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相場展望2月1日号 米国株: 早期利下げ期待が遠くなり、米株式に暗雲 中国株: 続落が止まらず、中国株の1人負け 日本株: 日本株の独り勝ち、好決算期待も、急騰後の反動安に備えを
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)1/29、NYダウ+224ドル高、38,333ドル(日経新聞より抜粋)
・NYダウは3日続伸し、最高値を更新した。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたと見た買いが入った。もっとも、大型ハイテク銘柄の決算発表や米連邦公開市場委員会(FOMC)を週内に控えて様子見の雰囲気も強く、NYダウは下げる場面もあった。
【前回は】相場展望1月29日号 米国株: インフレ率が再加熱する芽が膨らむ 中国株: 期待から遠く、急所を外した・小出しの政策に失望感 日本株: 海外投資家の買い越しvs国内勢の売りの攻防が続く
・米長期金利は4.0%台後半と、前週末の終値4.13%を下回って推移した。米財務省が1/29、2024年1~3月期の借入額が昨年10月時点の推計よりも少なくなるとの予想を示すと、金利が一段と低下(債券価格は上昇)した。高PER(株価収益率)のハイテク株を中心に買いが入りやすく、NYダウは取引終了にかけて上げ幅を広げる展開となった。NYダウの構成銘柄では顧客情報管理のセールスフォースやソフォトウェアのマイクロソフトが上昇し、相場を支えた。
・NYダウの上値は重く、小幅な下落に転じる場面があった。今週はマイクロソフトやスマートフォンのアップル、ネット検索のアルファベットなど大型ハイテク株の決算発表が相次ぐ。米市場で時価総額上位の銘柄で、発表後に株価が大きく動けば投資家心理に与える影響は大きい。内容を見極めたいとする投資家が多かった。
・1/30~31には米連邦準備理事会(FRB)がFOMCを開催する。政策金利は据え置きが見込まれ、市場の関心は会合後のパウエル議長の記者会見に集まっている。インフレ抑制の姿勢を改めて強調し、金融市場が前のめり気味に織り込んだ利下げ期待に水を差すとの見方があり、投資家心理の重荷となった。
・個別銘柄では、クレジットカードのビザや映画娯楽のディズニーが上昇した。半面、通信のベライゾンやドラッグストアのウォルグリーンズは下げた。
2)1/30、NYダウ+133ドル高、38,467ドル(日経新聞より抜粋)
・NYダウは4日続伸し、過去最高値を更新した。金融株や消費関連株の一角に買いが入り、NYダウを押し上げた。もっとも、1/30夕の大型ハイテク企業の決算発表を見極めたいとの雰囲気が強かった。
・金融のJPモルガンチェースと同業のゴールドマンサックスが上昇した。アナリストによる目標株価の引上げが伝わり、好感した買いが入った。クレジットカードのアメリカンエキスプレスも上昇し、指数を支えた。NYダウの上げ幅は+160ドルを超える場面があった。
・半面、ソフトウェアのマイクロソフトは下落した。1/30夕に四半期決算を発表を控え、持ち高調整の売りが優勢だった。スマートフォンのアップルも下げた。著名アナリストが2024年のスマホ販売が前年を下回るとの見通しを示し、嫌気した売りが出た。NYダウは午前に一時▲70ドル強下げた。
・1/31午後には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表がある。米連邦準備理事会(FRB)は政策金利を据え置く公算が大きい。市場では「パウエルFRB議長の記者会見の内容を確認したい」との声が聞かれ、様子見姿勢が強かった。
・個別銘柄では、機械のハネウェルと保険のトラベラーズが買われた。外食のマクドナルドも上昇した。半面、航空機のボーイングと半導体のインテルが下げた。
・ハイテク比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。1/30夕の四半期決算の発表を前に、ネット検索のアルファベットと半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げた。
3)1/31、NYダウ▲317ドル安、38,150ドル(日経新聞より抜粋)
