フリービット、新中期経営計画『SiLK VISION 2027』を発表 「信用の所在地」を追求し、通信生まれのweb3実装企業へ

2024年8月27日 09:22

印刷

記事提供元:ログミーファイナンス

フリービット、新中期経営計画『SiLK VISION 2027』を発表 「信用の所在地」を追求し、通信生まれのweb3実装企業へ

フリービット、新中期経営計画『SiLK VISION 2027』を発表 「信用の所在地」を追求し、通信生まれのweb3実装企業へ[写真拡大]

新中期経営計画『SiLK VISION 2027』説明動画

石田宏樹氏:みなさま、こんにちは。フリービットCEOの石田でございます。本日は、新中期経営計画『SiLK VISION 2027』につきまして、ご説明させていただきます。

2021年から2030年にかけての10ヵ年計画

現在、我々は2021年から2030年までの10ヵ年計画の途上にあります。なぜ10ヵ年戦略かといいますと、通信やインターネットの仕組みが10年タームで大きく変化しているためです。

例えば、2G時代は携帯電話が出てきた普及期ではありましたが、この時の中心的・世界的なプレーヤーは、YahooとNokiaでした。

3G時代は携帯電話でインターネットが使えるようになりましたが、ここでのスーパースターは、「iモード」だといわれております。次の4G時代にはスマートフォンが登場して世界を一変させました。

これによってAppleやGoogleが作るスマートフォンが世界中で利用されるようになり、さらにはデータを使ってビジネスをするプラットフォーマーが生まれました。

我々はその次のタームである5G時代に向けて、プレーヤーが大きく変化することを想定し、この10ヵ年戦略を立てております。

まず、5G/web3が普及する前のプレ期には、今年4月末に終了した『SiLK VISION 2024』があり、これからご説明させていただく新中期経営計画『SiLK VISION 2027』は、完全な5G/web3の普及期となります。

アジェンダ

本日のアジェンダでございます。まず、今年4月末に終了した『SiLK VISION 2024』の成果につきまして簡単に振り返り、次に新中期経営計画『SiLK VISION 2027』の内容をお話しします。最後に、『SiLK VISION 2027』における業績目標、財務戦略、資本コストと企業価値を意識した経営について、ご説明させていただきます。

Decentralization(⾮中央集権化)

今年4月に終了いたしました『SiLK VISION 2024』を一言で表現すると、「Decentralization(非中央集権化)」をどのようにセットアップしていくのかという時代でした。

中央集権型巨大プラットフォーマーに集中が進むインターネット

現在、非常に便利な世の中になっておりますが、市場占有率、ブランド価値、時価総額までも、すべてが中央集権型プラットフォーマーであるGAFAへ非常に力が集まっている時代になっております。

その結果、個人情報やプライバシーに対する不安が生じて、優越的な地位を汎用することによりベンチャーが育ちにくくなったり、不公平な富の配分が行われたりしております。

最も大きな問題は、「フィルターバブル」でございます。基本的には情報が多くなりすぎたことによって、ほとんどが「オススメ」経由でしか情報に触れられなくなっております。

「オススメ」には、さまざまなフィルターバブルがかかっており、広告価値が高く、クリック・タップしやすい記事やニュースばかりが自分の周りに集まってくる状態になっております。人間の意思決定が徐々に変化し、操作されているような時代になっております。

我々はこの3年間、非中央集権化に向けてテクノロジーで対応することを追求してまいりました。

コンピュータの歴史

コンピュータの歴史につきましても、集中、分散を繰り返しております。2010年から2020年はクラウド全盛の時代といわれております。

ただし、コンピュータ処理能力が集中することによりまして、データセンターが不足したり、電力問題や個人情報漏洩のリスクが発生するなど、世の中が再度分散、web3と言われる時代に変化してきております。

我々は、2020年から2030年に関しまして、非中央集権化のプラットフォーム、中央集権型のプラットフォーマーに握られている世界を分散化させるべく邁進してまいりました。

Platformers Maker

世の中をもう少し俯瞰しますと、産業革命以降、続いてきた従来のものづくりの手法は、少品種・大量生産でした。このようなものでしか工業が動かないという時代があり、20世紀後半では、社会とイノベーションが硬直化しました。そしてインターネット、3Dプリンター、クラウドファンディングなどのExponential(非連続的)な技術が登場してきました。また、部品自体が低価格・高性能になってまいりました。

ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなどによりまして、まったく新しい「メーカーズムーブメント」が起こりました。例えば、民間による宇宙産業や自動運転車の登場、バイオテクノロジーによってこれまでとは異なるワクチンが短期間でできるという時代になってまいりました。

もう1つ、ITの世界では2020年から2030年までを「行動の10年」と呼んでおりますが、2050年に人口はピークを迎え、その時地球は人口を支えることができないといわれております。

そのために、持続的な社会を目指し、効率化を図らなければいけません。ITプラットフォーマーが持つ力は巨大なものになってきましたが、我々は、プラットフォーマーが力を持ち続けることに懸念が生じる時代になると、3年前に予測しておりました。

我々は、5G、SDGs時代の非連続な新しい技術の開発によって、ヒトだけではなくセンサーやモノまで含めた分散型のプラットフォームを数多く作り出し、それらを協調させて動かす丁寧な社会を作っていくといったビジョンを掲げました。

プラットフォーマーズメーカーとして、プラットフォーマーを作っていく企業体になろうということでスタートしたのが『SiLK VISION 2024』でございます。

トランスフォーメーション・ターム

これらを行うためには投資が必要です。そのために『SiLK VISION 2024』が始まる前の1年間をトランスフォーメーションタームとして、新しい投資ポリシーなど、グループ全体のポートフォリオの整理を行いました。

2021年4月期の進捗(グループ再編/投資の実行)

それが「SiLK Investment Policy」でございます。スライドには買収した企業群を記載しておりますが、これらとのデータ連携やトラストの仕組みを構築した後に、オンバランス化、オフバランス化について検討いたしました。

『SiLK VISION 2024』が始まる前のネットキャッシュマイナス約30億円、自己資本比率19パーセントから、この約1年から1年半の動きで大きく変化いたしました。

ネットキャッシュのポジションは約60億円の改善、自己資本比率は25パーセントまで高めた上で、『SiLK VISION 2024』はスタートいたしました。

フリービットグループの中⻑期の成⻑イメージ

既存事業の継続的課金でキャッシュを稼いでいる部分から、事業変更が必要なトランスフォーメーションゾーンやインキュベーションゾーンに再投資していくといった動きを徹底して行ってまいりました。

『SiLK VISION 2024』の3年間における主要3社の戦略投資額

主要3社における投資につきましては、3年間で約20億円の投資を行ってまいりました。先進的な技術開発はフリービット株式会社(以下、フリービット)が担当し、この期間中に完全子会社化した株式会社フルスピード(以下、フルスピード)では、新しいクリエイター事業に対して投資を行いました。

株式会社ギガプライズ(以下、ギガプライズ)は、マンションインターネット事業が完全な普及期にあったため、競合に勝つために事業拡大・創出に専念しながら、フリービット、フルスピードの2社によって、これから始まる『SiLK VISION 2027』で、さらに成長できるような領域に投資を行ってまいりました。

5G/web3 領域

この約20億円の投資の結果、まず5G/web3領域では、さまざまな成果を出しております。

B2B 販売プラットフォームも準備が進む

例えば、B2B向けのプラットフォームです。フリービット本体のビジネスはB2B2Xで、小口顧客への直接的なB2Bはほとんどありませんでしたが、大企業だけではなくスタートアップ企業や小規模な企業もサポートできるような体制を作るために、B2Bプラットフォーム「freebit Business」を立ち上げました。

その上で、「どこでもIP」といった、さまざまなIPアドレスを自由に使える仕組みや、スモールビジネスの方に対して、フリービットクオリティーのSIMが買えるようなサービスを展開してまいりました。

TONE Coin

web3の領域では目覚ましい成果を出しました。フリービットが作った新しいコンポーネントである「freebit web3 Blocks」です。こちらはさまざまなレイヤー1ブロックチェーンを、サーバーだけではなくスマートフォンでも動かせるという世界初の仕組みでございます。

「トーンモバイル」が展開しております「TONE Labo」の中で、世界初となるスマートフォンで動くレイヤー1ブロックチェーンサービスとして「TONE Coin」を展開いたしました。

