【QAあり】ストレージ王、2Qは増収増益で着地 コンテナ型トランクルーム売却時期の前倒しが影響、市場拡大を見すえ増設を推進

2024年9月21日 10:37

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記事提供元:ログミーファイナンス

【QAあり】ストレージ王、2Qは増収増益で着地 コンテナ型トランクルーム売却時期の前倒しが影響、市場拡大を見すえ増設を推進

【QAあり】ストレージ王、2Qは増収増益で着地 コンテナ型トランクルーム売却時期の前倒しが影響、市場拡大を見すえ増設を推進[写真拡大]

2025年1月期業績予想について

荒川滋郎氏:株式会社ストレージ王代表取締役社長の荒川滋郎です。当社の事業ならびに2025年1月期第2四半期の決算についてご説明します。どうぞよろしくお願いします。

去る2024年8月19日に第2四半期の業績予想修正を行いました。トランクルームの開発分譲事業においてコンテナ型トランクルームの売却時期が早まったため、当初4億7,300万円だった売上予想を5億6,000万円に修正しています。

売却時期の変更によるものですので、通期予想の変更はありません。

目次

まずは当社の概要、次に2025年1月期第2四半期決算の概要、各事業の状況、今期の見通しの順にご説明します。詳細な数値は決算短信などの開示資料をご覧ください。

会社概要_経営理念とミッション

当社の経営理念とミッションです。当社の経営理念は「顧客資産の持続的な価値向上を通じて、人々の暮らしや社会の未来を共創する」です。

トランクルームの利用者の利便性の向上、また、トランクルームを不動産として所有する方の資産価値向上、さらには土地建物を私どもに貸してくださる、あるいは売ってくださる方々という3者を当社がつなぐことで、社会の未来を共創することをミッションとしています。

会社概要_概要と沿革

当社は2008年5月に創業しました。2007年創業の株式会社デベロップの子会社として設立され、当初はトランクルームの管理と運営を目的に事業を行っていました。

2015年に株式会社ストレージ王が岡山県にある株式会社アイトランク山陽と合併しています。同年に本社を東京から千葉県市川市に移転し、現在は千葉県の本社と岡山営業所の2ヶ所に事業所を構えています。

2020年以降は、株式会社タスキをはじめ、さまざまな会社と業務提携しています。2022年4月には東京証券取引所グロース市場に株式を上場しました。

会社概要_トランクルームについて

私どもが開発・運営するトランクルームについてご説明します。大きく分けて2つのスタイルがあり、1つは屋内型トランクルーム、もう1つが屋外のコンテナ型トランクルームです。

屋内型トランクルームは1つの建物をトランクルームとして利用するものです。スライドの画像のように、建物内にカーペットが敷いてあり空調設備もあります。お部屋のクローゼットの延長のように利用できるタイプです。

コンテナ型トランクルームは、ロードサイドでよく見かけるタイプです。車で収蔵庫の側まで乗り入れが可能なため、大きな荷物を収納したり、事業者が資材を置いたりする使い方ができます。

掲載した画像は2階建てですが、借地料や地価によって1階建てのタイプもあります。

推計ではありますが、私どもの国内拠点数の順位は屋内型トランクルームが20位くらい、コンテナ型トランクルームは15位くらいのポジションにあると考えています。

会社概要_トランクルームサービス展開例①

私どもは、トランクルームに単に荷物をしまっておくだけでなく、いろいろなかたちの提携や利用の仕方をご提案しています。

例えば、宅配ロッカーとしての使い方です。トランクルームに荷物を預けた方が、トランクルームで荷物を受け取る、あるいは、トランクルームの保管物を宅配便で発送することが可能です。さまざまな個人事業の物流拠点としても活用されています。

マンションの1階部分をトランクルームにした事例もあります。マンションの居住者だけでなく近隣住民にも利便性を提供しています。

また、現在2拠点で展開しているメゾネットガレージ&オフィスは、2階が事務所で1階が車庫となっており、事務所や趣味のスペースとして活用できるものです。

会社概要_トランクルームサービス展開例②

多様な保管品に対応するラインアップ展開をご紹介します。ワインセラーは温度に敏感なワインを保管するために通年約14度に保たれており、ワインの長期熟成に非常に向いています。また、発電装置も備えていますので、停電時にワインが傷んでしまうこともありません。

サーフボードトランクルームは、コンテナの長さを利用してサーフボードが縦にしまえます。九十九里浜に面した場所にあり、サーフィンをされる方が手ぶらで来て、荷物を出して使えるという施設です。