・NYダウは5営業日ぶりに反落した。米連邦準備理事会(FRB)が1/31まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明などで早期の利下げに慎重な姿勢を示した。過去最高圏で推移していたため、利益確定売りが広がり、この日の安値圏で終えた。
・FRBはFOMC声明で追加利上げに含みを持たす文言を削除した代わりに、「インフレ率が持続的に政策目標の2%に向かっているとの大きな確信を持てるまで、政策金利の引下げが適切になるとは考えていない」との文言を加えた。
・FOMC後の記者会見でパウエルFRB議長は、インフレ動向を見極めたいとの姿勢を鮮明にし、利下げを始める時期について「3月会合の時までに確信に至っているとは考えにくい」と述べた。米金利先物市場では3月の利下げ予想確率が一時4割を下回る水準に低下した。
・ハイテク株への売りが目立ったことも、投資家心理を冷やした。前日夕に2023年10~12月期決算とあわせて公表した業績見通しが慎重と受け止められたソフトウェアのマイクロソフトが▲3%弱下げた。ネットワーク機器のシスコシステムズや顧客情報管理のセールスフォースも売られた。
・NYダウ構成銘柄ではないが、前日夕に発表した四半期決算や業績見通しを材料にネット検索のアルファベットが大幅下落し、半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も下げた。
・NYダウは底堅く推移する場面もあった。朝方発表の1月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。2023年10~12月期の雇用コスト指数は7~9月期に比べ+0.9%上昇と、市場予想に届かず、労働市場の過熱感が薄れていると受け止められた。米長期金利は前日終値の4.03%から3.9%台に低下した。
・NYダウの構成銘柄では、1/31に発表した決算で赤字幅が市場予想より小さかった航空機のボーイングが大幅高だった。医療保険のユナイテッドヘルスも上げた。
・ハイテク株比率が高いナスダック総合指数は続落し、下落率は2023年10月下旬以来の大きさだった。
●2.米国株:3月利下げの可能性が遠くなり、株式相場は急落
1)10年債利回りの低下が米国株式相場の支えになる
・米財務省による1~3月期の借入額見通しの減少が、金利低下の一因になった。
2)FRB議長が早期利下げに慎重
・3月利下げの可能性低いと否定的な発言。
・早期利下げ期待の投資家に冷や水を浴びせた。
⇒NYダウ急落の引き金になった。
3)決算発表を機に強い相場の流れに、暗雲が立ち込める兆し
・人気トップ銘柄に業績懸念が広がり、株価続落傾向。
アップル:2024年スマホ出荷が前年比▲15%減との見方も。
テスラ:中国販売減、値引きで利益率が低下。
・決算発表の内容を嫌気して売られる
AMD:1/31も下げ、続落した。
アルファベット:1/30に売られ、1/31は大幅に続落。
マイクロソフト:1/30に売られ、1/31は▲3%弱の下落。
・好業績で株式相場を牽引してきたハイテク株に、「お疲れ」モード広がる。
4)早期金利引下げ期待で株価上昇相場も、金利据え置きで足元を見直す動きに注意
●3.FRBは1/31 、4会合連続で「政策金利は据え置き」、利下げにオープンな姿勢示唆
・FOMC要旨(フィスコ)
・インフレが2%に近づくとさらに確信するまで利下げは予想しない。
・金利を巡り、いかなる修正も検討する。
・経済は堅調に推移。
・「潜在的な追加利上げが必要になる可能性」との文言を削除。
・決定は全会一致。
・目標達成へのリスクは一段と良いバランスに移行しつつある。
・雇用の伸びは2023年初旬以降、鈍化も依然と強い。
・パウエルFRB議長発言
・我々は引続き2つの債務達成に焦点。
・我々は金利がサイクルのピークに達した可能性が強いと見ている。
・金利据え置き、利下げ開始にインフレ低下の「確信」が必要。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)1/29、上海総合▲26安、2,883(亜州リサーチより抜粋)
・指数発表が気懸り材料として意識される流れとなった。
・中国では今週1/31、今月1月の製造業PMIが公表される予定だ。また、米中関係の悪化懸念がくすぶっていることも重しとなっている。指数はこのところの上昇で、約3週間ぶりの高値圏を回復しただけに、戻り待ちの売りも出やすい状況だ。