TONE Coin、ユーザーのNode数のみで世界第3位規模に拡大

約2年間のノード数は、「イーサリアム」「ビットコイン」に続く世界第3位の規模に成長することができました。当時は、メディアや株式市場の方から「スマートフォン上でブロックチェーンが動くのか?」といった疑問をいただきましたが、我々は本当に実現いたしました。

この2年間で世界第3位の規模のレイヤー1ブロックチェーンを作ることができました。我々は、今後さまざまな選択肢を持つことができます。

例えば、「イーサリアム」上でプログラムを動かすために、年間2兆円がイーサリアム・ファウンデーションに支払われております。もし、我々がその1パーセントのシェアを獲得したらそれだけで200億円です。

そのようなビジネスにつきましては、現在検討中ではありますが、シードを作ることができたということでございます。

freebitのスマートフォンによる非中央集権化の取り組みの歴史

我々は、かなり前からスマートフォンを使って分散化を進める取り組みを行っておりました。世界初となるWebサーバーをスマートフォンで動かす「ServersMan」は、2009年の「App Store」のランキングで、日本でカテゴリー1位を獲得しました。

そして今回、レイヤー1ブロックチェーンの「TONE Coin」に加えて、さらには、今話題の生成AI自体をスマートフォン上で動かす技術。さまざまな情報をプロンプトしても、プライバシー情報がサーバーに伝わることなく安全・安心して使える「freebit Edge LLM」も開発できております。

Webサーバー、ブロックチェーン、LLM(大規模言語モデル)/AIは、インターネット期における三大発明といわれておりますが、そのすべてをスマートフォン上で動作させることに成功しております。

TONE

これらを普及させるために、「トーンモバイル」において、「TONE Labo」の加入が原則となりますが、「5Gスタンドアローン」といわれるような、次のフル5Gの仕組みを搭載した5G端末を税抜1万9,800円で販売することにも成功しております。

「TONE e22」端末に関しましては、大人気ですでに終売を迎えております。

端末の販路

ただ端末を作るだけではなく、販路としては、すべての「ドコモショップ」で、我々のSIMや「TONE」端末を取り扱ってもらうことで、この期間中に2,000店舗を超える販路を確保いたしました。

専用端末から「iPhone」にも対応し、今年5月には「ドコモショップ」で販売しているすべてのAndroid端末に対して、「TONE」のサービスを拡大しております。

TONE Labo(無料)

「ドコモショップ」「カメラのキタムラ」では、実際に「TONE Labo」として、先進的な健康サービスや「TONE Coin」のブロックチェーンサービスに加え、アンチフィルターサービスでございますが、共通IDでDIDといわれる分散型IDシステムのコアとなる実証実験を行うことができました。

「TONE Labo」によって、「TONE Coin」の世界第3位を実現できております。

TONE IN 戦略で、IoT等に幅広く展開

「TONE」は、端末数を増やしてきております。「TONE IN 戦略」ということで、あらゆるIoT機器で、「TONE」のさまざまなサービスが動作するようになっております。

これまで我々は1機種1プランというかたちであり、端末の在庫やバリューチェーンのリスクがありましたが、今ではあらゆる機器で動く仕組みを作ることができました。

クリエイターDX領域

続きまして、クリエイターDX領域でございます。クリエイターを支援する理由をご説明いたします。

世の中に対する影響力の変遷

IoTやモバイルが進化し、さらにはAIが出てくることで、もともと国家が持っていた影響力が、20世紀中盤から企業が持つようなかたちに変遷してグローバル展開してまいりました。

21世紀初頭からは、企業と並ぶような影響力を持つクリエイターがどんどん生まれてくるといわれております。

これまでのB to GovernmentやB to Corporateから、我々が世界規模でクリエイターを支えていく構造を作っていくということです。

例えば、ソニーではクリエイターにフォーカスしております。クリエイターのクリエイティビティを支えていくという方針を作られておりますし、我々もクリエイターが動くためのITプラットフォームをどのように作るのかにフォーカスしてまいります。

クリエイター⽀援サービスの課題とフリービットグループが提供できる価値

既存のクリエイターサービスは、あくまでインフルエンサーといわれるような方のマーケティング的な要素が大きかったのですが、我々はグループを挙げて、このようなところにブロックチェーンを使ったり、課金システムを導入したり、実際に運用したりと、クリエイターの活動を支援するため各種管理をしやすいプラットフォームの提供を行います。これらすべてをパッケージにして動かすということを、フルスピードを中心に展開しております。

