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相場展望10月23日号 米国株: 決算の良し悪しで反応、米国・中国対立と、相場は荒れ模様 日本株: 非世襲&両親はサラリーマン&女性首相の誕生に期待
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)10/20、NYダウ+515ドル高、46,706ドル
2)10/21、NYダウ+218ドル高、46,924ドル
3)10/22、NYダウ▲334ドル安、46,590ドル
【前回は】相場展望10月20日号 米国株: AI・半導体関連が中心になった相場に警鐘 日本株: 「高市トレード」で株高も、買いの勢いに陰りがうかがえる
●2.米国株:決算発表の良し悪しで反応、米国・中国対立もあり、相場は荒れ模様
1)米国企業の7~9月期決算発表が本格化
・ホテルチェーン大手のヒルトン、通期利益見通しを引上げた。
・地方銀能ウエスタン・アライアンスは1株利益、純利息収入が予想を上回る。
・商業銀行キャピタル・ワンは、1株利益が予想を上回ったほか、自社株買い。
・玩具メーカーのマテルは、トランプ関税の影響で、売上が予想を下回った。
・半導体メーカーのテキサス・インスツルメンツは、1株利益が予想を下回り、10~12月期の見通しも予想を下回る。株価は▲5.6%安と下落した。
・ネットフリックスが成長懸念とブラジル当局と税務問題が発生し利益減。株価は▲10%安と売り込まれた。
・テスラは、7~9月期で1株利益が予想を下回り、時間外取引で売られる。
2)米国・中国通商協議
・米国による重要ソフトウェアの対中国輸出制限検討で、貿易摩擦が再燃する可能性。
・アジア太平洋経済協力会議(APEC)での、首脳会談の行方に注目。
3)恐怖指数(VIX)が急伸、米国株基調の転換を示唆か、緊張する投資家
・米国S&P・VIX指数の推移
10/1 10/17 10/20 10/21 10/22
S&P・VIX指数 16.29 20.78 18.23 17.87 18.60
・VIX指数が、20を超えると市場の不安心理が高まっているとされる。
・信用不安の高まり
・地方銀行2行の不正が疑われる減損処理が明らかになり、クレジット市場全体への懸念が強まる。
・米国・中国の貿易摩擦が再燃し、景気後退に陥るとの懸念。
・終わりが見通せない政府機関の一部閉鎖。
・直ちに長期的な弱気相場への転換を意味しないが、市場の基調は確実に変わり始めている。
4)FRBによる量的引き締め(QT)の打ち切り迫る
・米国連邦準備理事会(FRB)は早ければ10/28~29の連邦公開市場委員会(FOMC)でバランスシート圧縮を止める見通し。
・2022年夏時点で9兆ドルに膨らんだFRBのバランスシートは足元で6兆6,000億ドルに減少している。
・金融引き締め緩和材料となるが、実施時期は確定せず、来春に実施の可能性。
5)バフェット指数は120%と、過熱を示唆
・世界全体の株式時価総額を、世界の名目国内総生産(GDP)で割った「バフェット指数」は120%強と過熱感を示し続けている。
6)金相場、1日として過去最大の下落幅 ⇒ 資金流入の巻き戻しに注意
・金(ゴールド)価格の推移
10/20 10/21 下落幅
金 4,359ドル 4,109 ▲250ドル安・▲5.73%下落
・2013年以来の大幅な下落率。
・急伸した金への資金流入があっただけに、その巻き戻しに注意したい。また、金関連として買われた株銘柄が売られることもある。その流れが金関連銘柄以外の相場全体に波及することも考えられる。株式相場全体に対する警告となる可能性を有している。
●3.米国・国債価格上昇、安全資産としての役割再確認、信用不安広がり逃避買い(ブルームバーグ)
●4.GM、7~9月純利益+2,000億円と▲56%減、EVで損失、関税の影響縮小(共同通信)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)10/20、上海総合+24高、3,863
2)10/21、上海総合+52高、3,916
3)10/22、上海総合▲2安、3,913
●2.中国不動産投資、1~9月期は前年比▲13.9%減、1~8月期は▲12.9%だった(ロイター)
●3.中国9月のレアース輸出、前年同月比+7.6%増、規制強化への懸念緩和(Record China)
●4.中国GDP、2四半期連続で減速、長引く不動産不況、内需の失速(毎日新聞より抜粋)
1)2025年7~9月期の国内総生産(GDP)が物価変動の影響を除いた実質の前年同期比+4.8%だった。成長率は2025年4~6月期+5.2%増から縮小し、2四半期連続で減速した。
2)長引く不動産不況を背景とした節約志向の定着で消費は力強さを欠く。
3)投資も慎重姿勢が広がり、内需は伸び悩んだ。
4)生活実感に近いとされる7~9月期の名目GDPは前年同期比+3.7%増。実質成長を下回る「名目・実質の逆転」が10四半期連続で続いており、デフレ圧力が強い状況が続いている。
5)1~9月期の個人消費の動向を示す社会消費小売額も前年同期比+4.5%増と、1~6月期の+5.0%増より失速した。政府による買い替え促進策の効率が薄れており、価格競争の激化から消費額が伸び悩んだ。
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)10/20、日経平均+1,603円高、49,185円
2)10/21、日経平均+130円高、49,316円
3)10/22、日経平均▲8円安、49,307円
