相場展望12月7日号  米国株:12/1高値がピークになるか、物色転換か、今後の動向を注視  日本株:政治不信と混迷、円高が重荷へ⇒外人の売り仕掛け注意

2023年12月7日 14:01

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)12/4、NYダウ▲41ドル安、36,204ドル(日経新聞より抜粋
  ・前週末に年初来高値を付けた後で、主力株を中心に利益確定売りが優勢となった。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)が来年に利下げに転じるとの期待は根強く相場の下値は堅かった。

【前回は】相場展望12月4日号 米国株: 長期金利低下で割高感薄れ株価上昇、節税対策売りに注目 日本株: 円高局面入り、円安で株高だった相場に試練

  ・NYダウは10月末から前週末にかけ+3,200ドルほど上昇した。短期間で大きく水準を切り上げ、12/4は利益確定売りが出た。米債券市場では長期金利が4.2%台後半に上昇(前週末終値は4.19%)し、株式の相対的な割高感が意識されたのも売りを誘った。

  ・もっとも、NYダウは売り一巡後に下げ渋った。このところの物価指標がインフレの鈍化を示し、FRBの利上げ局面が終了したとの観測が強まっている。前週末のパウエルFRB議長の発言も、市場の想定ほど金融引締めに積極的な内容ではなかったと受け止められた。

  ・株と同じリスク資産で、代表的な暗号資産(仮想通過)であるビットコインの価格が上昇したのも株式相場を支えた。ビットコイン現物の上場投資信託(ETF)が米国で承認されるとの思惑を背景に価格は一時2022年4月以来の高値を付けた。

  ・個別では、ハイテク株への売りが目立ち、顧客情報管理のセールスフォースやソフトウェアのマイクロソフト、スマートフォンのアップルが下げた。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反落した。半導体のエヌビディアやネット検索のアルファベットなど大型株が軒並み下げ指数を押し下げた。半面、工業製品・事務用品のスリーエムや製薬のメルクは上昇した。

 2)12/5、NYダウ▲79ドル安、36,124ドル(日経新聞より抜粋
  ・NYダウなど主要株価指数が年初来高値圏にあるなか、一部の主力株には利益確定売りが優勢となった。米金融政策を探るうえで、今週発表が相次ぐ雇用関連指標への関心が高く、買い手控えにつながった面もある。

  ・NYダウは前週まで5週連続で上昇し、約+3,800ドル上げていた。前週末には2022年1月以来の高値を更新。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長らの発言を受け、FRBによる利上げ局面の終了や来年前半の利下げ転換への観測が高まり、株買いが広がった。

  ・今週は12/8に発表される11月の雇用統計への注目度が高い。市場では「利下げ期待を後退させる強い雇用の伸びでもなく、景気後退の懸念を誘う弱さでもない程良い内容になるか見極めたい」との声が聞かれた。前週末にかけて短期的に買われ過ぎたとの指摘も多く、持ち高調整の売りが出やすかった。

  ・NYダウの下値は堅かった。午前に発表された10月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数は873.3万件と、2021年3月以来の低水準となった。市場予想も下回り、労働市場の過熱感の緩和を示した。「FRBが利上げ局面を終えたとの見方を固める」との受け止めが、相場を下支えした。

  ・11月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は52.7に上昇した。市場予想52.4をやや上回ったが、FRBの利上げ停止観測を後退させるような材料にはならなかった。

  ・米長期金利の指標である10年債利回りは一時4.1%台半ばと、およそ3カ月ぶりの低水準を付けた。米長期金利の低下が株式の相対的な割高感を和らげ、高PER(株価収益率)のハイテク株などの支えとなり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も売り先行したが次第に買い優勢となった。

  ・個別銘柄では、日用品のP&Gが▲3%安、金融のゴールドマンサックスや化学のダウ、工業製品・事務用品のスリーエムも売られた。半面、スマートフォンのアップルは+2%高となり、時価総額はおよそ4カ月ぶりに3兆ドル台を回復した。製薬のメルクや通信のベライゾンなどディフェンシブ株も買われた。画像処理半導体のエヌビディアやネット通販のアマゾン、電気自動車のテスラも買われた。