B2C2Cへの参入

フリービットグループは、B2BやB2B2C/B、B2Cに対しまして、新しいカテゴリーであるB2C2C(Business to Creator to Consumer)というかたちのビジネスに参入してまいりました。

freebitグループは、クリエイター⾃⾝がプラットフォーマーであるべきだと考えています。

「プラットフォーマー」とよく言いますが、我々は、クリエイター自体がプラットフォーマーであるべきだと考えております。

クリエイターにファンが集まることで、それが1つのプラットフォームとしてさまざまな価値を作っているため、その還元は、クリエイターに対して行われるべきです。

プラットフォーマーに対する30パーセントの課金や、さまざまな約款による規制により、プラットフォーマーに吸い取られない状況を作ることを我々は重視しております。

StandAlone Building Blocks

フリービットグループのプロダクトである「StandAlone」プラットフォームでは、起業クリエイター一人ひとりが自立したプラットフォーマーとしてさまざまな活動を行っていくことができます。

簡易ライブやSNS投稿、チャット、物販などを行うためのさまざまな仕組みがあり、そこにはクリエイターが作った「独自規約」があります。独自規約があることで、例えばファンはクリエイターの行為に対しておおらかな感性を持ち、クリエイターは多くの表現ができるようになります。それをプラットフォーマーの一律のレギュレーションで縛るべきではないと考えております。

展開中のStandAlone⼀覧

これにより生まれてきたクリエイターのためのプラットフォームの一覧です。坂口健太郎さんや⾚楚衛⼆さん、山本舞香さんなど、さまざまな方がこのプラットフォームを使用することにより、自分自身がプラットフォーマーとして、ファンエコノミーを形成しつつあります。

フリービットグループの中⻑期の成⻑イメージ

フリービットグループでは『SiLK VISION 2024』におきまして、トランスフォーメーションゾーンとインキュベーションゾーンにさまざまな投資を行ってまいりました。当時はパフォーマンスゾーンしか存在していないような状態でしたが、この3年間の投資の結果、多くのシードを作り出すことができました。

フリービットグループの中⻑期の成⻑イメージ

医療からブロックチェーン、クリエイター、LLMに加え、ギガプライズと共同して、みなとみらいに新たな商業施設を作りました。

そこではショールームとして、5Gの実験をアルプスアルパイン株式会社(以下、アルプスアルパイン)と行っており、「どのような未来の車を作っていくのか?」といったような実験をスタートしております。

売上500億 営業利益50億

3年間の投資によっての多くのシードを作りつつ、事業的なミッションとしましては、売上500億円、営業利益50億円を目指して展開してまいりました。

中期経営計画『SiLK VISION 2024』3カ年の実績※GPG決算期変更影響除外

中期経営計画『SiLK VISION 2024』の3ヵ年の実績としましても、売上高・利益の目標を達成することができました。昨年の決算は13ヶ月の変則決算となっておりますので、発表したものはさらに大きな数字になっておりますが、12ヶ月の決算におきましても、達成率は売上高が102.6パーセント、営業利益が109.8パーセントとなりました。

SiLK Investment Policyに基づくグループとしての競争⼒向上

中期経営計画『SiLK VISION 2024』の3ヵ年の間には、ポートフォリオの組み換えや、資本的な施策を行いました。フルスピードは完全にオンバランス化していきました。

ビジネス的な環境変化としまして、サードパーティクッキーの廃止により、インターネットマーケティングが効かなくなるというのは周知の事実でございます。

それに対しまして、我々はクリエイター事業への転換やアフィリエイトの成長、フルスピードの優秀な技術チームの5G/web3への転換などに先行して取り組みました。

例えば現在、我々が新規で展開している医療法人との仕組みや、すでに展開している「フリービット株主DAO」のアプリは、すべてフルスピードの子会社であった株式会社クライド(以下、クライド)のメンバーがアセンブリを行う体制となっております。

ギガプライズに関しましては、決算期を統一して企業運営できるかたちとなっております。

アルプスアルパインとはこれまでEV(電気自動車)や将来の自動運転時代のサービス環境の共同開発で提携させていただいておりましたが、さらに昨年3月に資本業務提携を締結いたしました。

SiLK Investment Policyについて

このようなことにより、現在のネットキャッシュは45億円を超えて46億円近いプラスとなっております。自己資本比率に関しましても、フルスピードを完全子会社化した時にはやや落ち込んだものの、現在は30.5パーセントと健全な状態になっております。

