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相場展望3月19日号 米国株: 米国のイラン攻撃は、トランプ氏の失敗->米国は撤退を予想 日本株: 「遠い戦争は株買い」だが、「ホルムズ海峡封鎖は株売り」
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)3/16、NYダウ+387ドル高、46,946ドル
2)3/17、NYダウ+46ドル高、46,993ドル
3)3/18、NYダウ▲768ドル安、46,225ドル
【こちらも】相場展望3月16日号 米国株: 原油高で長期金利が上昇傾向、ハイテク・金融株が売られる 日本株: イラン情勢と原油高の長期化で、日経平均は5.2万円もあり
●2.米国株:米国・イスラエルのイラン攻撃は、トランプ氏の失敗⇒米国は撤退を予想
1)米国インフレ懸念増す
・米国2月生産者物価指数(PPI)は予想を上回り前年比「+3.4%高」。
前年比 1月 2月 (2月予想)
PPI +2.9% +3.4%(+3.0%)
コアPPI +3.5 +3.9 (+3.7%):燃料や食品を除いたコア指数
・予想以上に伸びが加速し、前年比では1年ぶりの最大の伸びとなった。
・PPIはイラン戦争前の状況で、この加速である。イラン戦争後の原油高を俯瞰すれば、インフレ抑制対策を前面に出してFRBは大幅な金利引上げでの対処が求められる。
2)米国FRB、政策金利の据え置きを決定
・米国連邦準備理事会(FRB)は3/18の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を3.5~3.75%で維持することを決めた。米国FRBは2会合連続で利上げ見送りとなった。
・イラン情勢の緊迫化を背景に高騰した原油価格を踏まえ、米国経済や物価上昇(インフレ再燃)を見極める必要があると判断した。
3)米国・イスラエルのイラン攻撃は、トランプ氏の失敗->米国は撤退を予想
(1)米国のイラン攻撃は、イスラエルのネタニヤフ首相に乗せられた結果。
・ネタニヤフ首相は、イランの核施設攻撃を主張。イスラエルを守るためには、イランの核排除と体制崩壊が必要と訴える。
・米国を巻き込み、会議にトランプ氏は娘婿のクシュナー氏を参画させた。ところが、クシュナー氏は敬虔なユダヤ教徒であり、イスラエルの熱烈な支持者。妻はトランプ氏の娘イバンカ氏で結婚でユダヤ教に改宗した。その会議でイラン攻撃が決まり、トランプ氏は賛同したもよう。
・ネタニヤフ首相は、イラン攻撃にトランプ氏を上手に取り込んだ。イラン攻撃の主役は、ネタニヤフ首相である。
(2)彼は、イラン攻撃後のイラン体制の新し図面は持っていなかった。
・イラン爆撃だけでは、イラン核施設や体制の完全崩壊は無理。イラン国民はインフレで現体制に批判的でも、爆撃で国の指導者を殺されたため、体制打倒には向かない。イランの人口は93百万人と多数であり、米国軍の地上部隊の侵攻では掌握できない。
(3)かつ、今回のイラン攻撃は、米国・イスラエルの2カ国のみで行った。EUや同盟国には一切の相談も協議もなかった。NATO諸国には、グリーンランド領有やウクライナ戦争終結でも問題発言をしており、友好国として尊重するない考えがない。同盟国を「敵視」し、ロシア・中国には友好的とさえみえる。イラン攻撃が難しくなってからホルムズ海峡に、同盟諸国に艦船の派遣支援を求めるという上から目線での協力依頼は通じないと思われる。なお、米国海軍はホルムズ海峡への艦船派遣は危険だと断っている。
(4)トランプ氏は「イラン攻撃からの撤退」しか方策はない
・トランプ氏の方が、イランよりも失うものが多い。「イラン攻撃」が「原油高を生み⇒米国のガソリン価格が高騰」を生み、米国のインフレ再燃が増した。
・トランプ氏の強烈な支持派「MEGA」派は、米国内の政治優先であり、外国との戦争には批判的である。支持層のMEGA派が、戦争好きのトランプ氏から離れ始めている。
・今年11月には中間選挙がある。中間選挙で勝利するためには、インフレ克服する必要がある。そのためには、原油安->ガソリン価格・物価低下が必要である。それには、早期な「イラン戦争の終結」が必要とされる。近いうちに、トランプ氏は「イラン戦争から撤退」するだろう。
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)3/16、上海総合▲10安、4,084
2)3/17、上海総合▲34安、4,049
3)3/18、上総合+13高、4,062
