相場展望1月29日号 米国株: マグニフィセント7が決算発表、AIの巨額投資に投資家判断は? 日本株: 「選挙は買い」だが為替介入警戒し大幅円高⇒日経平均は軟調

2026年1月29日 17:55

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)1/26、NYダウ+313ドル高、49,412ドル
 2)1/27、NYダウ▲408ドル安、49,003ドル
 3)1/28、NYダウ+12ドル高、49,015ドル

【前回は】相場展望1月26日号 米国株: トランプ・リスクで、「金」価格が連日高値更新⇒株価不安定化? 日本株: 円は1/23、155円台と円高進行⇒日経平均下落の可能性

●2.米国株 : マグニフィセント7が今週から決算発表、AIの巨額投資に投資家の判断は?

 1)マグニフィセント7が今週から決算発表、AIの巨額投資に投資家の判断は?
  ・米マグニフィセント・セブンとは国株式市場を牽引する主要テクノロジー企業のことで、グーグル、アップル、メタプラットフォームズ、アマゾン、マイクロソフトで「GAFAM」と呼ばれる主要5社に、テスラ、エヌビディアを加えた7社を指す。

  ・このマグニフィセント7の決算発表と、AIの巨額投資に対して、投資家の判断が米国株の先行きを示唆すると思われる。この主要7社は、データセンターなどへの巨額のAI投資を実施している。なお、一部企業はデータセンター投資から撤退する動きも出ている。

  ・マグニフィセント7の株価指数の推移
    01/02 13,159
    09/02 15,170
    10/01 16,159
    11/03 16,978
    12/01 16,561
    01/02 15,517
    01/28 15,602

  ・今後の米国株の動向を見極めるためにも、マグニフィセント7株価指数にも着目していきたい。

●3.米国FRB、政策金利の据え置きを決定、インフレ「やや高止まり」・労働市場は安定(ロイター)

 1)パウエル議長は、経済成長見通しが明らかに改善し、インフレと雇用の両方に対するリスクが低下したとの認識を示し、さらなる利下げを急ぐ必要性がないことを示唆した。

●4.トランプ大統領の関税脅し、実行は4分の1にとどまる=TACO検証(ブルームバーグ)

 1)金融市場は、トランプ氏の交渉カードと受け止め、脅しは昨年末にかけ勢い失う。

 2)2024年11月以降のトランプ氏による関税警告49件を検証
   未発動      27%
   調査中      22
   全面実施     20
   撤回       16
   一部実施     8
   全面実施後に撤回 6

●5.米国、パリ協定から1/27に正式離脱、国際的な温暖化対策に打撃(共同通信)

●6.米国政府機関閉鎖のリスク高まる、捜査官の市民銃撃事件で民主党が態度硬化(Quick Money)

 1)つなぎ予算案が月内成立しなければ、政府機関一部閉鎖リスクが意識されている。

●7.ウォール街が直面する新たなリスク、欧州の投資家が米国株を敬遠も(ブルームバーグ)

 1)欧州の投資家は、外国人が保有する米国株全体の49%を占める。欧州の投資家は約10.4兆ドル(約1,602兆円)相当の米国株を保有している。このうち半分余りは、トランプ氏がデンマーク自治領グリーンランド問題に絡んで関税賦課を示唆した8カ国の投資家によるもの。
 2)トランプ氏の強硬姿勢などを受け、米国資産の配分を検討。こうした動きは1/20に米国S&P500種株価指数が▲2.1%下落する一因となった。
 3)欧州投資家の「分散の動きが加速すれば、時間の経過とともに(1)米国株(2)米国債券(3)米国ドルの重しになる」と考えられる。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)1/26、上海総合▲3安、4,132
 2)1/27、上海総合+7高、4,139
 3)1/28、上海総合+11高、4,151

●2.中国の国家隊、675億ドル規模(約10.4兆円)の売却、当局の株式戦略に変化(ブルームバーグ)