SiLK Investment Policyに基づくグループとしての競争⼒向上

中期経営計画『SiLK VISION 2024』の3ヵ年の間に、グループ一体での運用ができるようになっております。

『SiLK VISION 2027』に向けてのSetupは順調に進捗

業績の達成、シード創出、ポートフォリオの改善が終了し、今年5月1日から『SiLK VISION 2027』がスタートしております。詳細を発表させていただきます。

全ての事業領域で破壊的な技術などによる影響を受ける可能性が高い

『SiLK VISION 2027』をスタートするにあたり、世の中を俯瞰して見直してみました。

スライドは、2021年7月に『SiLK VISION 2024』を発表した時の資料を掲載しております。フリービットはインフラとプラットフォームの両方を持った稀有な構造体の企業群でした。

ただし、「周辺にある多くの革命的な技術によって侵食される可能性が出てくるだろう」といったことも考えており、そのため、ポートフォリオの整理等、さまざまな対応を行ってまいりました。

全ての事業領域で破壊的な技術などによる影響を受ける可能性が高い

医療もどんどん変化してきており、インフルエンサーやサードパーティクッキー廃止等もさらに顕在化しておりますが、ポートフォリオの整理や、さまざまな技術開発を行うことによって、それらに対応してまいりました。

全ての事業領域で破壊的な技術などによる影響を受ける可能性が高い

プラットフォームはプラットフォームメーカーに、インフラは5G/web3/AIに対応するために、データセンター自体を作り直しております。

データセンターの作り直しに関しましては、コロナ禍によるバリューチェーンの混乱によって機材がなかなか入らず、『SiLK VISION 2027』に組み入れられているところもありますが、着実に対応してまいりました。

戦略投資とSiLK Investment policyによってリスクを乗り越えるシードを揃えてきた

戦略投資と「SiLK Investment policy」によりまして、リスクを乗り越えるシードを揃えてくることができたと自負しております。

さらに俯瞰して見ると

もう少し俯瞰して見てみます。

疫病/戦争/飢餓

スライドに掲載しておりますのは、ユヴァル・ノア・ハラリ(以下、ハラリ氏)の著書『ホモ・デウス』です。『SiLK VISION 2024』が始まる前の2017年に書かれたものです。

人類は、人類の中で一番問題といわれる「疫病」「戦争」「飢餓」を克服しつつあると書かれており、世界的な大ベストセラーになっております。

疫病/戦争/飢餓

この3年間、準備期間の1年を合わせると4年の間には、人類が長い時間をかけて克服しつつあったこの3つ(疫病、戦争、飢餓)がすべて起きております。

世界的なパンデミックの発生や2度の戦争がありました。これらの影響によりまして、飢餓まで起きております。たったこの4年間で、人類はこのような状況を迎えているということです。

Platformers Market

ドローン、AIなどの新しいイノベーションを生み出した技術が、戦争に使われてしまっております。

疫病/戦争/飢餓

自爆型ドローンや地上の無人兵器、ディープフェイクの氾濫やデジタルデバイド(情報格差)の拡大など、希望的な技術がこのようなかたちで使われております。

たった4年間でこのようなことが起きており、我々はこれを再度乗り越えていかなくてはいけないと考えております。ハラリ氏は楽観的に考えているわけではなく、「克服しつつあるこの3つを克服するためにはまだ足りないものがある」とおっしゃっています。

疫病/戦争/飢餓

「科学技術の進歩」「国際協⼒とグローバルガバナンス」「データとAIの利用」「社会的意識と倫理的枠組み」「経済的な安定と教育」といったことをきちんと進めていかないといけないとおっしゃっていましたが、テクノロジー不足もあり、この期間には間に合いませんでした。

”Trust(信用)” 通信やAIのトレーサビリティ、約束事の確実な実行が求められる

これからは、国や機関、技術を信じられるかという信用、通信やAIのトレーサビリティ、約束事などの確実な実行が求められます。

Platformers Market

これをどのようなテクノロジーで行っていくかつきましては、我々が提唱するweb3の「ヒトとモノとの分散型のプラットフォーム」となります。

Trusted Web

『SiLK VISION 2024』の期間中、我々が「Trusted Internet」と言っていたものが、日本政府によって「Trusted Web」という言葉にバージョンアップしました。

