関連記事
相場展望11月13日号 米国株: AI株の売りが続くか・買い戻しされるか?注目 日本株: 今週が日本国内企業の決算発表のピーク
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)11/10、NYダウ+381ドル、47,368ドル
2)11/11、NYダウ+559ドル高、47,927ドル
3)11/12、NYダウ+326ドル高、48,254ドル
【前回は】相場展望11月10日号 米国株: 「米国労働市場の軟化は顕著」は本当か? インフレ再加速を念頭に利下げは慎重に 日本株: 物価対策なくして、実質賃金のプラスはあり得ない
●2.米国株 : 人工知能(AI)株の売りが続くか・買い戻しされるか? 注目
1)人工知能(AI)株の売りが続くか・買い戻しされるか? 注目
・米国株相場で、人工知能(AI)関連株に人気が沸騰し、株価は歴史的高水準にある。代表的には、データ分析プラットフォームのパランティアが該当する。
・データ分析プラットフォームのパランティアの株価推移
2024年11/14 59.18ドル
2025年11/03 207.18
11/12 184.17
・パランティアの株価は、11/12で1株当たり利益の「877倍」まで買われている。
・因みに、エヌビディアは65.25倍
日経平均は 19.43倍
・米国の人工知能(AI)株を代表するパランティアのPER(1株当たり純利益)が877倍まで買われたことは、やはり高値警戒感が意識される水準にある。
・米国・半導体株指数(SOX)は10/29高値から反落している。
SOX指数 10/29 7,327
11/12 7,082
この反落が人工知能(AI)人気の一時的な調整に当たるのか、本格な反落なのかを見極める時期にあると思われる。
2)米国政府機関の閉鎖解除で景気敏感株が買われたが、高値警戒感が意識されるハイテク株は売りが優勢
・米国株指数の推移
11/11 11/12
NYダウ +559 +326
ナスダック総合 ▲58 ▲ 61
半導体株(SOX)▲177 +102
3)12/9~10の米国連邦準備理事会(FRB)の「利下げ」は不透明
・FRB内で、(1)インフレ抑制と(2)労働市場低迷のテコ入れ、で意見相違が目立ってきている。
・したがって、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での決定に、不透明感を深めている。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)11/10、上海総合+21高、4,018
2)11/11、上海総合▲15安、4,002
3)11/12、上海総合▲2安、4,000
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)11/10、日経平均+635円高、50,911円
2)11/11、日経平均▲68円安、50,842円
3)11/12、日経平均+220円高、51,063円
●2.日本株:今週が日本国内企業の決算発表のピーク
1)今週が日本国内企業の決算発表のピーク
・好決算発表という好材料が来週から乏しくなる。
・株式市場にとって、フォローの風が弱くなるため、注意したい。
2)日経平均寄与度上位の相場が続く
(1)11/10、日経平均+635円高に占める寄与上位5銘柄シェアは+565円高・+88.9%
・日経平均寄与上位5銘柄 寄与度 株価上昇幅
アドバンテスト +203円高 +760円高
東京エレクトロン +140 +1,400
ソフトバンクG +111 +555
ファーストリテイ +82 +1,020
オリンパス +29 +216
合計 +565
・少数の銘柄が、日経平均の上昇を支配する状況が継続している。
(2)11/11、日経平均▲68円安に占める下落寄与上位5銘柄で▲317円安
・日経平均寄与上位5銘柄 寄与度 株価下落幅
アドバンテスト ▲226円安 ▲845円安
フジクラ ▲41 ▲1,225
TDK ▲29 ▲57
ディスコ ▲15 ▲2,270
三菱地所 ▲6 ▲185
合計 ▲317
・ソフトバンクGなど値がさAI関連株の牽引により一時は+600円超の上げ幅となったが、買い一巡後、利益確定の売りが優勢となり反落した。
(3)11/12、TOPIX最高値を更新、日経平均+220円高、寄与上位5銘柄で+167円高
・日経平均寄与上位5銘柄 寄与度 株価下落幅
TDK +60円高 +120円高
