相場展望5月28日号 米国株: イラン和平の期待が強く株高だか、原油市場は「懐疑的」 日本株: イラン攻撃以降、日経平均はNYダウと比べ、「はしゃぎすぎ」

2026年5月28日 16:54

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)5/25、祝日「戦没者追悼記念日」で休場
 2)5/26、NYダウ▲118ドル安、50,461ドル
 3)5/27、NYダウ+182ドル高、50,644ドル

【前回は】相場展望5月25日号 米国株: 米国・イランの戦闘終結期待も、現段階は「停戦交渉」にすぎず 日本株: 最近の大幅株高の火付け役はソフトバンクGとキオクシア

●2.米国株: イラン和平の期待が強く株高だか、原油市場は「懐疑的」

 1)イラン和平への期待が根強く、米国・日本株式市場は最高値を更新している

 2)米国によるイラン攻撃の「終結」、株式市場は「歓迎」しているかのようだ

 3)米国・イランの和平に関するニュースは懐疑的に受け止めるべき
  ・イランにとって、爆撃で破壊された国土復興の資金が必要である。このため復興資金を得るための要求が出てくるはずだが、具体的な賠償要求をまだ出していない。
  ・イランにとって、一方的に破壊された状態で、停戦終結には簡単に応じられない。この状態で「応じた場合」、イランは「現体制打倒の動き」が出てくる可能性がある。このため、現体制維持の存亡をかけて、米国の妥協を求めるだろう。

 4)現在の交渉は、「一時的停戦」の協議にすぎない
  ・一時的合意による好影響が現れるまでに数カ月以上の時間がかかるだろう。

 5)原油価格の動向をみると、原油市場はまだまだ「懐疑的」との見立てができる
  ・WTI原油価格の推移
     2/26  65.21ドル(米国のイラン攻撃開始前)
     2/27  67.02
     4/06  113.06
     4/17  83.85
     4/29  108.26
     5/27  89.67

  ・イラン攻撃開始前と比べ、WTI原油先物価格は4/6に+47.85ドル上昇した。上昇率は+73.3%である。

  ・5/27現在で高値から▲23.39ドル安となった。しかし、これは上昇分の半分レベルの▲48.8%しか下落していない。イラン攻撃前の原油価格と比べ、5/27はまだ+37.5%高の状態にある。このことから、WTI原油先物市場は、米国・イランの戦闘終結に向けて懐疑的な見方を示唆していると思われる。

 6)米国・日本の株式市場の最高値更新は「祭り」にすぎないと思われる。
  ・パーティーの後の、「あとかたづけ」が待っている。

 7)米国では5/25のメモリアルデーの祝日から、伝統的に夏の旅行シーズンの始まりとされ、ガソリン需要が高まる
  ・米国のインフレ加速は、これからも続くであろう。
  ・米国長期金利の上昇も続くとみる。
  ・トランプ米国大統領は「現状破壊」はできるが、「復興・再生」する能力について疑問がある。
  ・したがって、米国株式市場の「最高値更新」について、単純に「喜べない」。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)5/25、上海総合+39高、4,152
 2)5/26、上海総合▲7安、4,145 
 3)5/27、上海総合▲51安、4,093

●2.中国工業部門利益、1~4月は前年比+18.2%増に加速(ロイター)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)5/25、日経平均+1,819円高、65,158円 
 2)5/26、日経平均▲162円安、64,996円  
 3)5/27、日経平均+3円高、64,999円   

●2.日本株: イラン攻撃以降、日経平均はNYダウと比べ、「はしゃぎすぎ」

 1)日経平均寄与上位
  (1)5/25、日経平均+1,819円高、寄与上位5銘柄+1,070円高、占有率58.82%
     寄与上位      寄与額     上昇率
     ソフトバンクG    +252円高   +4.63%高
     東京エレクトロン  +236     +4.72
     アドバンテスト   +220     +3.39
     キオクシア     +189     +14.02
     TDK        +173     +10.24
      合計       +1,070円高

   ・人工知能(AI)・半導体関連の値がさ株の上昇が目立った。

  (2)5/26、日経平均▲162円安、寄与上位5銘柄▲649円安、占有率400.61%
     寄与上位      寄与額     下落率
     アドバンテスト   ▲405円安   ▲6.05%安
     東京エレクトロン  ▲76      ▲1.46
     キオクシア     ▲70 ▲4.57
     中外製薬      ▲53      ▲6.54
     ダイキン      ▲45      ▲5.46
      合計       ▲649円安

   ・ソフトバンクGは逆に買われプラス寄与額が+620円と押し上げた。AI・半導体関連株のなかで、相反する値動きがあった。

  (3)5/27、日経平均+3円高、寄与上位5銘柄+647円高
     寄与上位      寄与額     下落率
     アドバンテスト   +255円高    +4.05%高
     ファーストリテイ  +186      +3.06
     東京エレクトロン  +109      +2.10
     信越化学      +64      +5.47
     コナミ       +33      +5.15
      合計       +647

   ・下落寄与上位5銘柄は▲618円安。銘柄は、ソフトバンクG、キオクシア、ファナック、フジクラ、イビデン。なかでも、ソフトバンクGが▲458円安と突出している。
   ・特筆は、AI・半導体関連株のなかで上昇・下落が対立して拮抗していること。
       
 2)5/27、日経平均は一時66,428円と最高値更新も、終値は+3円高で終わった
  ・5/27の状況
      前日5/26終値 64,996円
      5/27 始値  65,777
         高値  66,428
         安値  64,999
         終値  64,999
     ・5/27終値は安値引けとなった。
   ・日経平均だけが高上昇を続けていたが、、他の株価指数はそうではなかった。5/27の日経平均は最高値となる6万6,000円台に乗せたが、そこから売りを浴びせられた。

 3)イラン攻撃以降、日経平均はNYダウと比べ、「はしゃぎすぎ」
   ・日経平均とNYダウの、イラン攻撃以降の推移
            日経平均     NYダウ
      2/26    58,850円     49,499ドル
      5/27  64,999        50,666
      上昇幅 +6,149円高     +1,167ドル高
      上昇率 +10.44%高     +2.35%高
   ・イラン攻撃前の2/26以降、日経平均の上昇率は+10.44%高に比べて、NYダウは+2.35%高であり、日経平均の上昇が目立つ。
   ・イラン攻撃は、日本にとって原油高・日本経済の後退と、良い話はない。しかし、日経平均の上昇が際立っている。
   ・この反動安は、イラン攻撃の停戦・原油価格の下落とともに、訪れるとみる。

●3.「節約要請」はなくとも家庭は「節約へ」、6月の値上げ品目は「5月の9倍」(日刊ゲンダイ)

●4.タングステン加工品、中国から日本への輸出ゼロに、1月の規制強化以降(テレ朝)

 1)タングステンは、自動車部品を加工する切削工具などの超硬合金として使われる材料で、中国が世界総生産量の約80%を占めている。

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・4443 Sansan      業績絶好調
 ・6523 PHC       業績絶好調
 ・6098 リクルート     業績好調

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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