日本政府が世界に向けてサミットで話すような内容に変化してきており、「Made in Japan」において、我々がどのようなかたちで展開していくのか、貢献していくのかが重要なテーマになっております。

⽇本政府が推進する「Trusted Web」= 正しい(デジタル)情報の流通を推進するための戦略

日本政府が提唱する「Trusted Web」は、新たな信頼の仕組みが新たな価値を創出していくというもので、現在のweb2の世界にはそれが不足しております。

「Trust」を高める

実は、みなさまはほとんど考えられていないと思いますが、共通する課題があります。それは「インターネット上でやり取りしているデータ自体が本当に信頼できるのか」「途中で改ざんされていないのか」ということです。

加えて、web2の世界の中心には「データをやり取りする相手が本当に存在するのか」「相手にデータを提供して預けて大丈夫なのか」という課題もあります。

インターネットの構造自体を検証するものはほとんどありません。例えば、システムは、IDとパスワードのみでその人物を信頼します。web2の世界は、たった数文字を信頼することで成り立っております。

一方でweb3の世界は、「その人が本当に本人なのか?」というように、検証された領域を極限まで広げていきます。それによって、検証、確認しなくても信用できる領域を作っていきます。このような世界を実現していかなければなりません。

#01 特定のサービスのアカウントではなく、自らのアカウントによって、様々なWebサービスが使えるようになる

例えば、これまではユーザーが「サービスA」に入るためには、そこで入会手続きをして、個人情報を渡し、他のサービスに入る時もサインアップして個人情報を渡さなければいけませんでした。

「Trusted Web」の世界では、基本的にユーザーがすべて自分のアカウントをコントロールできるようになります。

個人のスマホへ格納

ユーザーがすべての自分のアカウントをコントロールできるということで、現在サービスサイドが持っているID・パスワードは、ユーザーのスマホにある電子財布(デジタルウォレット)にすべて格納されていきます。このように、新しいサービスを作る時に、ID・パスワードがユーザー側に渡されていく構造となります。

#02 信頼の証明が多様になる

もう1つは、「この人を信用する」という保証についてです。ユーザー情報や保有資格につきましては、現在はマイナンバー制度による政府の保証くらいしかありませんが、さまざまなところから証明書を発行できるようになります。

個人のスマホへさまざまなデータを格納

例えば、ID・パスワードだけではなく、診察券や問診のデータ等の医療データが個人のスマホのデジタルウォレットに格納されます。

運転免許証や保険証、ブロックチェーンのNFT(非代替性トークン)、理容師・美容師等の保有資格情報、学位や企業の在籍証明もすべてデジタルウォレットに格納されます。

現在、web2にあるID・パスワードがなくなり、例えば、あるサービスに入ろうとすると、サービス側から「個人のスマートフォンにこういう情報を持っているかどうか聞いていいですか?」とウォレットに聞き、スマホには「こういう情報を渡していいですか?」といったポップアップが出ます。自分が参照を許可した時のみ情報が渡されます。

医療に関する情報もスマホにありますので、例えば別の病院に行った時もそれを見せればよいということで、医療との連携もすべて簡単にできるような時代になります。こちらが分散型の仕組みです。

社会実装

我々は『SiLK VISION 2027』におきまして、web2とweb3の世界を対立軸にするのではなく、段階的・補完的に協調と調整をしながら、ハイブリッドでしっかりと社会実装していきたいと思っております。

フリービットグループの中⻑期の成⻑イメージ

我々が作ってきたシードは、すべて「Trusted Web」を考慮してベーシック設計がなされております。これらは改ざん不可能であり、個人の証明が取れて動いていきます。この3年間におきまして、グループを挙げてそのような世界を実現するための準備をしてまいりました。

信用の所在地

『SiLK VISION 2027』のテーマは信頼です。スライドには2年前に他界された、元ソニーCEOで、長きにわたりフリービットの社外取締役を務めていただいた出井氏の言葉を掲載しております。

2017年5月6日に出井氏の別荘で合宿した時に、2人で「これからの将来はどうなるんだろう?」「何が大切なんだろう?」と話した時に書かれたもので、ここからすべてがスタートしました。

