相場展望10月12日号 米国株: 政策金利引上げ停止観測強まるが、インフレ抑制が抜ける 日本株: 買いエネルギーが高まらず、NYダウ比で割安感薄まる

2023年10月12日 12:09

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)10/09、NYダウ+197ドル高、33,604ドル(日経新聞より抜粋
  ・中東地域での戦闘が激化したのを受けて朝方は売りが先行したが、その後上昇に転じた。米連邦準備理事会(FRB)の金融引締めが長期化することへの過度な警戒感が後退し、投資家の買いを誘った。
  ・パレスナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスは10/7、イスラエルへの攻撃を開始。イスラエルは反撃し、戦闘は激しさを増している。地政学の高まりを受けて運用リスクを回避する投資家が増え、NYダウは午前中に▲150ドルほど下落する場面があった。中東の周辺国からの原油供給に悪影響が及ぶ可能性が意識され、米原油先物相場が大きく上昇。インフレ圧力の高まりに対する警戒も株式相場の重荷だった。
  ・もっとも、NYダウは売り一巡後に下げ渋り、上昇に転じた。FRBのジェファーソン副議長は10/9に公開した講演の原稿で「債券利回りの上昇を通じた金融引締めを今後も認識しつつ、将来の政策の方向性を評価することを心掛ける」と述べた。米長期金利は先週に2007年以来の高水準を付けていた。ジェファーソン氏の見解を受けて追加利上げへの警戒感が和らいだ。
  ・原油高を背景に物価高が再び勢い付けば、追加利上げの必要性は高まる。ただ、市場では「地政学リスクを踏まえて、FRBはさらなる利上げを控えることも考えられる」との見方があった。
  ・原油高を受けて石油のシェブロンが上昇した。ドラッグストアのウォルグリーンズや通信のベライゾンなどディフェンシブ株も上げた。アナリストの高評価が相次いだ英半導体設計のアームが上昇した。交流サイトのメタも買われた。半面、日用品のP&Gや半導体のインテルは下げた。

【前回は】相場展望10月9日号 米国株: 米株価は、長期金利がさらに上昇し割高感高まるリスク 日本株: 日本株の売買主体の構成が悪化しており、警戒したい

 2)10/10、NYダウ+134ドル高、33,739ドル(日経新聞より抜粋
  ・米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測が後退したとの受け止めから米長期金利が大幅に低下。株式の相対的な割高感が和らいだことが買いを誘った。自律反発を期待した買いも入ったが、中東情勢を巡る地政学リスクへの警戒感から次第に伸び悩んだ。
  ・10/10の米債券市場で長期金利が一時4.61%と前週末の終値4.80%から▲0.02%近く低下した。10/9にFRBのジェファーソン副議長やダラス連銀のローガン総裁、前週にはサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が足元の長期金利の急上昇で金融環境が引締ったことを理由に一段の利上げに慎重な見方を示していた。アトランタ連銀のボスティック総裁も10/10、「これ以上利上げする必要があるとは考えていない」と改めて主張した。
  ・中東情勢の悪化は市場心理の重荷だったが、状況や展開を見極めたいとする市場参加者は多い。10/10は相対的に安全な資産とされる米国債が買われた。金利低下を見た株買いが入り、NYダウは+290ドル余り上げる場面があった。
  ・NYダウは前週に約4ヵ月ぶりの安値を付け、8~9月の2ヵ月で▲2,000ドル余り下げていた。「売られ過ぎ」との見方があり、金利上昇が一服したのを機に目先の戻りを見込んだ買いが入ったとの声もあった。
  ・個別銘柄では、航空機のボーイングや飲料のコカコーラの上昇が目立った。電気自動車のテスラや交流サイトのメタが上げた。一方、保険のトラベラーズや製薬のメルクが下げた。