トランクルーム&バイクガレージは、バイク専用室を備えています。画像は板橋区ときわ台の事例写真です。各ブースに電源を備え、電動バイクにも対応しています。最近では大型バイクの駐輪場所に困る、あるいは盗難リスクがあるため、大切なバイクを安全に保管する場所としてご利用いただいています。

会社概要_トランクルームの不動産特性

収益不動産としてのトランクルームについてご説明します。アパート・マンションのような不動産投資と比べ、最も大きな特徴として経年による賃料の減少が小さいことが挙げられます。

水回りのあるアパート・マンションは、築年数が長くなると新築よりも家賃が下がる可能性があります。しかし、トランクルームの場合は築年数を気にして借りる方は稀で、また施設自体の劣化が少なく、いわゆる価値の低減が小さいといえます。

テナントの定着率という点では、しまった荷物は動かしにくいため定着率は高くなります。原状回復費用については、アパート・マンションはキッチンなどの水回りに改修が必要ですが、トランクルームは水回りがない分費用は少なく、同様に大規模修繕も低費用です。

トランクルームは水回りがないため建築費が安いというメリットはあるものの、アパート・マンションに比べ立ち上がり時の空室の埋まり方が遅いというところがあります。空室がゆっくり埋まっていくことや、すぐには埋まらないところが少し扱いにくい点です。

一方で、駅から遠い土地の活用も可能で、アパート・マンションよりも立地条件が幅広いところもトランクルームの特徴です。

会社概要_トランクルームについて

先ほど屋外型と屋内型があるとお話ししましたが、屋内型はさらに一棟型とビルイン型に区分しています。

一棟型とは建物全体をトランクルームにしたタイプで、私どもは2020年から建てています。土地を購入し新築するケースがあり、今まで大型のものを14棟建てています。

ビルイン型は、先ほどマンションの1階をトランクルームにする事例をご紹介しましたが、こちらは商業施設やオフィスビルの2階に出店するような、既存ビルのフロアを有効活用するものです。建築費が非常に高騰する中で、既存のビルをトランクルームとして活用しています。

私どものトランクルームは水回りがないため、ビルの使い方としては非常に簡易です。後から水回りを設置するのに比べ、逆に水回りがなくなるため改装しやすいこともトランクルームの特徴かと思います。

コンテナ型について補足すると、私どもが使うコンテナは海上輸送用と同じサイズですが、建築専用ですので、柱と梁だけで持つ非常に強い構造をしています。建築基準法も満たしており、安心してお使いいただけるコンテナを使用しています。

会社概要_事業の内容・当社の強み

当社の強みについてです。3者のお客さまそれぞれに価値を提供する力を、私どもは運営力、仕入開発力、物件売却力と名付けています。

1つ目の運営力は、トランクルームを適切に運営管理し、また、借りていただくためのいろいろな宣伝をし、安心して使っていただけるようにきれいに保つという、ルーム利用者に向けての力です。

2つ目に仕入開発力です。私どもにはトランクルームの運営・開発の実績があり、どのような立地がトランクルームとして使いやすいか、適した不動産の特性を熟知しています。そのため、不動産オーナーから適した土地を借りてくる、あるいは、買ってくる力を仕入開発力としています。

3つ目に物件売却力です。完成したトランクルームを投資家に売却し資金を回収する、あるいは、売却後のトランクルームを私どもが賃借し運営するというかたちで、投資家にとって安定的な投資物件を提供しています。

追加投資が少なく手間がかからず、安定した収益を生む不動産物件として評価をいただき、リピートしてくださる投資家も多いのが現状です。

会社概要_事業の内容_運営管理

ストック収益の事業スキームです。利用者とは、私どもと利用契約を結び利用料をお支払いいただき、実際にトランクルームを利用される方のことをいいます。私どもはそのトランクルームの収入をまとめ、建物所有者に賃料として、あるいは、土地所有者に地代としてお支払いします。

このように私どもは3者をつなぐことで収益を得ています。トランクルームの利用が安定的な収益をもたらし、利用者からいただく利用料と不動産コストの差額が当社の利益となります。

会社概要_事業の内容_開発分譲・その他不動産

フロー収益の事業スキームです。仕入れて開発したトランクルームを売却し利益を確保することが、現在の収益の8割くらいを占めています。

私どもが土地を借りる、あるいは購入し、トランクルームという物件を仕入れて建てます。その物件を投資家に売却し、私どもが借り上げて運営します。1棟の建物型は信託受益権化も可能で、不動産投資家のさまざまなニーズに応えられることが物件売却力にもつながっています。

また、上場を果たした結果、トランクルームを作るにはどうしたらよいかというご相談をいただくようになりました。物件情報も非常に入りやすくなり、仕入開発力に貢献しています。

