100⇒+110億円に上方修正(フィスコ)
 9)アドテスト、今期純利益が▲54%減に下方修正、スマホ需要低迷で(日経新聞)
 10)ソシオネクス、今期、純利益+14%増、半導体関連の販売伸びる(日経新聞)
 11)スクリン、今期、純利益+4%増に上方修正(日経新聞)
 12)アルフレッサ、2024年3月営業利益+320⇒+360億円上昇修正(フィスコ)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・6966三井ハイテック業績回復期待。
 ・7453良品計画業績向上期待。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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