 3)12/6、NYダウ▲70ドル安、36,054ドル(日経新聞より抜粋
  ・12/8発表の11月の米雇用指標を見極めたい雰囲気が強く、主力銘柄に買い持ち高調整の売りが続いた。一方、朝発表の米雇用関連指標が労働市場の過熱感の一段の和らぎを示し、株価を下支えした。

  ・朝方は買いが先行し、12/1に付けた年初来高値36,245ドルを上回る場面があった。朝発表の11月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数は前月比で+10.3万人増と、ダウジョーンズ通信がまとめた市場予想12.8万人を下回った。同日発表の企業の賃金負担を示す単位労働コストは7~9月の改定値が前期比年率で1.2%低下と速報値0.8%低下から下振れし、賃金インフレが和らいでいるとの見方につながった。

  ・もっとも、市場では「労働市場は全体としてまだ底堅く、一段の鈍化を示すデータがほしい」との声が聞かれた。12/8発表の11月の米雇用統計を見極めたい投資家も多い。買い一巡後は、持ち高調整の売りが次第に増え、NYダウは小幅な下げに転じた。

  ・個別銘柄では、半導体のインテルやソフトウェアのマイクロソフト、スマートフォンのアップルといったハイテク株が下落した。保険のトラベラーズやバイオ製薬のアムジェンも売られた。半導体のエヌビディアや通販のアマゾンへの売りも目立った。半面、航空機のボーイングやホームセンターのホームデポ、建機のキャタピラーといった景気敏感株の一部が買われた。

●2.米国株:12/1高値がピークとなるか、物色転換か、今後の動向に注視したい

 1)大型株が売られるなか、小型株が抵抗⇒株式相場の流れが転換するか注視
  ・主要株価指数の推移
  ・NYダウ(大型株 ) 12/4~6の下落率▲0.52%
  ・ラッセル2000指数(小型株)12/5~6の下落率▲0.15%

 2)このところの米国株上昇の要因
  ・堅調な企業業績。
  ・来年早期、3月にも利下げ開始するとの思惑。FRBの政策金利引上げが終了したとの期待。

 3)NYダウは12/1高値をピークに調整局面入りか?注目
  ・NYダウは8/1高値から10/27底値まで▲3,213ドル下落。10/27底値から12/1高値まで+3,824ドルと大幅上昇。
  ・下げ幅を大幅に達成した12/1高値がピークで、以降は一服しているが、今後の展開に注目したい。年度末を控え、(1)節税対策としての損切の売り増加(2)クリスマス休暇入りで市場参加者が減少し、市場エネルギーの低下(3)下げ幅に対する値戻りの達成感が懸念材料。

●3.米ISM非製造業総合指数、11月は52.7に上昇、新規受注は横ばい(ロイターより抜粋

 1)予想52.0・前月51.8から上回った。

 2)サービス業は米経済の3分の2超を占めており、指数が50を上回ると拡大を示す。

●4.米製造業新規受注、10月は前月比▲3.6%減少、予想▲2.8%減より悪化(ロイターより抜粋

 1)2020年4月以来の低水準となり、高金利が支出に影響し始め、耐久財や輸送機器の需要が減退した。

 2)10月の前年同月比は+0.5%増だった。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)12/4、上海総合▲8安、3,022(亜州リサーチより抜粋
  ・資金の流動性低下が警戒される流れとなった。

  ・中国人民銀行(中央銀行)は先週に続き、市場から資金を吸収している。今日12/4は、リバースレポ取引を通じ、満期分との差引で▲4,340億人民元を市中から吸収した。今週は大量償還が予定されている。

  ・ただ、指数は小高く推移する場面もみられた。

  ・「国家隊」と呼ばれる政府系ファンドの買い支えスタンスがプラス材料だ。国有資産運用会社の中国国新控股有限責任公司は12/1の引け後、傘下企業を通じてハイテク系中央企業で構成されるインデックスファンドを買い増したと報告している。証券専門紙によると、買い増しは今週1週間にわたり、毎日行われる可能性があるという。