SiLK VISION 2027

出井氏のご遺族の許可を得まして、『SiLK VISION 2027』のロゴに「信用の所在地」という出井氏の文字を追加させていただきました。

信用の所在地をしっかりと追求していくことが『SiLK VISION 2027』におけるビジョンとなっております。

SiLK VISION 2027 売上/利益⽬標

最後に『SiLK VISION 2027』における業績目標、財務戦略、資本コストと企業価値を意識した経営についてご説明させていただきます。

『SiLK VISION 2027』における売上高は630億円から700億円、営業利益は80億円を目指してまいります。ここからかなりのステップになります。

売上高に幅があるのは、ハードウェアかソフトウェアか、サービスか、どういうモデルかといった展開によって振れが発生してしまうためです。

手がける案件はすべて同じで、ハードウェアなどをかませると売上を伸ばせますが、サービスだけであればこの程度の金額になっていくと考えております。

営業利益は80億円を目指していきたいと思っております。

財務戦略(継続的成⻑のためのキャピタルアロケーション)

これらを実現していくための財務戦略、継続的成長のためのキャピタルアロケーションです。我々はこのキャピタルアロケーションをしっかりと行っていくことで、価値を作ってまいります。

まず、キャッシュインとしましては、3ヵ年で120億円以上の営業キャッシュフローを稼ぎ出す予定になっております。

この新たに稼ぎ出した120億円のキャッシュインを、まずは成長投資としてM&Aの資金枠や「SiLK Investment Policy」のほか、運転資金の拡大も含んだかたちの事業投資に対して75億円以上を投下していくというような目標になっております。

ステークホルダーのひとつである株主のみなさまに対しましては、配当と自己株式の取得を合わせたかたちで、30億円相当を投下していく予定になっております。

その他サステナビリティや人材教育などに対しましては、人的投資、内部留保などを含めて15億円程度の投下を予定しております。

成⻑投資(事業投資、M&A)

成長投資に関しましては、具体的には先ほどお伝えした既存事業とシードの部分に対しての成長を考えております。

既存事業に関しましては、最終年度の2027年4月期の売上高は2024年4月期比で110億円の増加の620億円、営業利益は19億円の増加の74億円を目指しております。

フリービットとしましては、5G事業の市場拡大に沿ったかたちで事業を展開してまいります。ギガプライズの既存領域としましては、Home IT事業でしっかりと勝ち切ってまいります。

株式会社フォーイット(以下、フォーイット)に関しましては、アフィリエイト事業を継続成長させてまいります。さらには別のかたちでの成長を考えております。

フルスピードに関しましては、インターネットマーケティング事業の生産性向上と新たな利益改善を進めてまいります。

新しいアップサイド施策としましては、売上高は2024年4月期比で約10億円から80億円、営業利益はプラス6億円というかたちで考えております。

フリービット、フリービットスマートワークス株式会社に関しましては、まだ発表はできませんが、価値創造委員会にてギガプライズとの新たな共同領域を作ってまいります。

新たなB2Bプラットフォーム、Platform Maker サービス、医療や自動運転、IoT領域を展開していこうと考えております。

「TONE」の株式会社ドリーム・トレイン・インターネットに関しましては、独自web3サービスの展開として、例えば「TONE Coin」「TONE Chain」等のIEOを検討に含めております。加えて、新型与信サービスとして新たなトラストのサービスも考えております。

ギガプライズに関しましては、全戸一括型の回線提供+αによって社会問題解決に対して挑戦してまいります。

フルスピードに関しましては、先ほど申し上げましたように、クリエイター支援事業の拡大に加えて、次のSiLK VISIONである『SiLK VISION 2030』では、積極的な海外展開を予定しております。

それに対する先行策としましては、フォーイットが代表してアジアを中心とした海外展開を行ってまいります。

クライドに関しましては、web3/AI領域、特にデジタルアイデンティティの領域に関して、社会実装におけるトップの技術を持つアセンブリ集団を目指して展開してまいります。

5G/web3 社会実装とステークホルダーの皆様への還元拡大

続きまして、株主還元でございます。こちらは、『SiLK VISION 2027』のpre1で以前発表しておりますが、そこでは社会実装とステークホルダーのみなさまへの還元拡大を掲げております。