・もっとも、下値を叩くような売りは見られない。当局のマーケット支援スタンスもプラスだ。中国証券管理監督委員会は1/28、譲渡制限付き株式を対象に、空売り目的の貸出を禁止すると発表している。
・業種別では、ハイテクの下げが目立ち、医薬も安い。なかでも、無錫薬明康徳新薬開発は連日でストップ安している。売り材料が重なっている。中欧基金管理有限公司の著名ファンドマネジャーで、通称「医薬株の女神」と呼ばれる葛蘭氏が管理する公募ファンドがこのほど発表した四半期リポートで、無錫薬明康徳新薬開発のA株など、複数の医薬品開発受託(CXO)株のポジションが減らされていることが判明した。また、米下院中国特別委員会が1/25、連邦政府の援助を受ける医療機関が海外の敵対的と懸念されるバイオ企業と契約する「バイオセキュア法案」を提出。無錫薬明は規制対象に挙げられている。自動車も冴えず、不動産・素材・インフラ関連・証券・エネルギーなども売られた。半面、銀行・保険はしっかり、公益・酒造・食品の一角も買われた。
2)1/30、上海総合▲52安、2,830(亜州リサーチより抜粋)
・指標発表を前にして、買いが手控えらる流れとなった。
・中国では明日1/31、今年1月の製造業PMI(国家統計局)、非製造業PMI(同)が公表される予定だ。今月公表済みの主要経済統計では、不動産や消費の低迷が鮮明化しているだけに、内容を見極めたいとするスタンスも強まっている。
・中国不動産業を巡る不透明感も重し。香港高等法院(高裁)が「清算命令」を出し、売買停止中の中国恒大集団について、今後、管財人によって資産売却などが行われ、債務整理が進められる。ただ、関係者によれば、大部分の資産が中国本土にあるため、清算作業は困難を伴う見通し。破産処理の遅れは、業界の混乱につながる恐れもあると不安視されている。
・一方、中国債券市場では、10年債緒利回りが急低下(=債券価格は上昇)し、一時、2002年6月以来の低い水準で推移した。中国の金融当局は一段の緩和に動くとの期待感が生じたものの、「株式などのリスク資産から安全資産へ資金が逃避した」との見方も一部で浮上した。
・業種別では、不動産の下げが目立ち、ハイテクも急落、消費関連も冴えない。医薬・素材・インフラ関連・運輸・金融・公益なども売られた。
3)1/31、上海総合▲41安、2,788(亜州リサーチより抜粋)
・投資家の慎重スタンスが強まる流れとなった。
・米中対立への警戒感や、中国不動産業を巡る不透明感が依然としてくすぶっている。複数のメディアは1/31、碧桂園に対し、一部の債権者が香港で清算申し立てを計画しているもようと報じた。それに先立つ1/29、香港高等法院(高裁)が中国恒大集団に対して「清算命令」を出したばかり。関係者によれば、大部分の資産が中国本土にあるだけに、清算作業は困難を伴う見通しだ。業界の混乱につながる恐れもあると不安視されている。
・ただ、下値を叩くような売りは見られない。中国景気の過度な先行き不安が薄らいでいる。 国際通貨基金(IMF)は1/30に発表した最新の世界経済見通し(WEO)で、中国の2024年GDP(国内総生産)成長率予想を昨年10月時点の+4.2%から+4.6%に上方修正した。また、朝方公表された1月の中国景況感指数については、製造業PMIは予想ほどではなかったものの前月実績を上回り、非製造業PMIは予想以上に前月から改善している。
・業種別では、不動産が安く、医薬の下げが目立った。無錫薬明康徳新薬開発が▲4.7%安で、米国のバイオ企業規制案で対象に挙げられたことが引続き売り材料視されている。約3年10カ月ぶりの安値水準に落ち込んだ。そのほかハイテク・消費関連・素材・インフラ関連・証券なども売られた。半面、発電はしっかり、銀行・保険・エネルギーも買われた。
●2.中国株:続落止まらず、米日株と比べ「一人負け」
1)中国株の続落が止まらない要因
・中国景気不安、春節前の経済活動活発にもかかわらず、製造業PMIに失望。
・米中対立の懸念。トランプ氏が返り咲いたら「中国からの輸入品に関税60%」の高関税検討。
・中国当局による買い支えなど支援策を講じるも、投資家は戻らず。
・中国政府による大規模な景気支援策は「必要ない」と李強・首相発言に失望。
2)「一人負け」の状況は、「日本株」の2)欄を参照してください
●3.1月中国製造業PMIは49.2と予想49.3を下回る、50割れは4カ月連続(フィスコ)
1)1月非製造業PMIは50.7で、市場予想を上回った。
●4.中国不動産開発大手・中国恒大集団に香港高裁が清算命令(フィスコ)
