相場展望1月26日号 米国株: トランプ・リスクで、「金」価格が連日高値更新⇒株価不安定化? 日本株: 円は1/23、155円台と円高進行⇒日経平均下落の可能性

2026年1月26日 13:37

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)1/22、NYダウ+306ドル高、49,381ドル
 2)1/23、NYダウ▲285ドル安、49,098ドル

【前回は】相場展望1月22日号 米国株: グリーンランド関税でトリプル安出現⇒撤回でトリプル高も警戒 日本株: 衆院投開票日2/8までは「高市トレード」で堅調、その後注意

●2.米国株:トランプ・リスクで、「金」価格が連日の高値更新⇒株価不安定化?

 1)「金」価格が連日の高値更新
  ・金価格の推移
    11/04  3,961ドル
    12/01  4,274
    01/02  4,329
    01/23  4,979
   ・約3カ月で+1,018ドル高・+25.7%上昇となっている。

  ・中東の地政学リスクが上昇の要因。

  ・銀価格も金に連られて初の100ドル台に乗せた。

  ・上昇の要因は、中東の地政学リスクと言われている。

  ・しかし、根本は「トランプ・リスク」による世界の不安定が原因とみる。
    ・トランプ関税
    ・グリーンランド関税
    ・ベネズエラ攻撃と周辺諸国への口撃
    ・トランプ氏の欧州非難に対するEUの反発
    ・トランプ調停によるウクライナ、ガザの平和解決力に陰り
    ・イランへの介入発言
    ・トランプ氏による米国大手銀行JPモルガンへの訴訟発言

  ・トランプ・リスクが米国ドル・債券・株式相場に「トリプル安」を生じさせている。このため、米国株が高水準にあるだけに、警戒意識が高まっている可能性がり、「金」などの高騰に結び付いていると思われる。

●3.米国総合PMI、1月は小幅上昇したが製造業・サービス業ともに予想下回る(ブルームバーグ)

 1)1月S&Pグローバル総合購買担当者指数(PMI)は52.8、予想53.0を下回る。製造業PMIは51.9で予想52、サービス業PMIは52.5で予想52.9。
 2)新規受注が弱く、1~3月期の成長は期待外れの恐れがある。コストと価格指数も鈍化したが、インフレ圧力の急速な緩和は示さず。企業は不透明な環境、弱い需要、高コストの中で新規採用に慎重になっている。
 3)インフレ率が依然として米国連邦準備理事会(FRB)の目標を上回っており、来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合では、金利据え置きが予想される。

●4.米国の債務危機は避けられない=財政監視機関が警告(Unbranded Lifestyle)

 1)米国の国家債務はGDPの100%に達しており、6種類の財政危機を引き起こす可能性があるとして、超党派の監視機関が警告を発した。「責任ある連邦予算委員会(CRFB)」の最新報告書『財政危機とはどのようなものか?』は、米国経済の将来に関して厳しい警告を示している。報告書は「国家債務が経済成長よりも速いペースで増加し続ければ、米国は最終的に(1)金融危機(2)緊縮財政危機(3)通貨危機(4)デフォルト危機(5)漸進的危機あるいは(6)これらの危機の組み合わせに、直面する可能性がある」と指摘している。

 2)さらに、これらの危機はいずれも「米国民および世界中の人々の生活水準を大幅に低下させ、甚大な混乱をもたらす可能性がある」としている。

 3)財政赤字の削減は必要ですが、CRFBは「経済が弱い状況で性急に緊縮財政を実施すれば、100年ぶりの最悪の景気後退を引き起こす恐れがある」とも指摘している。

●5.トランプ政権発表、WHO脱退手続き「完了」、異例、感染症対策に影響(共同通信)

 1)世界保健機関(WHO)は190ヵ国以上が参加し、国境を越えて広がる感染症の防護には国際協調が不可欠で、米国だけでなく世界の感染症予防に影響を与えるのは必至。

●6.トランプ氏提案の「平和評議会」発足式、「国連と連携」19ヵ国首脳ら出席(テレ朝)

 1)1/22の発足式にアルゼンチンのミレイ大統領たハンガリーのオルバン首相など19ヵ国の首脳が出席した。評議会の初代議長はトランプ氏。
 2)トランプ氏は1/21、ガザ暫定統治だけでなく、「国連が本来行う多くの仕事を成し遂げるだろう」と主張した。「平和評議会」を国連に匹敵する組織にしたいとの憶測を呼んでいる。イスラエルやトルコなど35ヵ国前後の首脳が参加を表明しているとのこと。しかし、西欧州の首脳は参加に消極的で、フランスやイタリアは辞退する意向。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)1/22、上海総合+5高、4,122
 2)1/23、上海総合+13高、4,136

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)1/22、日経平均+914円高、53,688円
 2)1/23、日経平均+157円高、53,846円

●2.日本株:円は155円台と円高進行⇒日経平均下落の可能性

 1)日経平均寄与上位5銘柄の推移
  (1)1/22 、日経平均+914円高、寄与上位5銘柄で+874円高・占有率+95.62%
   ・寄与上位5銘柄     下げ寄与額    株価下げ幅
     ソフトバンクG    +361円高    +450円高
     アドバンテスト    +289     +1,080
     東京エレクトロン   +129     +1,290
     ディスコ       +67      +10,000
     レーザーテク     +28    +2,130
      合計        +874
   ・日経平均の上昇寄与上位5銘柄は、すべて人工知能(AI)・半導体関連である。

  (2)1/23 、日経平均+157円高、寄与上位5銘柄で+269円高・占有率+171.33%
   ・寄与上位5銘柄     下げ寄与額    株価下げ幅
     アドバンテスト    +182円高    +680円高
     中外薬        +35      +353
     コナミ        +24    +705
     任天堂        +15      +450
     塩野義        +13      +125
      合計        +269
   ・アドバンテストの1銘柄を除くと、日経平均は横ばい。
   ・利益確定売りで上値の重い状況。
   ・気迷い状況。

 2)円は155円台と円高進行⇒日経平均下落の可能性
  ・円の推移
    1/22    158.37円
    1/23米国  155.67円/ドル
      差異  +2.70円も円高
    1/26は一時153円を付けた。
  ・米国FRBと日銀が連携して、為替介入の準備段階となる取引水準の確認である「レートチェック」を実施したと伝わった。この「レートチェック」により、為替市場では為替介入を警戒し、巻き戻しが入って1/23に2円70銭もの円高と急伸した。
  ・輸出関連株が円高で売られ、日経平均の下げを主導するとみられる。人工知能(AI)・半導体関連株の勢いが一服する中、買い支えが弱そう。
  ・米国株のNYダウのチャートをみると、1/12の49,590ドルを天井に、三尊天井を形成しつつある可能性がみられる。日経平均の支えが外れるかもしれない恐れが出てきた。

●3.ニデック、格付け会社ムーディーズが投機的等級のBa3に格下げ、見通しネガティブ(ブルームバーグ)

●4.日産自、南アフリカ工場を中国・奇瑞汽車に売却へ、額は非開示、削減の7工場確定(共同通信)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・2801 キッコーマン     業績堅調
 ・2802 味の素        業績好調 
 ・3038 神戸物産       物価対策銘柄

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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