  ・業種別では、ハイテクの下げが目立つ。携帯端末ODM(開発・製造受託サービス)の世界最大手の聞泰科技が▲6.6%安。聞泰科技は特定顧客向けの光学モジュール製品の生産を停止すると発表したこともネガティブ材料となった。対象の顧客はアップルとみられている。酒造も安く、不動産も冴えない。医薬・公益・金融・食品飲料・小売なども売られている。半面、産金は高い。金相場の上昇が追い風となった。先週末のNY商品取引所で金先物が急反発し、過去最高値を更新した。エネルギー・運輸・軍事関連も買われた。

 2)12/5、上海総合▲50安、2,972(亜州リサーチより抜粋
  ・前日の軟調地合いを継ぐ流れとなった。

  ・中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収スタンスなどが引続き重しとなった。人民銀は12/5、リバースレポ取引を通じ、満期分との差し引きで▲2,050億人民元(約4兆2,500億円)を市中から吸収した。人民銀は先週後半から、連日で市中から資金を吸収している。資金の流動性低下も警戒された。

  ・また、不動産デベロッパーの資金調達支援に向け、中国当局が「ホワイトリスト」の作成を進めていると伝わったことに関し、リスト入りした業者に無担保ローンを提供するなど、実現可能性がほとんどないと専門家が指摘したことも懸念された。

  ・指数は中盤から下げ幅を広げた。

  ・業種別では、不動産の下げが目立ち、ハイテクも安く、自動車も冴えない。素材・エネルギー・インフラ関連・酒造・小売・金融なども売られた。

 3)12/6、上海総合▲3安、2,968(亜州リサーチより抜粋
  ・投資家の慎重なスタンスが続く流れとなった。

  ・中国人民銀行(中央銀行)の資金吸収が続くなか、流動性低下などが警戒されている。人民銀は12/6、リバースレポ取引を通じ、満期分との差引で▲1,980億人民元を市中から吸収した。人民銀は先週後半から、連日で市中から資金を吸収している。

  ・信用格付けの引下げも逆風。財政および経済状況に下振れリスクがあるとして、格付け会社のムーディーズは12/5、中国の信用格付け見通しを「安定的(スレーブル)」から「弱含み(ネガティブ)」に引き下げた。

  ・もっとも、上海総合指数の下値は限定的であった。上海総合指数はこのところ急ピッチに下落し、前日は10/24以来の安値を付けた後とあって、値ごろ感も強まっている。指数は一進一退の値動きだった。

  ・業種別では、銀行が下げを主導し、エネルギーも冴えず、公益・運輸・消費関連の一角も売られた。半面、不動産は高く、素材・半導体は買われた。

●2.イタリア、「一帯一路」離脱を正式に通知、大きな恩恵なく(ロイター)

●3.中国の地方公務員「半年、給料なし」、不動産不況で財政悪化(朝日新聞より抜粋

 1)中国では土地使用権の売却益が、地方政府財政の4割を占める。だが、不動産不況で収入が大きく減り、公務員の雇用や賃金に影響が出ている。

 2)不動産関連産業は国内総生産(GDP)の3分の1を産み出してきた。その不動産不況が中国経済全体を脅かしている。

 3)遼寧省瓦房店市の市営公園で9月、「我々は6カ月給料がない。動物の食料も尽き間もなく飢え死にする」との紙が貼られた。理由は、地方政府の財政難だ。

●4.中国11月財新サービス業PMIは51.5、予想50.5・10月50.4から改善(フィスコ)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)12/4、日経平均▲200円安、33,231円(日経新聞より抜粋
  ・米長期金利の低下基調が強まるなか、外国為替市場で円相場が円高・ドル安方向に傾き、自動車など輸出関連株を中心に売りが優勢だった。

 ・今日は一日を通して為替の動きに左右された。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ終了観測などを背景に日米の金利差縮小が意識され、円相場は朝方の東京外国為替市場で1ドル=146円台前半と約3カ月ぶりの高値を付けた。輸出関連株の業績の先行きに対する過度な楽観が後退し、トヨタ・デンソー・ホンダなどに売りが膨らんだ。日経平均は下げ幅を▲400円強に広げる場面があった。

  ・その後は円相場が上げ幅を縮めたのに伴って日本株への売り圧力も和らいだ。日経平均が33,000円に接近する場面では押し目買いが入りやすかったほか、金利低下が追い風になりやすいレーザーテクや不動産株の上昇も目立った。海運株も買われた。もっとも、日本株を積極的に買う新規の材料を欠くなかで、午後の相場では膠着感もみられた。