1)恒大の負債総額は2兆3,882億元(約50兆円)。(毎日新聞)
恒大は2019年の不動産販売で中国2位となった。しかし、中国当局の不動産融資規制を受けて、資金繰りが悪化。2021年末に外貨建て債券の債務不履行(デフォルト)に陥った。2023年9月下旬に、創業者の許会長が警察当局に刑事拘束され、経営の混乱に拍車がかかっていた。なお、恒大の不動産事業の大部分は中国本土で展開しているため、実際に清算手続きが進展するかは中国当局の判断次第であり、スムーズに進むか見通せない。
2)恒大の清算命令、世界の投資家が回収の行方を注視、重要な試金石に(ブルームバーグ)
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)1/29、日経平均+275円高、36,026円(日経新聞より抜粋)
・日経平均株価は反発した。前週末の米株式市場でNYダウが連日で最高値を更新し、投資家心理が改善。円相場も円安方向に振れて、自動車など輸出関連銘柄を中心に買いが入った。前週末に日経平均は▲485円下げており、押し目買いが入りやすかった。
・1/26の米NYダウは連日で過去最高値を更新した。米景気のソフトランディング(軟着陸)の観測が強まっており、東京市場でも買い安心感につながった。外国為替市場で円相場が円安方向に振れ、自動車株など輸出関連銘柄に買いが目立った。銀行や鉄鋼にも買いが入るなど、バリュー(割安)株買いの色彩が強かった。
・30銘柄の主力大型株で構成する「TOPIXコア30」は+1.59%高だった。海外投資家の先高観は根強く、前週末の下落を受けて押し目買いが入ったとの見方があった。もっとも、積極的に上値を追うムードは限定的だった。36,000円台では短期筋を中心に利益確定売りが出やすく、相場の上値を抑えた。
・東証株価指数(TOPIX)は反発した。JPXプライム150指数は5営業日ぶりに反発した。
・個別銘柄では、ファストリ・ソニー・トヨタが上昇し、ホンダ・日東電への買いも目立った。一方、信越化・レーザーテク・日立建機は下落した。
2)1/30、日経平均+38円高、36,065円(日経新聞より抜粋)
・日経平均株価は小幅続伸した。前日の米ハイテク株高を支えに買いが先行した。ただ、持ち高を買いに傾ける新規の手掛かりには欠くなかで、朝高後は上値の重さが目立った。
・今週から主要企業の決算発表が本格化するのを前に、今日は次第に様子見ムードが広がった。「特に半導体関連は株価が業績期待を織り込んで先行して上昇してきただけに、決算が株価の一段高につながる内容となるか見極めたい」という見方もあった。これから決算発表を控える東エレクは弱含んだ。信越化などすでに決算を発表した企業で、本業に一定の評価がある銘柄には買いが集まった。
・海外短期筋と見られる株価指数先物への買いが主導して日経平均は9時過ぎには上げ幅を+200円超に広げたが、追随する買いは限定的だった。米長期金利の低下を受けて外国為替市場で円相場が円高・ドル安方向に振れたのも自動車株などにとって重荷となり、日経平均は次第に上げ幅を縮小した。
・東証株価指数(TOPIX)は反落した。JPXプライム150指数は続伸した。
・個別銘柄では、ファストリ・アドテスト・日東電・トレンドが上昇した。一方、ファナック・中外薬・リクルート・トヨタが下落した。
3)1/31、日経平均+220円高、36,286円(日経新聞より抜粋)
・日経平均は3日続伸し、この日の高値圏で終えた。午前の取引では心理的節目の36,000円を下回る水準で推移していたため、押し目買いを入れる動きが広がった。決算シーズンを迎え、コマツなど業績の堅調さが確認できた銘柄が買われたほか、日銀による早期の金融正常化の思惑で三菱UFJなど銀行株が午後に上げ幅を広げたことも相場を押し上げた。東証株価指数(TOPIX)は1990年2月以来、33年11カ月ぶりの高値を付けた。
・市場予想を上回る決算を発表した銘柄に物色の矛先が向かい、日経平均は大引けにかけて上げ幅を広げた。自社株買いの発表で株主還元を強化する姿勢を示したキャノンが一時+7%高となるなど、好決算銘柄を物色する動きが活発だった。「36,000円を割り込んだ水準では個人を含めた国内投資家の押し目買い意欲が強かった」との指摘があった。トヨタなど時価総額の大きい主力株が午後に上げ幅を広げ、中長期の海外投資家による資金流入も観測された。
・日銀が1/31公表した、1/22~23の金融政策決定会合の「主な意見」で金融政策の正常化が近いとの見方が改めて強まった。国内金利が上昇基調を強めるとの見方から、金利上昇が収益拡大につながりやすい銀行株が買われた。