中外薬 +33 +329
ソニー +28 +166
フジクラ +26 +790
日東電工 +20 +119
合計 +167
・ソフトバンクGは寄与▲157円安、値下がり幅▲785円。
・AIや半導体関連株の主力株銘柄が、日経平均寄与上位5銘柄から外れてきたことに注目。
・人工知能(AI)・半導体関連株の株価が高値圏にあり、11/12の株価動向が今後も続くか? に注視したい。
●3.ソフトバンクG、4~9月期・純利益2兆9,240億円、前年同期比2.9倍、過去最高(TBS)
1)保有するすべてのエヌビディア株を10月に58.3億ドル・約9,000億円で売却。
オープンAIへの投資資金を確保。(Forbes)
●4.住友信託、2026年3月期・純利益2,800⇒2,950億円に上方修正(ブルームバーグ)
1)4~9月期・純利益1,819億円、株式関係利益399億円含む。
●5.出光興産、2026年3月期通期、純利益500⇒750億円に上方修正(TRRDERS Web)
●6.東急、2026年3月期通期、純利益800⇒840億円に上方修正(TRRDERS Web)
●7.アシックス、2025年12月期通期、純利益870⇒900億円(前期比41.1%増)に上方修正
1)発行済み株式の1.40%・300億円上限に自社株買い。(TRRDERS Web)(ロイター)
●8.保土谷化学、2026年3月期通期、営業利益50⇒35億円に下方修正(TRRDERS Web)
●9.日揮、2026年3月期通期、営業利益210⇒280億円に上方修正(TRRDERS Web)
●10.ソニー、2026年3月期・営業利益1兆3,300億円⇒1兆4,300億円に上方修正(ブルームバーグ)
1)自己株式1,000億円を上限に取得。
●11.三菱地所、7~9月期・営業利益452億円、前年同期比6.0%減(フィスコ)
●12.ブラザー工業、2026年3月通期、トランプ関税負担140億円を10%値上げと経費削減で、値上げによる販売落ち込まず(朝日新聞)
●13.スシロー、2025年9月期の売上高19%増の4,295億円、純利益56.7%増の229億円(ITmedia)
●14.フジ・メディア、9月中間期の営業利益129億円赤字、前年同期138億円黒字(ロイター)
1)保有株式の売却益計上で純利益は35.8%増の171億円。
●15.自動車7社、9月中間期トランプ関税で7,800億円減益、3社が赤字転落(共同通信)
1)7社合計の純損益は2兆920億円と前年同期比▲27.2%減、7,828億円減少した。トランプ米国政権の自動車への追加関税が利益を大幅に下押ししたのが主因。日産自動車、マツダ、三菱自動車の3社が赤字に転落した。
2)米国政権は日本・米国の関税合意により、9月に日本からの輸入車に対する関税を27.5%から15%に引き下げた。ただ、4月以前の2.5%に比べると6倍で、各社の収益を依然と圧迫している。トヨタは米国関税が営業利益で9,000億円の減益となり、北米の営業損益は赤字。
●16.資生堂、今期520億円の最終赤字に下方修正、米州事業で468億円の減損(ロイター)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・5802 住友電工 業績向上期待
・8802 三菱地所 業績向上期待
・9433 KDDI 業績向上期待
スポンサードリンク
関連キーワード
中島義之氏のコラム一覧
- 相場展望12月4日号 米国株: FRBは12/10利下げ▲0.25%の実施確率が高い⇒株高要因 日本株: 日経平均大幅高も新高値銘柄数と新安値数が拮抗、相場変調が忍び寄る?

- 相場展望12月1日号 米国株: 米国景気の先行きは (1) クリスマス商戦 (2) 最高裁の判決が焦点 日本株: 日経平均は、「天井を意識」させる展開

- 相場展望11月27日号 米国株: 米国の雇用対策を、FRBの利下げに求めるトランプ政権 日本株: 日経平均上昇の立役者ソフトバンクGの株価が急落

- 相場展望11月24日号 米国株: 物価上昇が止まらない米国⇒トランプ共和党不利、民主党優勢 トランプ関税、来年の最高裁で判定⇒違憲判決ならトランプ大打撃 日本株: 日経平均寄与度上位によるアップ・ダウン相場が続く

- 相場展望11月20日号 米国株: 仮想通貨・ビットコインの暴落と連動した株式相場の下落に注意 日本株: エヌビディア売上は予想上回る増、海外短期筋は株買い復活か

- 中島義之氏のコラムをもっと読む


