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相場展望2月23日号 米国株: 最高裁「トランプ相互関税は違憲判決」、トランプ氏受容すべき 日本株: トランプ相互関税が違憲判決でも、日本企業への恩恵は無い アドバンテスト、身代金要求型ウイルス攻撃で、AI相場に冷や汗
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)2/19、NYダウ▲267ドル安、49,395ドル
2)2/20、NYダウ+230ドル高、49,625ドル
【前回は】相場展望2月19日号 米国株: 今年消費者物価指数上昇しインフレ再燃で、利上げの可能性 日本株: 「レートチェック」が事実と明らかに、円・ドルは158円台が壁
●2.米国株:最高裁「トランプ相互関税は違憲判決」、トランプ氏受け入れるべき
1)米国・連邦最高裁「トランプ相互関税は違憲判決」
(1)米国関税の内容
対象 根拠法令
(1)相互関税 全世界 国際緊急経済権限法(IEEPA)
(2) 分野別関税 自動車・鉄鋼・アルミ 通商拡大法232条
(3) 特定国別関税 中国・ブラジルなど 通商法301条
補助金による過剰生産や強制労働などを問題視
(4)上記以外に、通商法122条がある。
・大統領が巨額の国際収支赤字を認めれば最大15%・150日間の関税。
(2)今回の米国連邦最高裁の違憲判決の対象は「(1)相互関税」の部分についてのみである。したがって、(2)・(3)は違法判決の対象外となっている。
・最高裁は2/20の判決で、「国際緊急経済権限法(IEEPA)は、大統領に関税を課す権限を与えていない」と指摘した。違憲判決とした理由に、「憲法は、関税を課す権限は『議会』に与えており、トランプ関税は大統領権限を越えている」とした。判決は9人の判事のうち6人の多数意見で、トランプ氏が任命した判事からも違憲判決の賛成者が出た。
・トランプ氏は判決に関し、非難し「さらに強力な措置を取る」として、新たに世界各国に対して150日間限定で、10%の関税を課すと表明した。
(3)トランプ氏は(1)の違法判決を受け、当面の対応として(4)による対応を取った。
・トランプ氏は、2/20に10%関税を表明し、大統領令に署名した。だが、翌2/21に15%に変更の表明したが、実施時期と大統領令署名が伝えられていない。15%関税は思い付き的な表明にも見え、今後の変更声明に注視する必要がある。
(4)違憲判決を受け、過去に納めた関税約1,750億ドル(約27兆円)ともいわれる還付が予定される。
・しかし、最高裁は、還付について判決で触れていない。
・トランプ氏は「還付」に応じないと思われる。
・トヨタなど米国内外の1,000社が還付訴訟を起こしているが、難航するだろう。
(5)トランプ氏が、暫定的に導入する10%の関税の根拠となる通商法122条は、国際収支を巡る問題に対処するため最大15%の関税を最長150日間課す権限を大統領に与えるもの。発動に当たって調査の手続きなどは必要なく、延長する場合は議会の承認が必要となる。
(6)トランプ氏の支持率は低下傾向
・トランプ米国大統領の支持率(米国ギャラップ社調査)
2025年1月 ⇒ 12月
支持 47% 36%
不支持 48 59
(7)今年11月の中間選挙対策としては、最高裁の違憲判決を受容するべき
・トランプ支持率の低下は、米国民の生活が苦しくなっていることにある。トランプ関税の価格転嫁は今年1月に入って勢いを増しているようだ。さらなるトランプ支持率の低下が必至の様相となっている。
・判決を受け入れ、関税撤廃すると、(1)インフレ抑制 (2)低下するGDPの押しあげ効果が見込まれ、(3)雇用者数の増加にも効果がありそうだ。
・違憲判決を受け、反射的に通商法122条による関税適用をするのはインフレ抑制に相反する。最高裁判決は、トランプ共和党にとって中間選挙への「恵」である、と受けとめるべき。
2)2/20の米国株式市場は、トランプ相互関税が違憲との最高裁判決を好感し上昇
(1)2/20のNYダウの状況
・NYダウは、朝方は▲200ドルあまり下落していた。トランプ関税の違憲判決が出され、株価は好感して+300ドル程度に上昇、終値でNYダウは+230ドル上げて終えた。朝方の安値から見ると違憲判決で+430ドル程度、上昇した。