 1)「国家隊」と称される政府系ファンド(SWF)が、巨額の資金力を使って下支えをし中国株式市場に安心感をもたらしてきた。

 2)その筋書きが先週、反転した。SWFの中央滙金投資が保有する上場投資信託(ETF)から過去最大の資金流出が起き、中国政府が単に株式市場を買い支えするだけでなく、上昇にも歯止めをかけていることが鮮明になった。これまでの下落時に買い支えるというやり方から、大きな転換した。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)1/26、日経平均▲961円安、52,885円安
 2)1/27、日経平均+448円高、53,333円
 3)1/28、日経平均+25円高、53,358円

●2.日本株:「選挙は買い」にもかかわらず為替介入を警戒し大幅円高⇒日経平均は軟調へ

 1)「選挙は買い」にもかかわらず為替介入を警戒し大幅円高⇒日経平均は軟調へ
  ・1/27ニューヨーク外国為替市場で円高・ドル安が続き、152円台へ円高が一段と進む。昨年11月上旬以来となる約2ヵ月半ぶりの円高とななった。

  ・円高の要因
   ・日銀、FRBなどの「レートチェック」実施は円高・ドル安への為替介入
   ・欧州投資家の米国売り資金のEUへの送金
   ・日本・米国の長期債券利回りの縮小から為替投機家による円買い・ドル売り
   ・米国財政赤字の見通し
   ・膨れ上がる米国債務を巡る不安
   ・トランプ政策の不確実性
   ・トランプ発言「ドル安は素晴らしい、気にしない」
   ・米国連邦準備理事会(FRB)の新議長人事で金利低下はドル安招く
   ・日本・米国の長期金利の縮小は、円高・ドル安を招く
     日銀  :長期金利引上げ
     米国FRB:長期金利引下げ

  ・円の推移
    1/22日本 158.37円
    1/23米国 155.67円/ドル・・1/22比で+2.70円も円高
    1/27米国 151.27
    1/29日本 153.05     ・・ベッセント米財務長官「ドル高維持」発言を受け、ドルの買い戻しで円安へ。
    ・「円高は基調」⇒自動車など輸出関連企業は為替利益の享受は困難⇒株価軟調へ

 2)日経平均寄与上位5銘柄の推移
  (1)1/26 、日経平均▲961円安、寄与上位5銘柄で▲382円安・占有率▲39.75%
   ・寄与上位5銘柄     下げ寄与額    株価下げ幅
     ソフトバンクG    ▲168円安    ▲209円安
     ファーストリテイ   ▲80      ▲1,000
     東京エレクトロン  ▲63     ▲630
     TDK        ▲41      ▲81
     信越化学      ▲30      ▲182
      合計       ▲382
   ・日経平均は幅広い銘柄で売られた。そのため、日経平均寄与上位5銘柄の下げ影響に占める割合は4割と低下した。
      
  (2)1/27 、日経平均+448円高、寄与上位5銘柄で+519円高・占有率+115.84%
   ・寄与上位5銘柄     上げ寄与額    株価上げ幅
      アドバンテスト   +369円高   +1,380円高
      東京エレクトロン  +104     +1,040
      ディスコ      + 16     +2,430
      レーザーテク    + 16     +1,200
      リクルート     + 14     +142
       合計       +519
   ・寄与上位2銘柄だけで+473円高と、日経平均の上昇+448円高を上回った。

  (3)1/28 、日経平均+25円高、寄与上位5銘柄で+531円高
   ・寄与上位5銘柄     上げ寄与額    株価上げ幅
     東京エレクトロン   +167円高   +1,670円高
     アドバンテスト    +156     +585
     ソフトバンクG    +120     +150
     フジクラ       +57     +1,700
     レーザーテク     +31     +2,320
      合計        +531
   ・日経平均は+25円高であったが、円高を嫌気して輸出関連株などが売られ、値上がり銘柄数は185と少なく、値下がりは1,383であった。全般に売り優勢のなか、オランダの半導体製造装置メーカーASMLの好決算発表を受け、半導体関連の一部銘柄が上昇し、日経平均は小幅ながらプラス高に浮上した。
   ・日経平均は午前に▲500円を超えて売られた。ASMLの好決算発表が波及し、日経平均は+25円高で終わったが、全体としては軟調な株式相場であった。

●3.日東電工、今期純利益1,360億円に上方修正、市場予想を上回る(Quick Money)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・1332 ニッスイ     円高メリット
 ・4507 塩野義      業績堅調
 ・5713 住友金属鉱山   業績好調

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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