  ・個別株では、東エレク・ソフトバンクG・ダイキン・バンナムが下落した。一方、トレンド・中外薬・川崎汽・住友不が上昇した。

 2)12/5、日経平均▲455円安、32,775円(日経新聞より抜粋
  ・前日の米ハイテク株安を受けて、値がさの半導体関連株が売られた。下げ幅は一時▲500円を超え、11/14以来となる3週間ぶりの安値で終えた。

  ・12/4の米株式市場では米長期金利の上昇を背景にハイテク株が売られた。この流れから、東京市場は東エレク・アドテスト・レーザーテクなどに売りがかさみ、日経平均は心理的な節目の33,000円を割り込んだ。

  ・中国などアジア株式相場が下落して始まると、先物主導の売りが勢いを増し、日経平均も下げ幅を広げた。市場では「日米の株高に一服感があり、海外の短期筋が新たに株売りを出しているのではないか」との声が聞かれた。

  ・ホンダ・SUBARUなど自動車株の一角に買いが入った。軟調なグロース(成長)株からバリュー(割安)株に資金を移す動きが出た。日本時間夜の米経済指標の発表を控え、売り一巡後は模様眺めの投資家が多かった。

  ・個別株では、ファストリ・リクルート・安川電が下げた。一方、ファナック・ニトリ・TOPPANは上げた。

 3)12/6、日経平均+670円高、33,445円(日経新聞より抜粋
  ・日経平均は前日に3週間ぶりに33,000円を割り込んだが、日米の長期金利低下を手掛かりとして株価指数先物が買い戻され、値がさ株を中心に幅広い銘柄に押し目買いが入った。日経平均は4営業日ぶりに大幅反発した。日本時間12/6午後の取引で米株式指数先物が堅調に推移したことも、投資家心理を支えた。

  ・前日の米長期金利はおよそ4カ月ぶりの水準に低下した。高PER(株価収益率)銘柄が多い米ハイテク株の買いを誘い、ナスダック総合株価指数が反発した。東京市場でも東エレクなど半導体関連銘柄が買われた。ファストリなど前日に売られた値がさ株に買いが入り、日経平均を押し上げた。米金利低下を受け、日本の長期金利が8月中旬以来の低水準となったのも支援
材料となった。

  ・日経平均は前日までの3営業日で▲700円余り下げていた。足元の国内企業業績などが好調にもかかわらず、日本株は短期的に下げ過ぎとの見方が多く、値ごろ感に着目した買いが入りやすかった。12/5発表の11月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が好不況の分れ目となる50を上回り、米景気懸念が和らいだのも追い風だった。株価指数先物には朝方の買い戻し一巡後も断続的な買いが入り、午後もじり高の展開となった。

  ・個別銘柄では、アドテスト・信越化が上昇し、レーザーテク・ソニーの上げも目立った。一方、資生堂・横河電・京王が下落した。

●2.日本株:日本株が抱える課題は、(1)政治不信と混迷の高まり(2)円高転換

 1)海外投資家は、「政治の混迷」を大きなリスクと捉え、市場から脱出する傾向
  ・政治の混迷の高まりと円高転換をリスクと捉えた海外投資家とくに短期筋の外国人の仕掛けで、日経平均は乱高下局面を迎えている。

  ・岸田政権のダッチロールは大きなリスク。

  ・岸田首相の増税・減税、政策は方向だけ示すが内容薄く・財源先送り。
 
  ・加えて、政治資金規正法違反の疑いが深まり、自民党政治が問われる。

  ・岸田自民党総裁で、この難局を乗り越えられるか疑問。

 2)日経平均は外国人の先物売り・先物買いでシーソー状態
  ・日経平均は、12/1~5までの3営業日で▲711円安、特に12/5は▲455円安。そして12/6は+670円高と、外人の株式先物に振り回される展開となった。

  ・海外投資家、特に短期筋の外人は「政治の混迷」を嫌う性質がある。その国の政治基盤に亀裂が入ると予想されると、リスク管理の視点から一斉に売却してその国の市場から脱出する傾向が強い。12/5の▲455円安はそのような背景と理解する。

