相場展望12月30日号 米国株: 米国長期金利+4.6%台に上昇で株式に割高感、ハイテク売り 日本株: 年末のお化粧のやりすぎ、12/30に日経平均は下落予想

2024年12月30日 09:49

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)12/26、NYダウ+28ドル高、43,325ドル
 2)12/27、NYダウ▲333ドル安、42,992ドル

【前回は】相場展望12月26日号 米国株: 幻で終わったトランプ・ラリーは12/4まで、1カ月間だけだった 日本株: ドル建て日経平均では、外国人は運用資産が目減り⇒日本株離れ

●2.米国株:米国長期金利+4.6%台に上昇で株式に割高感、ハイテク・半導体株に売り

 1)米国長期金利+4.627%に上昇で株式に割高感、ハイテク・半導体株に売り
  ・米国長期金利の推移   12/18  ⇒  12/26  ⇒  12/27
    米国10年債利回り   4.514%     4.583      4.627

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)12/26、上海総合+4高、3,398 
 2)12/27、上海総合+2高、3,400

●2.中国国家統計局、2023年国内総生産(GDP)129兆4,000億元(約2,793兆円)(ロイター)

 1)不動産開発業の就業者は2023年末時点で271万人、2018年末比較で▲27%減少。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)12/26、日経平均+437円高、39,568円
 2)12/27、日経平均+713円、40,281円

●2.日本株 : 年末のお化粧のやりすぎ、12/30日経平均は下落予想、NYダウ比で割高感

 1)円安が進行、157円台乗せの強い追い風を受け、大幅上昇
  ・自動車・機械など輸出関連株が買われた。
  ・ホンダの大規模な自社株買い、トヨタのROE大幅上昇計画など好材料発表。

 2)12/27、ボックス相場の上限40,000円超え、海外投機筋の先物売りに警戒

 3)騰落レシオ(6日)は12/27に「170.77」に上昇、赤信号が点滅

 4)移動平均線の乖離率が急伸し、過熱感
  ・移動平均線乖離率の推移  12/18  ⇒  12/27
    6日移動平均線     +0.61%    +3.05
    200日移動平均線    +0.98     +4.14

 5)薄商いが続くなかの日経平均の株高の危うさ
  ・東証プライムの売買金額推移   12/27
                  4兆3,282億円

 6)2025年の日経平均「47,000円」説
  要因は、
   ・企業業績が5年連続の最高益となる予想
   ・国策として防衛関連の業績好調
   ・金利上昇で金融株が金利上昇で利ザヤ改善
   ・米国の規制緩和
  不安要因
   ・米国・欧州の景気後退
   ・米国のインフレ再加速による金利高

 7)年末のお化粧のやりすぎ、12/30日経平均は下落予想、NYダウ比で割高感
  ・12/25~27の3日間で日経平均は+1,245円高と急伸し、過熱感
           12/24   ⇒  12/27   上げ幅   上昇率
     日経平均  39,036円    40,281  +1,245円高・+3.19%高
     NYダウは直近3日間          +  86ドル高・+0.20%高
  ・最近10年間の年末の大納会は下落する回数が多い経験則がある。

●3.トヨタ、ROE目標を20%と倍増、世界車大手でトップ級、2025年3月期予想11%(毎日新聞)

●4.積水化学、大阪にペロブスカイト太陽電池の工場建設し量産へ(NHK)

 1)日本政策投資銀行と共同で新会社・積水ソーラーフィルム(大阪市北区)を設立。
  出資比率は、積水化学86%、政投銀14%。社長は積水化学から登用。
  工場の取得総経費は3,145億円を見込み、半分は政府補助金で充当。
  シャープからの建物などの取得に900億円を充てる。

●5.ニデック、牧野フライスに1株1.1万円でTOB、事前に協議打診せず(ロイター)

 1)ニデックは公開買付(TOB)し完全子会社を目指す。買収総額は2,572億円。
 2)買付価格は12/26の終値7,750円に対し41.9%上乗せした水準。

●6.DIC、川村記念美術館(佐倉市)の都内移転を検討、美術品売却も(ロイター)

 1)川村記念美術館は1990年開館、20世紀美術を中心のコレクションで知られる。
 2)DICは土地・建物のほか簿価ベースで総額112億円の資産価値ある作品群を保有。
 3)都内で適切な移転候補先を見つけ、保有作品を4分の1程度に縮小して美術館運営の方針を決めたと発表した。

●7.ツルハとウエルシアの統合、2025年末までに2年前倒し(時事通信)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・4502 武田薬品      業績好調・高配当
 ・6367 ダイキン      業績堅調
 ・7180 九州フィナンシャル 業績向上期待

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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