 3)10/11、NYダウ+65ドル高、32,804ドル(日経新聞より抜粋
  ・朝発表の9月米卸売物価指数(PPI)は市場予想を上回ったものの、前月比の伸び率が鈍化した。米長期金利が連日で低下し、株式相場の支えとなった。ただ、10/12に9月米消費者物価指数(CPI)の発表を控えた様子見姿勢も強くNYダウは下げる場面もあった。
  ・9月のPPIは前月比+0.5%上昇とダウジョーンズ通信がまとめた市場予想+0.3%上昇を上回った。一方、8月の+0.7%上昇からは伸びが減速した。市場ではガソリンなどエネルギー価格の押し上げが大きいとの見方から、「PPIの上振れが米連邦準備理事会(FRB)の政策判断を変えることはない」と受け止められた。
  ・米長期金利は一時4.5%台を付け、前日終値4.65%を下回って推移した。このところFRB高官が相次いで追加利上げに慎重な姿勢を示している。10/11はウォラー理事が「金融環境が引き締まっており、我々の任務は一部を肩代わりしている」との考え方を示したと伝わった。中東情勢を巡る地政学リスクの高まりを背景に相対的に安全な資産である米国債は買われやすい面もあった。
  ・午後にFRBが公表した9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では「大多数の参加者が今後の会合で、もう1回利上げすることが適切になる」と見ていた一方、数人は「利上げしないことが正当化される」としていたことが明らかになった。「大半の参加者が景気の先行きは極めて不透明」と見ていることも分かった。市場では「政策判断を慎重に進めたいFRBは10/31~11/1の会合で政策金利を据え置くことになるだろう」との見方があった。
  ・NYダウの上値は重かった。10/12に発表を控える9月のCPIは、前年同月比で前月比ともに伸び率が縮小すると予想されている。一方、食品とエネルギーを除くコア指数は前月比で8月と同じ上昇率が見込まれている。市場予想から大幅に上振れする内容となれば、FRBが追加利上げを決める可能性も意識され、買い手控えにつながった。
  ・個別銘柄では、バイオ製薬のアムジェンや航空機のボーイングが高い。ソフトウェアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルも買われた。ネット通販のアマゾンや交流サイトのメタ、画像処理半導体のエヌビディアなど主力株に買いが入った。一方、石油のシェブロンが安い。医薬品・医療機器のJ&Jや日用品のP&Gも売られた。

●2.米国株:政策金利引上げ停止観測強まるが、インフレ抑制の観点が抜けている

 1)政策金利引上げ停止観測に対する「懸念材料」
  ・ウォラーFRB理事は「FRBは金利において、様子見の位置にいる」と発言し、利上げ終了ではなく、金利据え置きを示唆した。FRB高官の相次ぐ発言で「政策金利引上げ停止観測」が強くなっている。
  ・だが、懸念材料がある。
  ・米卸売物価指数(PPI)は9月に前年比+2.2%上昇、8月の+2.0%から加速。市場予想の+1.6%上昇をも上回った。
  ・プーチン大統領は、OPECプラスの減産協調について今後も継続すると発言。サウジの減産継続もあり、原油価格は高水準で推移すると思われる。

 2)米連邦準備理事会(FRB)の任務の「インフレを完全に消し去った」わけではない
  ・インフレ率は+4%台にあり、下げ渋り、再加速の可能性を示唆している。
  ・つまり、FRBは任務を終えたわけではない。

 3)米国の高金利水準は続く
  ・「政策金利の停止・引下げ」は、株式市場の願いであろう。
  ・米経済は底堅い強さを示し、雇用も若干の緩和があるもののひっ迫が続いている。
  ・そのような状況で、FRBは政策金利の「据え置き」をしても、「停止・引下げ」 のような意思決定はできないと見ている。