・米国株式市場では2/20、NYダウは関税コストが削減され・業績向上との期待で小売り業種などに買い戻しが入った模様。
(2)違憲判決を受け、トランプ氏は新たに15%関税適用を持ち出したため、2/23以降の米国株式市場の動向に注視したい。
・2/20の反動安懸念がある。
●3.米国の2025年貿易赤字は▲9,015億ドルと、1960年以降で有数の大赤字(ブルームバーグ)
1)12月の貿易赤字は▲971億ドルに拡大、関税に揺れた2025年は屈指の大幅赤字。国別では、中国▲2,020億ドル、台湾▲1,468億ドル、ベトナムは過去最大の赤字。中国からの輸入は減ったものの、半導体や電子機器など台湾やベトナムからの輸入が大幅に増えた。(時事通信)
●4.米国先週分新規失業保険申請件数は2/14、前週比▲2.3万件減の20.6万件と予想22.5万件を大幅に下回った(フィスコ)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)2/16~23、「春節」連休のため休場
●2.IMF、中国に消費主導の成長モデルへの転換を促す、貿易黒字拡大を問題視
1)中国の貿易黒字拡大が「貿易相手国に悪影響」(ブルームバーグ)
・ゴールドマン・サックスは昨年11月、中国の拡大する輸出能力は世界経済全体にとって差し引きでマイナスだと指摘していた。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)2/19、日経平均+323円高、57,467円
2)2/20、日経平均▲642円安、56,825円
●2.日本株:トランプ・相互関税が違憲判決でも、日本企業への恩恵は無い
アドバンテスト、身代金要求ウイルス攻撃を受け、AI相場に冷や汗
1)トランプ・相互関税が違憲判決でも、日本企業への恩恵は無い
・違憲判決は、(1)相互関税(国際緊急経済権限法・IEEPA)の15%についてである。しかも、トランプ氏は即座に反応して「通商法122条」を持ち出し、15%関税賦課を表明した。
・つまり、日本企業への負担は変わらない。日本企業への違憲判決の恩恵は無い。しかも、トランプ氏は即座に反応して「通商法122条」を持ち出し、15%関税を賦課するとしたためである。
・なお、分野別関税(自動車・鉄鋼・アルミ)を課している通商拡大法232条は、米国の裁判所では争われていないため、裁判の対象外となっている。
2)アドバンテストがラムサムウェア(身代金要求)攻撃を受け、AI相場に冷や汗
・好材料発表時期を終え、警戒期
・昨年のアサヒビールに続き、アドバンテストも身代金要求型ウイルスの攻撃を受けた。日本を代表する企業のシステムの脆弱性に視点が向き、AI相場に警戒感が強まった。
・3連休(2/21~23)に向けて、2/20は手仕舞い売り。
・イラン攻撃の地政学リスク。
・米国ファンドの解約リスク。
・2次高市内閣への期待で株買い。
3)日経平均寄与度上位5銘柄の推移
(1)2/19、日経平均+323円高、寄与上位5銘柄+289円高・占有率+89.47%
・寄与上位5銘柄 寄与上げ額 株価上げ幅
東京エレクトロン +124円高 +1,240円高
ソフトバンクG +91 +114
信越化学 +32 +192
ファナック +22 +133
フジクラ +20 +610
合計 +289
・アドバンテストがラムサムウェア(身代金要求型ウイルス)に侵入されたことで▲965円安と売られ、日経平均寄与額を▲258円安と押し下げた。
(2)2/20、日経平均▲642円安、寄与上位5銘柄▲385円安・占有率▲59.96%
・寄与上位5銘柄 寄与下げ額 株価下げ幅
アドバンテスト ▲139円安 ▲520円安
ソフトバンクG ▲89 ▲111
東京エレクトロン ▲67 ▲670
ファーストリテイ ▲58 ▲720
イビデン ▲32 ▲481
合計 ▲385
・イランの地政学リスクを受けた米国株安の影響もあり、AI・半導体関連銘柄を中心に売られた。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・6098 リクルート 業績堅調
・6965 浜松ホトニクス 業績堅調
・7832 バンダイナムコ 業績堅調
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