会社概要_事業の内容_収益の循環

トランクルームを作り店舗数を拡大すること、あるいは、物件の仕込みから売却にかけての収益で、私どもの利益が支えられています。トランクルーム利用者の拡大が安定収益につながります。

物件開発によるフロー収益を積み重ねながら、出来上がったトランクルームを安定的に運営してストック収益を得るという循環が安定収益の拡大につながります。

トランクルームはいったん荷物を預けると出しにくいため、解約率は1.9パーセント程度です。解約される方もいらっしゃいますが、アパート・マンションと比べて一つひとつが小割りの部屋になっていますので、大きくへこむこともなく安定した収益を得られるビジネスモデルとなっています。

会社概要_事業の内容_売上構成比

売上構成比です。フロー収益である、物件を開発して売却する開発分譲事業の売上が73.1パーセントとなっています。2025年1月期は若干下がる可能性もありますが、いまだ物件の売却利益によるところが大きい状態です。

私どもは常に第4四半期に売上高・利益が大きくなる傾向があります。今期も第4四半期に偏りますが、毎年第4四半期の開発分譲事業により売上高と粗利を十分に稼げていると捉えています。

運営管理事業は22.5パーセントです。中期的にはこの比率を3割、4割に上げていくべく、現在は物件を一生懸命作っているフェーズです。

2025年1月期第2四半期決算の概要_PL

第2四半期の決算の内容についてご説明します。売上高は5億6,000万円で前期比1億1,800万円の増収です。積極的に出店した結果として、売上総利益は前期比5,100万円のプラスですが、開発要員等の人件費増により販管費も4,800万円増え、営業利益はマイナス1億800万円と前期比で200万円プラスとなりました。経常利益もほぼ横ばいです。

冒頭でお伝えしたように、売上高は当初予想の4億7,300万円から10パーセント以上増えたため、上半期の業績修正は行いましたが、通期は予定どおり売上38億円のままとしています。

2025年1月期第2四半期決算の概要_セグメント損益

セグメント損益です。運営管理の売上高が4億2,800万円と、前期比で6,800万円増えています。仕込んできた物件数が増加することにより、運営管理の部分で増収・増益ができています。

開発の売上高は1億200万円です。この部分の月ズレによる大幅な増加が業績修正の要因でもあります。こちらも予定どおり進捗していることに加え、若干早めに売上が上がっています。

その他の売上高については、トランクルーム以外の家賃収入等が増えたことにより、2,900万円となりました。

2025年1月期第2四半期決算の概要_BS

貸借対照表です。現預金の残高は4億3,100万円です。また、通期売上高38億円という計画の中で販売用不動産を積み上げており、29億7,900万円と30億円近くになっています。

負債については、1年以内返済予定の借入金が21億8,900万円と、期首と比べて17億4,200万円増えていますが、販売用不動産が18億円増えていることとほぼ見合いというかたちで銀行から借入等を行って販売用不動産を積み上げています。

第4四半期までには大半の部分の売却をきちんと済ませるかたちで事業を進めています。後ほど物件別もご説明しますが、今のところ工事も順調に進んでいます。これらの販売用不動産については、今期中に売却する予定で進めています。

事業の状況_新築屋内型案件

各事業の進捗状況をご説明します。現在、開発中の案件のうち、屋内型として取り組んでいる案件をご説明します。天王町のトランクルームですが、これは一時期西横浜という名前で出ていた時期もありましたが、住所でいうと天王町にあります。新築の屋内型としては、初めての横浜市での出店です。こちらの工事も順調に進んでおり、2024年12月にオープン予定です。

幡ヶ谷のトランクルームは、当社初の渋谷区での屋内新築型の案件です。こちらは、2025年1月にオープン予定です。世田谷区の池尻トランクルームはやや小型の案件ですが、より住宅街に近いところに建てており、私どもとしては、新築屋内型では初めて木造の案件に取り組みます。こちらも工事は順調に進んでおり、2024年12月にオープン予定です。

亀戸のトランクルームおよび南砂のトランクルームは両件とも2025年1月にオープン予定です。城東エリアは、マンションも非常に増えてきていることから、トランクルーム需要も高まっています。この亀戸および南砂は鉄骨造の新しいタイプのトランクルームです。杉並区の宮前のトランクルームは住宅街の中に立地しており、車でのアクセスも非常に良い物件です。こちらも2025年1月にオープン予定です。

西新宿のトランクルームは、実は今期ではなく来期に売却予定の案件です。現時点では更地のままですが、住宅地とビジネス街が混じり合うような非常に好立地の物件であることから、いろいろな使い方ができるため、現在ビルのプランを練っています。