●3.米金融情勢の引締まりで追加利上げの必要性低下=ダラス連銀総裁(ロイターより抜粋

 1)高インフレは依然として最も重要なリスクだ。高インフレの定着や再燃を容認するわけにはいかない。

 2)長期金利の上昇の背景に、経済の力強さがあるのであれば、FOMCで一段の措置が必要かもしれない。

●4.FRB高官、十分な金融引締め域に達したと、利上げ終了も示唆(フィスコより抜粋

 1)長期金利の上昇が金融市場のひっ迫のさらなる圧力となり、十分な引締め域に達した可能性を、FRB高官が指摘している。

 2)サンフランシスコ連銀のデイリー総裁は今まで、インフレが高過ぎ、目標値達成には長い道のりだと、追加利上げの可能性を示唆してきた。しかし、10/5のNYエコノミッククラブでの講演で、労働市場や物価が減速したら金利を据え置くことも可能との見解を示した。インフレ率の低下に伴い政策金利の据え置きは一段の引締め策になると指摘。また、最近の米国債市場の引締りは1回の利上げに相当すると述べ、利上げの必要性が後退しつつあると考えていることを明らかにした。

 3)タカ派として知られるダラス連銀のローガン総裁は、米利回りの上昇で追加利上げの必要性を弱める可能性を指摘。利上げ終了も示唆した。

 4)ジェファーソン副議長は、「十分に金融政策が引締ったかどうかに言及するのは時期尚早」とし、「最近のインフレ指標には勇気づけられるが、依然高すぎる」と追加利上げも除外しなかったが慎重に政策を進める余地があるとした。

 5)バー副議長やアトランタ連銀のボスティック総裁は、金融政策が既に十分に金融引締め域にあるとの考えを示した。

 6)12月の利上げ確率は米雇用統計が発表された10/6の45%から25%まで低下した。今週発表の消費者物価指数でさらに、FRBの利上げ軌道を見極めることになる。

●5.米追加利上げの必要なし、景気後退想定せず=アトランタ連銀総裁(ロイター)

●6.米10年債利回りが4.59%と下げ止まる、米9月卸売物価指数(PPI)が予想を上振れ(フィスコ)

●7.米株は現在から「▲20%下落も」壮大な7銘柄が下げ主導=JPモルガン(Quick)

 1)米JPモルガンのストラテジストのコラノビッチ氏が予想。

 2)壮大な7銘柄とは、アップル、アマゾン、メタ、アルファベットなど。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)10/09、上海総合▲13安、3,096(亜州リサーチより抜粋
  ・インフレ懸念の高まりが重しとなる流れとなった。
  ・イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスが戦闘状態となる中、WTI原油先物は10/9朝方、一時、約+5%上昇した。
  ・連休中の消費の伸び悩みもマイナス。中秋節・国慶節の8連休(9/29~10/6)では、観光収入や映画興行収入の伸びが予想に届かなかった。また、中国の景況感指数が官民で強弱感の分かれる内容だったことなども不安視された。もっとも、下値を叩くような売りは見られない。
  ・中国の景気懸念がくすぶっていることなどを背景に、「当局は景気対策を強める」との期待も広がっている。
  ・業種別では、消費関連の下げが目立ち、不動産も安い。金融・ハイテク・エネルギー・医薬・素材・運輸なども売られた。半面、自動車は物色され、公益・通信・軍事関連も買われた。

 2)10/10、上海総合▲21安、3,075(亜州リサーチより抜粋
  ・国内発の新規材料が乏しなか、外部環境の不透明感が重しとなる流れになった。
  ・パレスナ自治区ガザ地区を実効支配するハマスとイスラエルとの「戦争」で、中東地域が不安定化すると懸念された。
  ・中国が掲げる広域経済圏の「一帯一路」戦略では、中東地区も重要なハブとなっている。もっとも、下値を叩くような売りは見られない。
  ・10/10の外国為替市場で、対米ドルでの人民元相場が大幅に続伸していることなどを好感し、指数はプラス圏で推移する場面もあった。
  ・業種別では、ゼネコンなどインフラ建設関連の下げが目立った。インフラ建設各社は「一帯一路」戦略を追い風に海外進出を加速させてきたが「中東地域の混乱は、事業展開に影響を及ぼす」と市場関係者の一部は指摘した。医薬品も安く、エネルギー・素材・公益・酒造・食品・不動産・海運・金融なども売られた。半面、半導体は高い。米政権は韓国の半導体大手2社に対し、半導体製造装置の対中輸出規制から適用除外することを決定。中国半導体産業にとってプラスになると見られた。そのほか、自動車の一角も買われた。