・日経平均は午前に下げる場面もあった。前日の米ハイテク株安を背景に半導体関連株に売りが目立ち、下げ幅は一時▲300円を超えた。日本時間1/31の取引で主要なハイテク株で構成する米ナスダック100指数の先物が軟調だったことも重荷だった。2023年10~12月期決算が期待外れだったと受け止められたアルファベットや人工知能(AI)関連として期待の高かった半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の下落が響いた。
・TOPIXは反発し、1990年2月以来となる33年11カ月ぶりの高値を付けた。JPXプライム150指数は3日続伸した。
・個別銘柄では、ファストリやTDK、日立建機が高い。ホンダやソニー、信越化も買われた。一方、アルプスアルが大幅安、東エレクやアドテストが下落した。ソフトバンクGやダイキンも売られた。
●2.日本株:日本株の「独り勝ち」、好決算期待も、高騰後の反動安に注意
1)好決算銘柄に買いが集中
・決算発表シーズン真っ只中で、好決算発表銘柄に買いが集中すると予想する。
2)1月は日本株の独り勝ち、日経平均は+2,822円高と大幅上昇
・主要3カ国の株価指数の動向
主要3カ国の株価推移 12/29 1/31 値幅 値幅率
NYダウ 37,689 38,150 +461高 +1.2%高
ナスダック総合 15,011 15,164 +153高 +1.0%高
SP500 4,769 4,845 +76高 +1.6%高
半導体株指数(SOX)4,175 4,260 + 85高 +2.0%高
上海総合 2,974 2,788 ▲186安 ▲6.3%安
日経平均 33,464 36,286 +2,822高 +8.4%高
東証株価指数(TOPIX) 2,366 2,551 +185高 +7.8%高
・上昇の要因
・米国株がハイテク株を中心に上昇したが、東京市場にその波及があった。
・円安の進行で、輸出関連企業への業績期待。
・中国からの投資資金が流入で買い圧力。
・新たな少額投資非課税制度(NISA)の開始で、株買い資金が流入。
3)日本株独り勝ちで、好決算銘柄に買いが集中も、米国株の変調に注意
・好調な企業決算に株価は素直に反応している。
・円安傾向も株式相場に好材料を提供。
・1/31(米時間)で金利急低下し、日米金利差が拡大し、大幅な円安となる。
・金利の日米格差の推移 1/30 1/31
米国10年債利回り 4.032% 3.912
日本10年債利回り 0.707 0.729
金利差 ▲3.325 ▲3.183:+0.142%も差異縮小
・米国株に連動しやすい日本株だが、米国市場の流れに変化の兆し
・米国の金利引下げ期待で株価上昇も、1/31の「据え置き」決定となった。
・米国株高を主導してきた米ハイテク主力銘柄に下落銘柄が増えてきた。
●3.豊田自動織機、認証不正で10車種を出荷停止、トヨタグループ内で問題相次ぐ(NHK)
●4.イオン、ツルハ株取得で香港投資ファンド・オアシスと独占交渉開始(ロイター)
1)イオンは、ツルハ株を13%保有しており、オアシスから全株取得すると、合計で26%強を保有することになる。
●5.イトーヨーカ堂、早期退職の募集開始、コスト削減で本社移転へ(FNN)
●6.オリエンタルランド、4~12月期純利益+998億円と前年同期比+66%増(日経新聞)
●7.アンリツ、10~12月期営業利益+22.3億円と前年同期比▲14%減(フィスコ)
●8.アルプスアル、10~12月期営業利益+99億円と前年同期比▲31.4%減(フィスコ)
1)通期予想は従来+325億円から+165億円と、前期比▲50.9%減と下方修正
●9.ANA、2024年3月期営業利益1,900億円で前期比+58.3%増、予想比500億円増(ロイター)
●10.野村証券、10~12月期純利益506億円黒字、前年同期比▲24%減、自社株買(ブルームバーグ)
●11.大和証券、10~12月期純利益285億円黒字、前年同期比+86%増(ブルームバーグ)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・5726 大阪チタニウム 業績好調。
・6383 ダイフク
・9602 東宝
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