下谷のトランクルームも住宅地に立地した幹線道路に沿った案件です。こちらは私どもが他社の開発を受けています。ストレージ王名義ではないブランドでの新しい取り組みの案件となっています。

事業の状況 _部屋数と稼働数及び稼働率推移

現在のトランクルームの部屋数と稼働数および稼働率の推移です。2024年1月期末は9,886室でしたが、今は1万368室まで来ており、2025年1月期末には1万1,715室までいくと考えています。

また、2年超の稼働率についても、スライドに記載のとおり、2024年7月の段階で82.5パーセントです。

2023年1月の86.9パーセントに比べて少し下がっているため、ご心配もあるかと思います。実は私どもは2022年から2024年にかけて3,000室程度部屋を増やしていますが、この間、コンテナ型よりも大型の屋内型のトランクルームを増やしてきたため、1ヶ所の部屋数が多くなっています。

先ほど不動産は立ち上がりが遅い特徴があるとお伝えしましたが、大型の案件はコンテナ型に比べ若干立ち上がりが遅いため、このように稼働率が下がって見える傾向にあります。しかし、これは出店の構造的な要因に起因するもので、トランクルームの稼働そのものが実態的に下がっているのではないとご理解いただければと思っています。

事業の状況_トランクルーム新規出店(2Q)

こちらは第2四半期でオープンしたコンテナ型のトランクルームの画像です。宇都宮、千葉県木更津、土浦、伊勢崎と、現在関東地方にドミナント出店を進めています。

ご覧のとおり、いずれも1階建てで、2階建てにはしていません。土地がある程度広く取れるところは、大きな資材等を運び込みやすい1階建てにしています。第2四半期だけで206室オープンしています。

屋内型のトランクルームの工事に各地で取り組んでいますが、今期は特にこのコンテナ型のトランクルーム開発に注力しており、今事業計画で23件の年間オープンを予定しています。こちらは目標をやや上回るぐらいのペースで順調に推移しています。

屋内型の案件は建築費が非常に高くなっている一方で、コンテナ型の案件に関しては、かつての円安の影響等があったものの、屋内型の資材の値上がりに比べるとあまり大きくはなく、また稼働率も上がりやすいことから、今期は2024年1月期に比べて出店数を大幅に増やしています。

事業の状況_トランクルーム店舗数

現在展開しているトランクルーム177店舗の分布です。M&Aを行った関係で、42店舗が岡山県に集中しています。スライドの下に記載しているとおり、東京都内で46店舗、その他千葉県、神奈川県、栃木県、茨城県といったところで増やしています。今年から静岡県にも出店を始めました。また、沖縄県でも屋内型を1店舗出店しました。現在は177店舗まで来ています。

事業の状況_トランクルーム新規出店(2Q)

第3四半期以降も、11店舗が年度内にオープンする予定です。桐生広沢トランクルームは9月にオープンしますが、これはもともとの親会社であるデベロップのホテルに併設したトランクルームです。そのため、非常に車通りも多いところに作っています。ホテル併設のトランクルームは稼働率も上がりやすいという実績もあるため、期待している店舗です。

高鍋、日立滑川は屋外型の店舗です。表の上から4段目にある新宿フロントタワートランクルームは既存のオフィスビルの2階に出店します。すでにいろいろなビルの空中階にオープンしたケースはありますが、今回は本格的なオフィスビルの2階であり、非常に大きな案件になっています。

また、私どもが期待しているのが、ビルの中のテナントが文書の収蔵庫として使用すること、あるいは新宿のオフィスに勤めている方が自宅の近くではなく職場の近くでトランクルームを借りることといった新しいニーズです。

例えば会社の帰りに少しフィットネスクラブに寄って帰る方が荷物を置いたり、あるいはスーツケースを置いておき出張に備えたりするようないろいろな使い方をトランクルームでしていただけるよう、10月のオープンに向けて準備を進めている最中です。

天王町以下は屋内型の新築案件であり、工事は現在順調に進んでいます。

重点施策の進捗_リーシング強化

今年度の重点施策の進捗状況についてご説明します。第2四半期で実施した施策ですが、まず6月18日に発表した記念株主優待の実施および株主優待制度の導入を行いました。

その他にもスライドに記載のとおり、本社近くの小学校向けの副教材提供などさまざまなことを行っています。上から3段目にあるCAMP HACKという、キャンプに関するサイトを運営している会社とのコラボキャンペーンですが、私どもはキャンプに関していろいろと勉強しました。

