相場展望1月13日号 米国株: トランプ「相互関税」の最高裁判決は1/14以降に持ち越し 中国株: デフレ懸念が一段と増す中国経済 日本株: 衆議院解散・総選挙は「株高」へのインパクト強い、株価先物1/12で約+1,900円高

2026年1月12日 19:51

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)1/8、NYダウ+270ドル高、49,266ドル
 2)1/9、NYダウ+237ドル高、49,504ドル

【こちらも】衆院解散報道で円急落・株先物急伸 市場は政権安定化に期待

●2.米国株:トランプ「相互関税」の最高裁判決は1/14以降に持ち越し

 1)トランプ「相互関税」、米国最高裁による違憲判決がでるか、注目
  ・最高裁は「相互関税」の判断を1/9に示さず、1/14以降に持ち越した。一審・二審とも「大統領の権限を逸脱している」として、相互関税は違法で無効と判断していた。
  ・関税訴訟は、
   (1)国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく相互関税措置の合法性を審理している。
   (2)通商拡大法232法に基づく自動車などに対する分野別関税は対象にしていない。IEEPAに基づく関税の徴収額は昨年12/14時点で約1,330億ドル(約21兆円)。
  ・違法と最高裁が判断すれば、徴収した関税を還付することになる。
  ・最高裁が違法と判決すれば、トランプ共和党は11月の中間選挙に向けて打撃となる。

 2)1月の米国利下げ観測が弱まる
  ・米国雇用統計の失業率が4.4%と予想を下回ったため、今月開催の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測が後退した。

 3)最近発表される経済指標
  ・1/09、 12月雇用統計
       10月住宅着工件数
       1月ミシガン大学消費者信頼感指数
   1/13、 12月消費者物価指数(CPI)
   1/14、 10月新築住宅販売件数
       11月生産者物価指数(PPI)
       11月小売売上高
       12月中古住宅販売
   1/16、 12月鉱工業生産

●3.米国ミシガン大学消費者信頼感指数は1月54.0と改善、物価・雇用懸念は継続(ロイター)

 1)1月は54.0と、12月52.9から上昇、予想53.5を上回った。改善したものの、物価高と労働市場の弱体化を巡り、懸念が依然として続いているようだ。
 2)1年先の期待インフレ率は+4.2%、5年先は+3.4%で前月の+3.2%から上げた。

●4.米国雇用統計、低調な採用状況の継続を反映=リッチモンド連銀総裁(ブルームバーグ)

●5.トランプ政権、グリーンランド住民に1,570万円給付検討(Quick Money)

 1)給付金はデンマークからの分離を促し、米国に加わることを説得する取り組みの一部と見られる。

●6.ロシアから原油購入した国に500%関税を課す制裁法案をトランプ大統領が了承、上院で採決の可能性(読売新聞)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数

 1)1/8、上海総合▲2安、4,082
 2)1/9、上海総合+37高、4,120

●2.中国株 : デフレ懸念が一段と増す中国経済

 1)デフレ懸念が一段と増す中国経済
  ・中国国家統計局が1/9発表、2025年の消費者物価指数(CPI)は前年比±0.0%。中国政府がCPIの上昇目標「+2%前後」に遠く及ばなかった。中国の物価に大きな影響を与える豚肉価格が▲6.1%に下がった。旅行や教育・サービスの上昇幅も縮小した。
  ・不動産不況が続き中国景気が冷え込むなか、デフレ懸念は一段と強まっている。

●3.中国の12月乗用車小売台数は226.1万台と前年同月比▲14.0%減(新華社)

 1)2025年の累計は前年比+3.8%増の2,374.4万台だった。

●4.中国2025年新車販売、前年比、トヨタ+0.2%増、日産▲6.3%減、ホンダ▲24.3%減

 1)日産、ホンダの下げ幅は、前年からは縮小した。(時事通信)

●5.中国「9兆円規模」のベネズエラ向け融資、米国攻撃で債権回収不能リスク、担保は将来の原油出荷(産経新聞)

 1)シンガポール紙・聯合早報によると、ベネズエラの石油輸出の約80%が中国向けなのに対し、中国の輸入に占めるベネズエラ産の割合は4%程度という。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)1/8、日経平均▲844円安、51,117円 
 2)1/9、日経平均+822円高、51,939円 

●2.日本株:衆議院解散・総選挙は「株高」へのインパクト強い、株価先物は約+1,900円高

 1)日経平均寄与上位5銘柄の推移
  (1)1/8、日経平均▲844円安、寄与上位5銘柄で▲633円安・占有率▲75.0%
   ・寄与上位5銘柄     上げ寄与額    株価上昇
     ソフトバンクG    ▲283円安   ▲353円安
     東京エレクトロン   ▲153     ▲1,530
     アドバンテスト    ▲134     ▲500
     信越化学      ▲35     ▲209
     TDK         ▲28     ▲56
      合計        ▲633
   ・人工知能(AI)・半導体関連銘柄が売られた。

  (2)1/9、日経平均+822円高、寄与上位5銘柄で+693円高・占有率+84.3%
   ・寄与上位5銘柄     上げ寄与額    株価上昇
     ファーストリテイ   +485円高   +6,050円高
     東京エレクトロン   +127     +1,270
     アドバンテスト    +40     +150
     ファナック      +25     +152
     トヨタ        +16     +94
      合計        +693

   ・ファーストリテイの1銘柄で、日経平均の上げ幅の+59%を占めた。ファーストリテイは今期通期業績を上方修正した。営業利益は当初予想比+6.6%高の6,500億円。時価総額は19兆9,684億円と20兆円目前となった。
    20兆円以上は6社:トヨタ、三菱UFJ、ソフトバンクG、ソニー、日立、三井住友FG
    ファーストリテイの本日の上昇率は+10.67%と急伸した。

