相場展望10月16日号 米国株: 金価格は最高値更新続く、トランプ氏のTACOは相変わらず 日本株: 高市・首相誕生の可能性高まる ⇒ 「高市トレード」再燃へ

2025年10月16日 14:14

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)10/13、NYダウ+587ドル高、46,067ドル
 2)10/14、NYダウ+202ドル高、46,270ドル
 3)10/15、NYダウ▲17ドル安、46,253ドル

【前回は】相場展望10月13日号 米国株 (1) 中国に100%追加関税 (2) 政府機関一部閉鎖で景気懸念 日本株: (1) 公明党連立離脱 (2) 米国の中国関税で、高市トレード逆回転 ⇒ 日経平均先物は「▲2,887円下落(CFD日経平均)」 ⇒ 連休明けの10/14、東京株式市場は大荒れを予想

●2.米国株:金価格が史上最高値更新続く、トランプ氏のTACOは相変わらず

 1)金価格が上昇し、最高値更新
  ・金価格の推移
     2024年10/15 2,678ドル
     2025年09/02 3,592
        10/01 3,897
        10/15 4,201

  ・金価格は1年前と比べて、+1,523ドル上昇し、上昇率は+56.9%増。

  ・金価格の上昇は、(1)インフレ(2)ドル安(3)米国トランプ・リスクからの逃避が考えられる。

 2)トランプ氏、10/10は対中国に強硬姿勢⇒10/13はトーンダウンで、やはりTACO姿勢は変わらず
  ・「TACO」は、「Trump Always Chickens Out」(トランプはいつもビビッてやめる)の頭文字をとった言葉。
  ・10/10 :  対中国に100%追加関税。
         ・NYダウ 10/10 ▲878ドル安。
  ・10/13 : 貿易摩擦緩和、「中国を傷つけるのではなく、支援したい」とSNS投稿。
          ・NYダウ 10/13 +587ドル高
               10/14 +202ドル高
  ・トランプ発言でNYダウは上げ下げと、いつも揺らぐ。

●3.パウエルFRB議長、今月の追加利下げを示唆、雇用の伸び弱まる可能性指摘(ブルームバーグ)

 1)今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で▲0.25%の追加利下げを実施する方向にあると10/14の講演で示唆した。

●4.トランプ関税の55%は消費者負担(Quick Money)

●5.米国22州が景気後退の瀬戸際、ムーディーズが分析(QUICK Money)

 1)分析によると、移民の減少、関税率引上げ、連邦政府の雇用削減などの要因が複雑に絡み合い、ワシントン州からバージニア州、メイン州まで景気後退が全米各地に広がったとしている。

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)10/13、上海総合▲7安、3,889
 2)10/14、上海総合▲24安、3,865
 3)10/15、上海総合+46高、3,912

●2.中国の与信、9月の伸びが低調、新規融資は予想下回る増加にとどまる(ブルームバーグ)

 1)新規融資額は、9月は1兆3,000億元と予想の1兆5,000億元を下回った。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)10/13、祝日「スポーツの日」で休場
 2)10/14、日経平均▲1,241円安、46,847円 
 3)10/15、日経平均+825円高、47,672円 

●2.日本株:高市・首相誕生の可能性高まる ⇒ 「高市トレード」再燃へ

 1)高市・首相誕生の可能性高まる ⇒ 「高市トレード」再燃へ
  (1)高市・自民総裁の首相誕生の確立が高まる
   ・日本維新の会と連立含む政策協議が10/16から実施。
     ・維新の条件  ・社会保険料の引下げ
             ・副首都構想

   ・高市・自民党総裁の少数会派への働きかけも含め、国会で過半数をねらう。
    国民民主党からも政策協議次第で閣外協力を得られる確率が高まりそう。
     ・国民の条件  ・103万円の壁⇒178万円に引上げ
             ・ガソリン暫定税率の廃止
     ・高市・総裁は、ガソリンに加え軽油の暫定税率の廃止も視野に検討。

   ・高市・首相の誕生に向け、日本維新の会と国民民主党の協力を得られる見込み。

  (2)高市・自民党総裁の首相就任の可能性高まり、「高市トレード」が再燃か
   ・高市・自民党総裁は、首相に選出される公算が大となる。

   ・日本維新の会と国民民主党との合意の進捗をまず優先。

   ・両党との合意事項を国会で成立させた後に、衆議院総選挙という段取りを予想する。自民党の支持率回復、特に保守層の回帰を確認してからということになる。

   ・株式相場の経験則「選挙は買い」が生きる可能性が高い。「高市トレード」の再燃に注目したい。

 2)決算発表シーズンで株式相場が活況する時期が到来
   ・米国株、日本株ともに7~9月期決算発表シーズンを迎える。
    ・米国のバンク・オブ・アメリカ、モルガン・スタンレーが好決算を発表した。好決算の発表を受け、米国株が堅調に動く可能性がある。特に、人工知能(AI)と半導体関連の銘柄が注目されそう。
   ・日本株も、米国株の影響が波及し、堅調に推移すると思われる。

●3.選挙ドットコムの全国調査「高市支持が約5割」(ABEMA TIMES)

 1)自民・公明の連立離脱は、自民支持層の約5割・公明支持層の約8割が賛成。
 2)高市支持は約5割、そのうち岩盤支持層が約3割と保守層の回帰の動き。

●4.自民・高市総裁と維新・吉村代表、連立視野に政策協議に入ることで一致(読売新聞)

 1)高市氏は、両党による連立政権発足を含む連携を要請し、10/16から政策協議に入ることで一致した。

●5.東宝、今期純利益+10%増の475憶円に上振れ、市場予想には届かず(moneyworld)

●6.Jフロント、今期の純利益▲37%減に下方修正、インバウンド低迷(moneyworld)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・6758 ソニー    業績堅調
 ・6098 リクルート  業績好調
 ・7730 マニー    業績好調

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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