新築するトランクルームでもキャンプ用品を収納しやすい部屋をご提案できないかと考え、今準備しています。キャンプが好きな方にお聞きすると、マンションの部屋に住んでいてキャンプに行くとなると、休みの日の朝早くにエレベーターを何往復もして荷物を運び出すケースがあるそうです。

早朝であれば音でご近所に迷惑をかけてしまいますが、トランクルームを借りていただくとキャンプ用品一式を預けられ、当日は一度に運び出すことができますし、音を気にすることもありません。実はキャンプ用品とトランクルームは非常に相性がいいだろうと考えた企画です。

「資産形成チャンネル」は、トランクルームをリピーターとして買っていただいているココザスが運営している「YouTube」チャンネルです。コンテナ型のトランクルームが投資商品として非常におもしろいと、投資家目線でご紹介いただいているチャンネルですので、ぜひご覧ください。

Laspyとの協業は、防災備蓄用品を私どものトランクルームでお預かりするサービスです。現在は、万一の震災に備え、職場でも3日程度食料を備蓄したほうが良いという各自治体の指導もあります。そのため、今は食料品も含めていろいろな防災用品を事務所で備蓄することが望まれています。事務所が非常に狭い場合は、私どものトランクルームに預けていただけます。

また、防災備蓄の用品は手配するのが大変ですが、このLaspyという会社は、防災用品を一括してお届けする会社のため、こちらとの協業を行い、防災に備えたサービスの提供を7月より始めています。

重点施策の進捗_出店形態の戦略的配分

今年の重点施策です。2024年1月期はこれまで中心的に行ってきた鉄骨造による屋内型の案件の強化が主題でした。2025年1月期は建築費の高騰もあり、あらためてコンテナ型のトランクルームの出店を強化し、昨年度を大きく上回る23店舗を計画しています。

すでに半分以上出店しており、残りの半分についても土地の押さえをしています。計画を若干上回るペースで出店が進んでおり、重点施策は順調に進捗しています。

また、鉄骨造ではない木造の建築も池尻で実践を行っています。鉄骨造の建物が非常に高騰しており、また小規模で住宅により近いところにトランクルームを作ることから、木造が非常に有効だと考え取り組んでいます。

また、ビルイン型の出店を強化するためにも、オフィスビルに本格的なトランクルームを作る作業を現在進めています。

2025年1月期の見通し

2025年1月期の見通しについてご説明します。今年度は、売上高38億円、売上総利益6億2,300万円、営業利益1億7,000万円、当期純利益1億3,000万円を目指して進めています。

右側のグラフをご覧ください。売上高も、第3四半期、第4四半期は大きく数字を上げる計画です。緑色の線が実績で白い線が計画ですが、今は実績が計画をやや上回るかたちで進んでいます。第4四半期までには事業計画を達成する予定で進めています。今のところ、着地についての変更はありません。

以上、簡単ですが、事業内容のご説明と当第2四半期の決算内容の説明でした。

質疑応答:木造建築の安全性について

「木造建築の安全性はいかがでしょうか?」というご質問です。

木造建築は当然建築基準法を満たしており、十分耐震性等を含めて検証した上で進めているため、安全性には問題はないと思っています。

また、私ども以外のトランクルームを運営している事業者でも現在は木造建築を使っている事例がかなりあります。そのような事例もあることも含めて、安全性には問題はないと考えています。

質疑応答:競合他社に関する事例について

「他社でも出店スピードを速めている企業もありますが、進出したかったエリアに他社が先に進出してしまったという事例はあるのでしょうか?」というご質問です。

私どもは屋内型の案件については後発の会社であるため、出したかったところに他の方が出しているケースは数多くあります。

具体的には、エリアリンクやキュラーズといった私どもよりも大きい他社が「ここはいいな」と思う立地に出ている事例は多々あります。

トランクルームの商圏は、都内ですとだいたい約半径2キロぐらいです。わりと案件から近いところのお客さまが集まってくる特性があります。そのような意味では他社が出ていたとしても、そこから例えば3キロ離れていれば出店できます。商圏が狭いがゆえに、意外とそこまで他社と食い合わないという特徴もあります。私どもとしては、これから渋谷区や港区といったところに出ていきたいと思っていますが、他社がすでに出ているところにもこれからも出ていきたいと思っています。

質疑応答:トランクを活用したグランピング場の運営の検討について

「トランクを活用したグランピング場の運営などはないのでしょうか? 需要がありそうな気がします」というご質問です。

おっしゃるとおり、今グランピング施設は非常に増えています。コンテナ建築を利用したホテルは私どもの関連会社であるデベロップでも、すでに「R9 The Yard」というブランドで全国で100ヶ所近く展開しています。