●2.日本株:首相指名選挙で、非世襲&両親はサラリーマン&女性首相の誕生に期待
1)首相指名選挙で、非世襲&両親はサラリーマン&女性首相の誕生に期待
・最近の日本の首相は、世襲議員が続いていた。小泉・福田・麻生・鳩山・安倍・岸田・石破政権と世襲首相の政権が長く続き、結果は「失われた30年」を形成してしまった。菅(直人)・野田・菅(義偉)は世襲ではないが、首相在任期間が短い。世襲首相は幼少のころから裕福な生活をしており、それが品は良いが、一国の首相として国民目線に立てないという弱さを持つ宰相になってしまったようだ。志は低く、勉強も足りなかったようだ。そのため、首相になりたいとう願望はあったが、そこまででお終い。日本国の行くべき途を示し実行することができなかった。
・今、日本が渇望しているのは「日本国民の真のリーダー」の誕生である。高市氏は、大学の学費もバイトで稼ぎ、選挙資金も働いて貯めて、議員になったという。両親は共働きであったため、弟を親代わりのように世話もした。日本が歩むべき途もしっかりと持っているし、そのための勉強もしている。目的意識を明確に持っている。日本の普通の庶民から生まれた女性首相の誕生である。
・弁は立つがひ弱く首相になるのが目的で、日本の未来を提示できない世襲首相の時代が長く続いてしまった。日本の国内総生産はバブル時の500兆円程度から今600兆円になったというが、インフレで膨らんだだけで中身は空洞である。日本の最盛期には世界のGDPの18%を占めていたが、今や4~5%程度に落ち込んだ。輸出立国であったが、今や輸出で頑張っているのは自動車などわずかになった。日本の成長期には「総中流社会」と自慢できる豊かさを実現できたが、今や「ごく一部の富裕層と、多数の低所得層」が占める日本になり果てた。今、日本と国民にとって必要なのは日本の再生である。
2)日経平均の寄与度上位5位銘柄
(1)10/20、日経平均+1,603円高、上位5銘柄の寄与割合は57.51%
・日経平均上位5銘柄 寄与額 値上がり幅
ソフトバンクG +395円高 +1,955円高
アドバンテスト +172 +640
ファーストリテイ +159 +1,970
東京エレクトロン +134 +1,330
TDK +62 +123
合計 +922
(2)10/21、日経平均+130円高、上位4銘柄の寄与割合は116.92%
・日経平均上位4銘柄 寄与額 値上がり幅
ファーストリテイ + 81円 +1,000円高
TDK + 33 + 65
コナミ + 23 + 670
日東電工 + 15 + 92
合計 +165
・今日の相場概況:シーソーのようなアップ・ガウンが激しい1日だった
・朝方は+700円を超える上昇。高市・新首相決定で、材料出尽くとなる。一時▲800円ほど下落。終値は+130円高で終わった。
・海外短期筋の先物の売り・買い戻しで振り回された相場だった。
(3)10/22 、日経平均▲8円安、上位2銘柄が大きく足を引っ張った状況
・日経平均上位4銘柄 寄与額 値下がり幅
ソフトバンクG ▲246円安 ▲1,220円安
アドバンテスト ▲ 81 ▲ 300
コナミ ▲ 14 ▲ 430
ネクソン ▲ 8 ▲ 125
合計 ▲349円安
・海外短期筋は朝方は株価指数先物を売り、下落一巡後に先物を買い戻した。海外勢に振り回された10/22であった。
・海外勢の売りで一時▲700円程度下げたが、その後、自動車などの割安株に買い戻しが入り、終値は▲8円安で収まった。
3)10/21は日経平均上昇も、個別銘柄でみると騰勢の弱さを示す
・値上がり・値下がり銘柄数の推移
10/20 10/21
値上がり銘柄数 1,456 751
値下がり銘柄数 132 799
日経平均 +1,603円高 +130円高
・株式相場の流れに、変化到来を示唆している可能性がある。
4)10/20、日経平均+1,603円高と「高市トレード」で爆上げ
・高市早苗・自民党総裁が首相に選ばれることが確実な情勢となり、政局を巡る不透明感が薄らいだとの理由で、日経平均は大幅高。
・しかし、東証プライムの売買金額は5兆2,873億円と、通常の売買金額である点が気懸りである。
5)「高市トレード」は終了、次の視線に
・自民党総裁選挙と首相選任は、株式市場では格好の材料の提供であった。日経平均は急伸したが、その牽引役は「海外短期投機筋による先物買い」とソフトバンクGと半導体株などごく「少数銘柄の現物株買い」が要因となった。
・それだけに、材料出尽くしによる本格的な売り局面入りが予想される。10/22の日経平均の流れをみると、警戒を示唆しているようだ。
●3.高市・内閣支持64.4%、共同通信調査(共同通信)
1)内閣発足時では、石破内閣50.7%、岸田内閣55.7%を上回った。
2)読売新聞調査では、高市支持率は71%、石破政権発足時は34%だった。(読売新聞)ただ、自民党の支持率は32%で前回の27%からは、わずか+5%増にとどまる。
●4.利上げ「機が熟した」、日銀の高田審議委員、物価高に対応する必要(共同通信)
●5.東京株式終値49,185円、最高値更新、「高市首相」誕生の可能性アップを受け(FNN)
●6.自民・維新の連立に「公明ざまぁ」の声も、「自分には激甘」斎藤代表の収支不記載の不問、公明の二枚舌に「自分たちの政治とカネ問題を解決して」(みんかぶ)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でい願いします)
・2413 エムスリー 業績好調
・7011 三菱重工 業績好調
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