 3)10/11、上海総合+3高、3,078(亜州リサーチより抜粋
  ・中国経済対策への期待感が相場を支える流れとなった。
  ・外電は10/10に消息筋の情報として、「経済成長目標の達成に向け、中国政府が新たな景気刺激策の準備を進めているもよう」などと報じた。報道によれば、2023年財政赤字の拡大を容認することを検討しており、少なくとも1兆人民元(約20兆4,000億円)の国債を発行することも考えているという。
  ・また、米国で利上げ休止観測が強まる中、米10年債利回りが急低下したことも好材料だ。
  ・ただ、上値は重い。
  ・中東地域の地政学リスクは払拭されておらず、中国経済に与える悪影響も不安視されている。
  ・指数は安く推移する場面も見られた。
  ・業種別では、医薬の上昇が目立ち、ハイテクもしっかり。銀行・保険・食品・酒造・不動産の一角なども買われた。半面、エネルギーは冴えず、素材・公益・運輸・自動車が売られた。

●2.伸び悩む中国経済、外国企業トップは来ず、投資は停滞(日経ビジネス)

 1)多くの海外投資家が中国への渡航を中止し、さらに深刻なことに、投資計画を先送りしている。

●3.中国政府がインフラ投資へ1兆元の国債、異例の予算修正を検討(読売新聞より抜粋

 1)年度途中の予算修正はこれまで、1998年のアジア通貨危機や2008年の四川省地震を受けた際など数回しかないという。

 2)3年間のコロナ禍や不動産市況の悪化に伴う土地使用権の売却輸入の減少により、中国の地方政府の財政は悪化が続いている。

●4.中国、予算修正なら財政戦略の「大転換」、20兆円超える国債増発か(ブルームバーグより抜粋

 1)中国・中央政府が、従来のインフラ投資資金調達が破綻と暗に認める動き。

 2)中国・中央政府が来年と再来年、インフラ投資負担を引き受けるかを注視。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)10/09、祝日「スポーツの日」で休場

 2)10/10、日経平均+751円高、31,746円(日経新聞より抜粋
  ・今日の上げ幅は+751円高と今年最大だった。米連邦準備理事会(FRB)の金融引締めの長期化観測が和らいだことなどを受けた10/9の米株高を背景に、東京市場でも運用リスクをとる動きが優勢だった。日本時間10/10の取引で米長期金利が低下したことも日本株の支えとなり、このところ金利上昇局面で売られていた銘柄に短期志向の投資家による買い戻しが入った。
  ・FRBのジェファーソン副議長や米ダラス連銀のローガン総裁が10/9、相次ぎ追加利上げに慎重な見方を示した。これを受け、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)における金利据え置き観測が高まったとして、米長期金利が低下した。足元の株安要因になっていた米金利上昇に歯止めがかかったことで、短期目線の投資家が断続的に株価指数先物に買いを入れ、株価上昇に拍車がかかった。
  ・特に直近で下げが目立っていた自動車や資源関連といったバリュー(割安)株が買われ、相場全体を牽引した。割安銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)バリュー指数の上昇率は+2.55%で割高銘柄で構成するTOPIXグロース指数の+1.64%よりも大きかった。
  ・パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスと、イスラエル軍との戦闘で、中東情勢を巡る地政学リスクが高まっている。情勢が一段と悪化した場合には、リスク回避の動きから株安要因になるとの見方が多い。ただ、イスラエルは主要産油国ではないことなどから「現時点では世界経済への影響は限定的」との声もあり、日本株相場全体を下押しする材料にはならなかった。
  ・市場では今日の大幅高について「あくまで海外ヘッジファンドといった短期筋によるショートカバー(売り方の買い戻し)が主体と見られ、地政学リスクなど懸念材料が浮上する中では中長期志向の投資家がまとまった買いを入れていたとは考えにくい」との声が聞かれた。
  ・個別株では、ファストリ・東エレク・ソフトバンクGなど値がさ株が高い。アドテスト・信越化も買われた。中東情勢の緊迫化を受けた原油高でINPEX・石油資源など資源関連株の上げが目立ったほか、伊藤忠・三井物産など商社株も上昇した。一方、安川電が安く、JAL・ANAなど空運株も売られた。