グランピングについても、立地を考えて、いろいろなかたちでできるだろうとは思っています。しかし、私どもはグループの中で事業のすみ分けを行っているため、直接的に今すぐホテル運営を行うことは考えていません。ただし、需要は確かにあると思われるため、そのような周辺事業でコラボレーションできるところがあれば取り組んでいきたいと思っています。

質疑応答:円高為替の影響について

「為替が円高に振れていますが、御社への影響はありますか?」というご質問です。

私どもは、円は150円前後が適正だと思っており、事業計画立案時にはそのような水準で進めていました。いったん円安に振れて原価が少し上がってしまったと思っていましたが、今は当初の事業計画に近い150円程度に戻っているため、下期にかけては上期の円安時よりはかえって円高になって良くなってきたというところです。

コンテナ型のトランクルームのコンテナは、海外から輸入していますので、また円高に振れてくればプラスの影響があると考えています。

質疑応答:建物完成が第4四半期に集中する理由について

「建物完成が第4四半期に集中する傾向があるのはなぜですか?」というご質問です。

私どもはトランクルームの屋内型を建てる用地として、概ね東京都内を中心に底地の大きさで50坪前後、建物延べ床で約200坪前後の不動産を探しています。

なぜ延べ床200坪というサイズになるのかというと、トランクルームは商圏があまり大きくなくて、半径2キロぐらいでお客さまを集めます。そのため、あまり大きな建物にしてしまうと埋まるまでに非常に時間がかかってしまいます。一方で車を1台もしくは2台停められるスペースが必要なため、あまり小さいところも難しくなります。土地面積で50から70坪、建物で200坪前後の物件に好んで出店しています。

土地の仕入れですが、このサイズの土地をお持ちの方は、実は大企業というよりはわりと中小企業や個人の方が多く、年末から決算期である3月にかけて土地の売却を検討されるお客さまが多い傾向です。土地の仕入れが12月から2月頃に集中する季節性があり、設計して建物を建てるのに1年近くかかるため、結果として第4四半期である12月・1月に完成が集中しています。

私どもとしても平準化を図りたいと思っていますが、土地の仕入れ時期から逆算して、このような第4四半期になっていますので、これまでも非常にご心配をおかけしています。幸いなことにトランクルームの売却については、リピートしてくださる不動産投資家が多いため、わりと早めに商談を始められています。四半期にきちんと売却できることから、今のところ自信を持って進めています。

質疑応答:大株主による株式売却予定有無と親会社との関係について

「大株主は今後、売り出す予定はあるのでしょうか? 親会社との関係について教えてください」というご質問です。

親会社だったデベロップは今でも関連会社ですが、もともと100パーセントの株式を所有しており、私どもが上場する2022年の前に一部株式の第三者割当を行った時の株式保有比率は8割程度でした。現在、株式保有比率は34パーセントまで下がっています。今後については株主のご意向ですので、私からはなかなかお伝えしにくいのですが、当然売却される可能性もあるとは思います、今、具体的なことは聞いていません。

次にデベロップとの関係についてです。親会社だったデベロップにもともと入社して、転籍したスタッフは私を含め複数名います。先ほどお伝えした「R9 The Yard」というロードサイド型のホテルをデベロップが展開していますが、例えば、土地を1,000坪持っていらっしゃる方が、土地を貸してくれる、あるいは売ってくれると言ったとします。ホテルだけでは1,000坪使い切れないため、ホテルには700坪を使ってもらい、私どもが300坪を使い、トランクルーム併設ホテルを作るケースがあります。

お互いに土地代の負担をシェアし合ったり、立地としては非常に優れたロードサイド立地への出店が自分たちの力ではなくデベロップの力でできたりするメリットがあります。そのような部分では相互に補完関係があります。デベロップもホテルを不動産投資家に売っているため、私どもがトランクルームを売る投資家の情報連携も考えれば、お互いに非常にメリットがある関係です。当然、上場会社として意思決定は独立していますが、商売を一緒に進めていく部分は今でもあります。

質疑応答:賃上げ予定と優秀な人材の採用について

「平均年収は473万円ということですが、賃上げの予定はありますか? また、優秀な人材を採用するのが難しいイメージがありますがいかがでしょうか?」というご質問です。

賃金は、ここ1年でみなし残業の時間数を大幅に減らし、実質的にアップさせました。個人別評価で賃金を上げる施策もどんどん仕掛けています。

人材については、2022年に上場してからは比較的募集しやすくなったという環境にはあると思っています。また大きく賃上げしていかないと優秀な人材を採用するのは難しいと考えています。まさにおっしゃるとおりですので、これから会社で一生懸命稼いで、人件費を上げていけるようにがんばっていきたいと思っています。