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)3/16、日経平均▲68円安、53,751円
2)3/17、日経平均▲50円安、53,700円
3)3/18、日経平均+1,539円高、55,239円
●2.日本株:「遠い戦争は株買い」だが、「ホルムズ海峡封鎖は株売り」
1)イラン攻撃による原油高は、日本の経済と企業業績に大きな負の影響を与える
(1)今までの戦争は日本と直結しなかったため、「遠い戦争は買い」と株が買われてきた。イランへの米国・イスラエルの軍事衝突の結果、ホルムズ海峡の事実上の封鎖を招き、原油高騰を引き起こした。日本は原油備蓄が254日あるというものの、医療・包装にかかせないナフサの在庫は3週間程度しかない。注射もできず医療行為が止まってしまう。食品も包装ができなくなり、流通が止まってしまう。ナフサの在庫状況は、日本国民の生活に直結する。原油備蓄の取り崩しでナフサ生産ができるが、輸入依存が高いため、早急な対応が迫られている。
(2)つまり、日本経済は止まり、企業の多くはマイナス影響を受ける。ホルムズ海峡が事実上の封鎖されると、日本は生活の危機に直結する。日本株式相場は「遠い戦争は買い」ではなく、「ホルムズ海峡封鎖は売り」につながる。
(3)このような時、海外短期筋の買い向かいの「追随買い」はリスクが高い。「買い持ち高は調整」して、身構えるのが正解だと思う。
2)日経平均寄与度上位5銘柄の推移
(1)3/16、日経平均▲68円安、寄与上位5銘柄で▲145円安・占有率213.23%
・寄与上位5銘柄 寄与下げ額 株価下げ額
TDK ▲42円安 ▲ 83円安
フジクラ ▲30 ▲ 890
中外薬 ▲25 ▲ 245
ファナック ▲24 ▲ 146
ファーストリテイ ▲24 ▲ 300
合計 ▲145
・値ごろ感からの買いと、3月末の配当狙いの買いが一巡後、売られた。
(2)3/17、日経平均▲50円安、寄与上位5銘柄で▲308円安・占有率616.00%
・寄与上位5銘柄 寄与下げ額 株価下げ額
アドバンテスト ▲159円安 ▲ 595円安
ソフトバンクG ▲ 52 ▲ 65
東京エレクトロン ▲ 37 ▲ 370
フジクラ ▲ 34 ▲1,025
レーザーテク ▲ 26 ▲1,950
合計 ▲308
・半導体関連・人工知能(AI)関連株が売られるなか、値上がり銘柄数が多く買い支えられ、小幅安にとどまった。
・ホルムズ海峡を3/16、インド・中国・イランのタンカーが通過したと伝わり3/17朝方、日経平均+637円高となった。しかし、トランプ米国大統領のホルムズ海峡への艦船派遣を要請された欧州(EU)各国が慎重なスタンスを受け、原油先物が上昇し、日経平均終値は▲50円安と売られて下落した。
(3)3/18、日経平均+1,539円高、寄与上位5銘柄で+848円高・占有率55.10%
・寄与上位5銘柄 寄与上げ額 株価上げ額
アドバンテスト +424円高 +1,585円高
ソフトバンクG +165 + 206
東京エレクトロン +151 +1,510
ファーストリテイ +60 +750
信越化学 +48 +287
合計 +848
・米国株の上昇を好感して買い安心感が広がった。
・原油価格上昇が一服したのを契機に、主力株を中心に幅広い銘柄に買いが入った。
・対米国投資案件でアラスカ産原油の増産・買取検討を好感された。
・ただ、大きな買い主体は海外短期筋である点に注目したい。
●3.豊田通商、ナミビアでレアアース開発に参画へ、今年度中に商業化を判断(日経新聞)
1)電気自動車(EV)モーターに使うジスプロシウムの存在が確認されている。
2)エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の権益の一部を引継ぎ、日本向けの供給を目指す。JOGMECは2020年からカナダの企業とナミビア北部で鉱山開発を進めていた。
●4.日本製鉄、米国・USスチール買収で国際協力銀行やメガバンクは約9,000億円融資
1)日鉄はUSスチールを141億ドル(約2兆円)で買収した。(共同通信)
2)日鉄は2025年6月にUSスチールを買収した際、全額を1年以内で返済が必要な高金利の「つなぎ融資」で賄った。長期で返済可能な今回の融資への借り換えで利払い負担は軽くなる。
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・6501 日立 業績好調、原発関連
・6728 アルバック 業績堅調、半導体・レアアース関連
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