  ・ただ、12/6の日経平均の+670円高は、世界の株式市場から賛意を得られないことが判って、短期筋の外人が先物主導で買い戻したと理解している。

  ・しかし、「日本政治の混迷」は依然として存在し、今後の「混迷は膨らむ」方向にある。そのため、日本株、特に日経平均は難しい局面入りしたと思われる。短期筋の外国人に振り回される展開が続くと予想する。

 3)混迷深める岸田政治
  ・岸田首相の首相資質失格の露呈と拡散。

  ・場当たり的対応。

  ・派閥の会長止まりの目線の低さ。

  ・自己保全を優先し、派閥力学に委ねた人事・運営。

  ・一国の首相としての国民を引っ張る構想力とリーダーシップのなさ。

  ・憲法が定める「政治と宗教」を毅然と分離できず、宗教に影響され続けるひ弱さが目立つ。

  ・旧統一協会の被害者救済を目指した法律成立も抜け穴が多く、法案趣旨の骨抜きで可決させた。

  ・旧統一教会がセットした米ギングリッチ元下院議長との会談も、同席して会話し写真もあるのに、「記憶にない」と強弁。「丁寧な説明」を主張続ける方針は、自己は対象外のようだ。

  ・国民を見ず、政治圧力にお伺いして影響を受けるスタンスが目立つ。

 4)自民党政治の「金まみれ疑惑」深まる
  ・説明責任から逃げるばかりの政府・自民党派閥責任者が多すぎる。

  ・政治パーティー資金が議員個人の懐に逆流し裏金化の疑惑噴出。政権を構成する自民党議員の不祥事が多数発生。

  ・宗教が政治に及ぼす影響を排除できない(憲法違反の懸念)。旧・統一教会とのずぶずぶな関係を排除できない自民党の弱さ。創価学会・公明党の関係が不透明、公明党との軋みの表面化。

  ・受け皿となる新首相候補が見えない。
 
 ・次期政権を狙う野党の不甲斐なき存在。

 5)経団連会長、「お前もか!」
  ・経団連会長、毎年24億円の自民党献金に「何が悪いんだ」発言。

  ・交際費基準を一人当たり5,000円⇒10,000円、企業の一部適用税率の緩和などの決定が12月にあるなどの成果をあげた経団連。

  ・そして、政治献金をした結果が、業界の利益誘導の結実を勝ち得た成果と「誇った」と「勝ち誇った」と国民が受け止めるような発言をした。

  ・公的な財界総理というよりも、私企業の利益優先という立場表明であった。「金満政治」を「高らかに声をあげる経団連会長」の面目躍如である。

  ・今、「政治パーティ資金」が自民党裏金資金作りの温床になっているとの疑惑を招いている。その疑惑の政治パーティー券を購入した多くが企業である。政治資金規正法違反の基をなす資金提供をした企業倫理も同時に正されてしかるべきではないだろうか。

  ・高潔な財界総理であった土光・経団連会長の再来に期待したい。

 6)円安⇒円高に転換した可能性
  ・米長期金利の指標となる10年債利回りが低下。

  ・したがって、日米金利差が縮小し、円高転換を促している。

 7)日経平均は、「小さいが三尊天井」を形成し、相場の反落を示唆
  ・戻り相場の目標を達成か?

  ・8/1高値33,539円⇒10/26底値30,601円まで、下げ幅は▲2,938円安。
   10/26底値⇒11/24高値33,625円まで、上げ幅は+3,024円高。
   下げ幅を上回る戻り幅を実現した。

  ・SP500 指数も「三尊天井」を形成した。

  ・今後は米国株次第となるが、米国のクリスマス休暇などを考慮すると、日経平均の底堅さは程なく終わる可能性があり得る。

●3.東芝、無線で電気を送る技術を開発、34ワットで10mを送れる(ABEMA)

●4.さくらインターネットが米エヌビディアと連携、上場来高値(日経新聞)

●5.楽天、楽天銀株を海外で売り出しへ、約700億円、社債の早期返済に充当(ブルームバーグ)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・2326 デジアーツ 業績向上期待。
 ・6383 ダイフク  業績回復期待。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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