質疑応答:配当方針について

「今後の配当還元方針について教えてください」というというご質問です。

6月に株主還元策の1つとしてQUOカードを出す株主優待制度を発表していますが、配当については現時点でまだ意思決定はしていません。株主還元策は、非常に重要な経営課題だと思っていますので、今後とも引き続き検討していきます。株主優待あるいは配当というかたちで株主のみなさまへの還元を今後とも検討していきたいと思っています。

質疑応答:事業環境について

「事業環境について率直な意見を教えてください」というご質問です。

トランクルーム事業自体は、矢野経済研究所のレポート等にもあるとおり、10年ぐらい前は400億円ぐらいだったのが、今は800億円ぐらいの市場規模になっています。2、3年後には1,000億円を超えると言われており、右肩上がりに伸びている状況です。建築費の高騰など私どもにとって非常に厳しい環境でもあります。しかし一方で、トランクルームの普及率を見ると、トランクルーム先進国のアメリカが約10パーセントです。10人に1人がトランクルームを使っているのに比べると、日本国内では全国平均で約1パーセントです。東京都内でも2.2パーセントから2.6パーセントぐらいだったと思います。2パーセント超の普及率となると、トランクルームを使われていないお客さまが、まだたくさんいらっしゃる状態だと思っています。

これから人口が減ってくるという大きなマイナス要因はありますが、ここは私どもではなく政府におまかせし、トランクルームの普及率が上がってくることに大いに期待しています。日本には四季があります。よって、扇風機とこたつを入れ替えたり洋服も夏物と冬物を入れ替えたりするなど、季節要因は必然的にありますので、トランクルーム事業自体はまだ伸びてくると考えています。

一方で事業者も増えており、特に、外資の進出が増えています。ライバル会社が増えてきていますが、外資から見た時に、まだ日本のトランクルーム業界が伸びる可能性がある証しでもあるため、私どもとしては、トランクルーム事業全体が伸びる中で、少しでもシェアを高めていけるように取り組んでいきます。決して事業環境が悪いということはなく、これからまだ伸びる可能性があると考えています。

質疑応答:IRの施策について

「依然として出来高が薄いと感じていますが、今後のIR施策等をどう考えていますか?」というご質問です。

一度株主優待を行った時はかなり株式の出来高が増えたのですが、最近は若干減ってきており時価総額も15億円程度と、まだ小さい会社です。これからもきちんとIR活動をしていく中で、株主のご理解を得たり実際に事業の実績をきちんと上げたりして、会社として大きくなっていかなければなりません。そのような中で出来高が増えていくように、私どもとしては事業をきちんと仕上げていきます。

新しいタイプのトランクルームも含めて新規事業等にも取り組んで、きちんと会社として業態を強くしていきます。その結果として出来高の増加を目指していきたいと思っています。IRについては、このような説明会を含めいろいろなかたちで情報発信していきたいと考えています。

質疑応答:ストレージ王の優位性について

「競合他社は多いように思いますが、ストレージ王の優位性を教えてください」というご質問です。

私どもが優位だと考えているのは、まずハードです。建物の品質の高さという部分が一番の強みだと思っています。もともとの親会社であるデベロップがコンテナだけでなく、コンテナ以外の在来工法の建物も建てられる建築会社ですので、建物やコンテナの性能については、非常に優位なポジションにあると思っています。

運営力、仕入開発力、物件売却力という3つの力のうち、仕入れについては上場したこともあり、信託銀行やこれまでお付き合いのある不動産業者からの情報がしっかり入ってきています。売却についても、いろいろな不動産投資家がリピートしてくださっています。メットライフ生命やストアハブなど繰り返し買っていただけるお客さまともしっかり商談ができている状況です。もちろんエリアリンク等に比べるとまだ規模は小さいですが、商品の中身は劣らないかたちでご提供ができていると考えています。

質疑応答:地方での需要について

「都内では需要が多いと思いますが、地方での需要はいかがでしょうか?」というご質問です。

都内の案件にも一生懸命取り組んでいますが、地方でのコンテナ案件も今期は23件以上と大きく増やしています。少し不思議なのですが、地方のロードサイドで出店するとかなり早く埋まるという私どものトラックレコードがあります。地方においても大きな荷物をしまえる場所は、非常に便利なのだと思います。