   ・AI・半導体関連の3銘柄(東京エレ、アドバンテスト、ファナック)の寄与は+192円上昇と上げ幅の寄与度は+23.3%に留まった。もっとも、東京エレとアドバンテストは前日の下落幅の範囲での買い戻しに過ぎない。

   ・今まで相場の牽引役であったAI・半導体関連株の役割減退が目立った。人工知能(AI)・半導体関連頼みから脱却するか注目したい。

 2)1/9日経平均+822円高となった要因
  ・中国レアアースの対日本輸出、中国商務部報道官が民生用途には影響しない発言
    ・自動車株が反発。
    ・ただ、レアアースが軍用か民生用かの線引きは難しく、結果的に民生用の輸入にも影響が出る可能性がある。
    ・レアアース販売の中国の一部国有企業が1/10、日本企業と新規契約を結ばないと伝達した。購入拒否されたケースが初めて確認された。(共同通信)

  ・ファーストリテイリング、今後も増益修正が続くと期待され大幅高。

  ・米国最高裁がトランプ関税に対し違憲判決の期待を意識。

  ・日経平均が直前2日間で▲1,401円下落したため、値ごろ感から反発狙いの買いが入った。

 3)日経平均の買い意欲は徐々に低下、されど売り圧力の増加は見られず、堅調続く
  ・新高値・新安値銘柄数の推移
      新高値 新安値
    1/6 331  2
    1/7 302  8
    1/8 229  7
    1/9 184  10

 4)衆議院解散・総選挙は「株高」へのインパクトは強い
  (1)衆院選挙は、株高・円安の要因
   ・「高市政権は衆院解散を検討」との報道を受け、積極財政路線が加速するとの見方が広がり、1/9の米国為替市場では円売り・ドル買いが入り1ドル=158円と円安が進行した。
   ・早期の衆院解散・総選挙は高市氏の高い支持率から自民党が議席を増やし、政権運営の安定し政策が進めやすくなるとの期待がある。
   ・海外投資家も好意的に受け止め、1/9株価先物市場では約+1,600円上昇した。なお、1/12現在で日経平均株価先物は約+1,900円高と一段高となっている。週明け1/13の株式相場は急騰しそうだ。
   ・ただ、米国連邦最高裁でトランプ関税が違憲との判決がでた場合、為替が一転してドル売り・円買いと円高に転換する可能性がある。また、高市政権に冷や水をかけたい中国政府の日本への対応の変化にも注目。

  (2)衆議院選挙後の議席見通し
   ・新聞・テレビ各社の世論調査では、昨年10月の高市政権発足以降、7割の内閣支持率を維持している。
   ・衆議院では昨年11月に自民会派に「改革の会」3議員が入り、日本維新の会と併せて、与党がぎりぎり過半数(233議席)を回復した。しかし、参議院では過半数に6議席届かず、「ねじれ国会」が続いている。
   ・自民党は選挙で議席を増やし、政権運営がしやすくなることを期待している。自民党は議席数を30~50増やすとの見方もある。

  (3)高市政権の支持率
   ・若年層から絶対的に高い支持、野党支持者からも多い支持というのが特徴。

   ・読売新聞の調査では、昨年10月の発足当初は71%⇒12月73%と7割を維持。産経新聞・FNN(フジニュースネットワーク)が12/20~21で実施した調査
       高市首相・年代別支持率   石破元首相(9/20~21調査)
         18~29歳   92.4%     14.4%
         30代     83.1
         40代     77.8
         50代     78.0
         60代     69.0
         70歳以上   65.9
         全体支持率  75.9      37.9
       高市氏を地域ブロック別で、野党の影響力が強い北海道で72.4%、
       東北でも79.3%の高い支持を集めている。

   ・自民党は、高市氏の高い支持率が牽引して選挙で大きく議席が伸ばし勝利するとの見方をしているようだ。しかし、高市効果は、自民党の支持率の改善には及んでいない。なお、小選挙区で公明党の票が自民・立憲に流れる度合いも影響を与える。ただ、立憲を軸に野党の支持率は総じて伸びていない。野党の選挙準備が遅れており、次期衆院選挙では自民党が議席数を伸ばすと見られる。

   ・1/23招集が予定される通常国会の冒頭で衆議院を解散を検討するとの報道を受け、シカゴ日経平均先物は約+1,900円程度上昇し、51,900円⇒53,800円台に上昇している。

●3.高市首相、1月に衆院解散を検討、1/23通常国会の冒頭に、投開票2月上中旬の公算

 1)首相は参院で少数与党が続いており、政策実現の推進力を得る必要があると判断したと見られる。(読売新聞)

●4.レギュラーガソリンが4年7カ月ぶりの安値水準、前回比▲2.3円安で1リットル当たり155.7円に(テレビ朝日)

●5.中国で日本向け輸出許可申請の審査停止、防衛関連に限らず=WSJ (ブルームバーグ)

 1)米国紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が中国政府の決定に詳しい関係者の情報を基に報じた。

●6.日本から中国への輸出の食品・日本酒、通関手続きが遅れ(TBS)

 1)通常より2~数週間ほど長引くケースが多く、新たに「書類の提出」を求められることも生じている。
 2)中国による日本への対抗措置の可能性。

●7.イオン、クスリのアオキと資本業務提携を解約(ロイター)

●8.ミニストップ、2026年2月期の最終利益▲60億円赤字の見通し(読売新聞)

 1)おにぎり消費期限の表示不正が影響。

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・6901  NEC       海底ケーブル世界シェア拡大
 ・7581  サイゼリア   業績好調
 ・9024  西武 運賃改定効果

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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