 3)10/11、日経平均+189円高、31,936円(日経新聞より抜粋
  ・前日の米長期金利の低下を受けて、株式の相対的な割高感が和らぎ、東京市場では指数寄与度の高い値がさ株を中心に買い戻しを入れる動きが優勢となった。午後に一段高となり、節目の32,000円を上回る場面があった。
  ・米連邦準備理事会(FRB)の追加利上げ観測の後退や中東の地政学リスクの高まりを背景に前日の米長期金利が低下した。このところ国内株式相場の重荷として意識されていた米金利上昇が一服したとの見方から、ファストリなど指数寄与度の高い値がさ株が主導して指数を押し上げた。10/11の香港ハンセン指数などアジアの株価指数の上昇も投資家心理に一定の支えになった。
  ・韓国の半導体大手サムスン電子が10/11発表した7~9月期決算速報値が前四半期比で大幅増益となった。市況の底入れ期待から東エレクやアドテスト、レーザーテクなど半導体関連銘柄への買いも目立った。
  ・32,000円を超える局面では上値が重かった。前日の日経平均は+700円強高と今年最大の上げ幅を記録しており、高値圏では戻り待ちの売りが重荷となった。前日に大幅高となった川崎汽船や郵船など海運株への売りが目立った。
  ・個別株では、ソフトバンクG・ダイキン・HOYA・ブリヂストンも上昇した。一方、NTTデータ・三菱商事・伊藤忠・アステラスが売られた。

●2.日本株:ここからの日経平均の上昇には注意

 1)日経平均の戻り高を32,370円と予想
  ・日経平均は▲3,007円下落後、10/5から反発している。
  ・この反発は「売り方の買い戻し」に加えて「値ごろ感からの買い」が加わったと思われる。
  ・海外投資家の売りから、10/10から買い転換している。
  ・国内個人投資家は値ごろ感から買い転換している。
  ・韓国サムスン電子の大幅増益発表で、ハイテク株に買いが入った。
  ・10/5~11までの上げ幅は+1,410円であり。戻り率は46.9%。
  ・戻り率を61.2%とすると当面の日経平均の天井まで+440円上昇を見込む。
  ・つまり、日経平均の当面の高値は10/4底値から+1,840円高の32,370円と見る。

 2)10/11の日経平均+189円高の問題点
  ・日経平均の寄与度が高いわずかな値がさ株の上昇で、日経平均は上昇した。
  ・値がさ株の5銘柄の上昇で、日経平均を+194円押し上げている。ファストリ+66円、東エレク+46円、ソフトバンクG+33円、アドテスト+29円、レーザーテク+20円
  ・しかも、韓サムソン電子の決算大幅増益発表をきっかけに半導体関連銘柄の上げが目立ち3銘柄で日経平均を95円も上昇に貢献している。

 3)日本株の買いエネルギーは高まっていない中での、日経平均の上昇
  ・売買金額    10/2     10/11
          3兆7,015億円 3兆3,821億円
  ・この状況は、売りが強くなったら下落しやすい構図となっている。つまり、下落時の際の押し戻す「壁」にはならない。

 4)NYダウに比べ、日経平均は「割安感が薄く」なってきた

 5)したがって、注意深く株価の進展を見ていくことになろう
  ・日経平均のチャートは既に中期的には下落基調に転換済みである。

●3.イオン、3~8月期スーパー部門10年ぶり黒字化、営業利益1,176億円過去最高(日経新聞)

●4.久光製薬、第2四半期の営業利益+70.9%増、83.9億円、サロンパス伸びる(フィスコ)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・3141 ウエルシア     好業績への見直し買い期待。    
 ・4661 OLC        業績向上期待。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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