相場展望4月9日号 米国株: 米国・イランの一時停戦は「もろい休戦」で、市場は好感し過ぎ 日本株: 日経平均大幅高も、インフレ・経済後退で、株高継続は不透明

2026年4月9日 16:34

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)4/6、NYダウ+165ドル高、46,669ドル
 2)4/7、NYダウ▲85ドル安、46,584ドル
 3)4/8、NYダウ+1,325ドル高、47,909ドル

【前回は】相場展望4月6日号 米国株: 「出口を用意しない」でイラン攻撃、トランプ手法は「脅し」のみ 日本株: オイルショックに巻き込まれた日本経済

●2.米国株:米国・イランの一時停戦は「もろい休戦」で、市場は好感し過ぎ

 1)NYダウは4/8、米国・イランの一時停戦を受け、+1,325ドルの大幅上昇
  ・イラン一時提案による株式相場の熱狂には「根拠がない」。

 2)米国・イランの2週間攻撃停止は恒久的なものになるか?注視
  ・イラン戦闘は長く続き、早期収束はしない。
  ・早期収束しても、イランと湾岸諸国の設備の復旧は数年はかかる。
  ・ホルムズ海峡の事実上の封鎖は続き、原油高値は続く。

 3)米国・イランの一時停戦の問題点
  ・一時停戦の期間は2週間と短い。
  ・イスラエルはレバノンでの戦闘を止めていない。
   これは、米国・イランの一時停戦合意の違反である。
  ・イランは、イスラエルの対応に不満、ホルムズ海峡封鎖を継続している。
  ・ホルムズ海峡開放されても、2週間では各国はタンカーの派遣ができない。
   つまり、各国の原油調達の苦境から脱することはできず、原油高は続く。
  ・結論:一時停戦は「終結につながらない」
   ・イランの宗教体制派にとって、米国との戦闘は体制継続の助けとなる。
   ・イスラエルは、領土拡張主義であり、戦闘停止を望まない。
   ・米国にとって、このままでは莫大な戦費の回収ができない。

●3.トランプ氏、ホルムズ海峡でイランと「共同事業」提案、巨額通航料の徴収検討(FNN)

 1)通航料の徴収には「航行の自由を妨げる」などとして日本を含む各国が反対の意思をしめしていることから、現実に向けて理解が得られるかが大きな課題となる。

●4.トランプ氏「ホルムズ海峡の通航料で復興開始できる」とSNS投稿(ABEMA TIMES)

●5.米国とイラン、2週間の即時停戦に合意、レバノン含む「あらゆる場所」で(AFP)

 1)イランのアラグチ外相、イランに対する攻撃停止なら、ホルムズ海峡「2週間は安全な通行可能」。

●6.イラン攻撃2週間停止で、NY原油は91ドル台と▲20%近く下落、日経平均2,800円超高(朝日新聞)

●7.米国のインフレ、原油高を背景に長期化の可能性=JPモルガン・チェースCEO(共同通信)

●8.米国3月非製造業指数54.0、市場予想54.9・前月比▲2.1低下(ブルームバーグ)

 1)仕入れ価格指数は+7.7と急上昇し、約14年ぶりの大幅な上げ。
 2)イラン戦争に伴い、エネルギーや他の投入コストが急激に上昇している。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)4/6、上海総合 祝日・清明節のため休場
 2)4/7、上海総合+10高、3,890
 3)4/8、上海総合+104高、3,995

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)4/6、日経平均+290円高、53,413円
 2)4/7、日経平均+15円高、53,429円
 3)4/8、日経平均+2,878円高、56,308円

●2.日本株:日経平均は4/8に大幅高したが、インフレ・経済後退で、株高継続は不透明

 1)海外短期筋の先物買いで朝高⇒その後、上げ幅を縮小という相場が続く
  ・4/6~8の状況
        高値    終値   :コメント
    4/6  +915円高 +290円高 :終値は上げ幅の31.69%に縮小。
    4/7  +502円高 +15円高 :上げ幅の2.98%と、上げをほぼ帳消し。
    4/8  +2,995円高+2 ,879円高 :上げ幅の96.12%と上げ幅をほぼ維持。

  ・海外短期筋は、先物買いで朝高⇒株価上昇後に現物株売り、という行動。
  ・そのような状況から、不透明感から上値の重い展開が続いていた。
  ・ただ、4/8は米国・イランの一時停戦の報を受け、先物主導で買い上がりが続いた。ただ、日経平均は前日比+5%を超えると、高値警戒から買いの勢いは止まった。米国株の反応待ちの姿勢が強まったようす。

 2)日本経済は、原油高と連動して(1)インフレ上昇(2)企業業績の不安が高まり、不安定は続く。
  ・企業は需要減とコスト高に悩まされる。
  ・企業倒産も多くなる。
  ・国民の家計は、物価高でエンゲル係数がさらに上昇し、切り詰めた生活をさらに余儀なくされる。
    ・エンゲル係数の推移
       2005年  22
       2025年  28.6  この20年で最悪
       2026年はイラン戦闘による原油高の影響で物価高となり、エンゲル係数はさらに悪化すると予想される。

 3)株式市場の地合いは売られやすい
  ・個別銘柄の株価をみると、年初来で+5割程度上昇している銘柄が多数あり、利益確定売りされやすい状況下にある。
  ・2027年度決算の利益目標を下方修正、成長鈍化を懸念して目標値設定する企業が現れる。
  ・ただ、インフレに対して価格転嫁力のある銘柄は買われる。
  ・全般に株式相場の基調は売り優勢の展開が予想される。

 4)イランとの一時停戦を好感して株価上昇したが、日経平均の上昇率が高すぎる
  ・日経平均・NYダウの4/8、上昇比較
         日経平均   NYダウ
    4/7   53,429円   46,584ドル
    4/8   56,308    47,909
    上げ幅 +2,878    +1,325
    上昇率 +5.38%高   +2.84%高

  ・日経平均は4/8、NYダウよりも+2.54%も高い上昇となった。つまり、日経平均はNYダウよりも+89.4%も高く、イラン一時停止に好反応したということになる。

 5)日経平均は今後、4/8の大幅上昇を消しに行く可能性が高いと推測

●3.ミニストップ、今年2月通期業績で最終損益▲56億円赤字、消費期限偽装の影響(TBS)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・6758 ソニー      業績堅調

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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