ご利用者である地方の工務店の例ですが、ご自宅の近くに資材倉庫があった場合、朝から資材の出し入れをすると、うるさくて迷惑になるということです。しかし、離れたロードサイドにあれば朝早くから荷物の出し入れをしても、音を気にしなくて済むと聞いたことがあります。このように、地方でもまだ需要があるため、当社だけでなく、同業他社も今出店をかなり強化しています。全国で1パーセントという普及率ですから、地方を伸ばすことによってまだ伸びると考えています。

質疑応答:業界全体の成長性について

「業界全体の成長性はいかがでしょうか?」というご質問です。

2、3年後には市場規模が1,000億円を超える状況の中で、業界としては年間4、5パーセントの比率で順調に伸びています。また私も今年の6月にレンタル収納スペース推進協議会「RSA」の理事に就任しました。業界としてもトランクルームの普及を推進しています。私どもの会社だけではなく業界全体として、需要を伸ばしていきますので、まだ伸びる余地があると思っています。

質疑応答:本社が市川にある理由について

「なぜ本社が市川にあるのですか?」というご質問です。

2007年に創業したデベロップは横浜が本社所在地でした。私どもが使っている建築用のコンテナは輸入商材ですので、日本の建築基準法に合うようにいろいろな海外の工場に技術指導しなければいけなくなりました。

2007年当時の国際空港としては、羽田がまだ使われておらず成田でしたので、東京地区にいらっしゃるお客さまへのアクセスも良く成田空港にも行きやすいということで、市川が非常に便利ではないかと路線図を見て選んだと聞いています。霞が関の官庁に行くときも新橋まで快速で20分程度です。また、今主力である栃木あるいは茨城へ行くにも圏央道や、さまざまな高速道路が充実しており、非常に便利な場所だと思っています。

質疑応答:機関投資家との面談について

「機関投資家と面談していますか? 面談ではどのような評価でしたか?」というご質問です。

面談はしています。まだ規模が小さく、機関投資家としては商い量がどんどん増え、もう少し大きくなってほしいというご意見をいただいています。私どもとしては一生懸命事業を積み重ねて、会社あるいは事業の規模をきちんと育てていき、お応えできればと思っています。

質疑応答:株価について

「株価についての意見を伺いたいです」というご質問です。

グロースやスタンダードの大型銘柄と比べると弱いのが実情です。今は800円超になっていますが、優待政策の前は500円程度で時価総額も10億円と非常に厳しい状態でした。今の時価総額は16億円になっていますが、グロースには10年以内に40億円超という基準もありますので、まだ育てなければならず、新しく事業に取り組んで、これから、さらに育てていきたいと思っています。今の株価については、残念ながらまだ厳しい状態だと思っていますので、引き続き投資家のみなさまのご理解を得たい考えです。

質疑応答:遊休資産活用におけるトランクルームの優位性について

「遊休資産の活用として住宅なら考えると思いますが、トランクルームにはどのような優位性があるのでしょうか?」というご質問です。

資産や商品としての劣化が非常に少なく、後々のメンテナンス費用が安いため、非常に安定した不動産商品となります。遊休資産をお持ちでしたら、ぜひご相談いただければと思っています。

質疑応答:土地仕入れ手法について

「個人から土地を仕入れるというお話がありましたが、営業しているのでしょうか? それともインバウンドで問い合わせが入ってくるのでしょうか?」というご質問です。

両方あります。開発要員は5人程度しかいませんので、いろいろなところを回って探してくるというよりは、地元の不動産業者からの情報や、私どものトランクルームを見かけて作ってみたいという土地を持っていらっしゃる方からの問い合わせを基に仕入れる状況です。

質疑応答:M&Aの検討有無について

「M&Aを検討していますか?」というご質問です。

いろいろ情報は入ってきますので、お話があれば当然検討したいと思っています。ただ相手のあることですので、良いご縁があればぜひと思っています。

質疑応答:金利上昇の影響について

「金利上昇の影響はありますか?」というご質問です。

当然のことながら、銀行借入により土地を仕入れ建物を建てていますので、影響はあります。ただ幸いなことに、融資金額の大きい屋内型の仕入れについては、1年以内でお返しするケースがほとんどですので、比較的金利上昇の影響は受けにくい、あるいは受けても小さいと思います。

しかし、上がることによって金利負担が増えるという影響はありますので、それを上回る利益を上げられるように土地の仕入れ等をがんばっていきたいと思っています。

荒川氏からのご挨拶

本日は、私どもの会社の説明から質疑応答までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。以上で、株式会社ストレージ王の2025年1月期第2四半期の決算説明を終了します。

投資家のみなさまにおかれましては、当社事業に引き続きご興味お持ちいただき、ご指導ご鞭撻いただければと思っています。引き続きどうぞよろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました。

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