前中期経営計画『SiLK VISION 2024』におきまして、株式配当は3.9倍、配当性向は1.9倍まで先行して上げさせていただいております。

加えまして、web3によるステークホルダーコミュニティというかたちで、新しい還元を発表しております。

従来の「ソブリン」と、web3⽂脈における「セルフソブリン」

こちらのスライドはweb3側から、新しい金融や社会システムに対して「ソブリン」という言葉を用いた表現について記載しております。

「ソブリン」とは、元々主権や統治権を意味しております。主権国家が管理する中央集権的な金融システムやエコノミーなど、現行のシステムを指す言葉として、web3では使われております。

管理主体は国家や大規模組織、データ所有権は中央機関に帰属しており、プライバシー侵害のリスクが常に出てきております。

例えば、民主国家ではない国家では、ITと組み合わせることにより大きな問題となっており、柔軟性は低く、セキュリティに対しましては、中央管理によるリスクが生まれてきております。

web3はこれをすべて自己主権型アイデンティティ、「セルフソブリン」のかたちで、デジタルウォレットを中心に金融や意思決定、データ管理等に展開してまいります。

我々はステークホルダー還元において、この双方をご用意しているとご理解いただければと思います。

配当による還元⽅針(従来型)

従来型に関しましては、先ほど申し上げましたように、株主配当を高めてまいりました。

配当による還元⽅針(従来型)

今後の配当に関しましては、2025年4月期は1株あたり30円を予定しております。

2026年4月期は、総還元性向25パーセントもしくは1株30円の大きいほう、2027年4月期は、総還元性向30パーセントを目指してまいります。

この還元につきましては、先ほどお伝えした「セントラルソブリン」、従来型の還元となります。

web3とは?

web3の「セルフソブリン」としましては、例えばweb1.0は「読む」、web2.0は「書く」インターネット、web3.0というのは「参加する」インターネットと言われております。

web3体験/コミュニティによる還元(セルフソブリン型)

そこで我々は今回「フリービット株主DAO」というアプリケーションをリリースさせていただきました。すでに多くの方に参加いただいております。

構造としましては、フリービットの株式を持っている方はフリービット株式と株式による議決権、そして「フリービット株主DAO」のアプリケーションへの参加権を持っております。

この権利を行使して参加することによってDeFiや新しいweb3の「セルフソブリン」の世界に入っていきます。

スライドには「フリービット株主DAO」のアプリケーションのトップ画面を掲載しております。こちらはデジタルウォレット(※)と、新しい「セルフソブリン」「オールドソブリン」の世界で、ポートフォリオが一覧できるようになっております。

※web3の「デジタルウォレット」の概念になぞらえてご説明しております。

例えば「TONE Coin」では、世界最先端のスマホマイニングへ株主のみなさまが参加することにより、その貢献に対する報酬として、獲得した「1コイン」が表示されております。

そして、このデジタルウォレットには、資格情報などのさまざまなNFTが入ってまいります。このアプリをインストールしますと、2024年4月末に締めた実際の株主名簿に基づき、その時点の株主のみなさまに対して資格情報のNFTが自動的にインストールされます。デジタルウォレットの中に「この株主さまである」といった資格情報が入っていることになります。

画像中央の株価は、「オールドソブリン」というかたちで可視化されております。

その下の数字は「TONE Chain」のノード数です。画像の数字よりも現在は増えておりますが、こちらは自分たちが使っているブロックチェーン自体の強度、堅牢性を表しております。

現在、世界第3位の規模ですので、その倍になれば「ビットコイン」を抜きます。約数十兆円、100兆円近い資産を動かしているブロックチェーンノードである「ビットコイン」を抜くことができるというわけです。

これらの権利をもって、株主NFTと掲示板のVC(資格証明)が入っていれば掲示板にアクセスすることができます。こちらでさまざまな会話をすることによってコミュニティに参加することができるという仕組みになっております。

このアプリ自体がデジタルウォレットになっており、「App Store」や「Google Play」からダウンロードし、作成されたIDパスワードがあると、それ以外に株主のVC、身分証明情報が入ってきます。

それによってこのアプリは認証しております。このようなかたちで展開される構造になっております。

web3体験/コミュニティによる還元(セルフソブリン型)

この仕組みに関しましては、世界初のステークホルダー向けの「web3スターターキット」ともいえるものですので、2024年4月末時点の株主のみなさまは、世界で唯一のweb3のフル経験ができるスターターキットを手に入れているということになります。

インターネットやAIに並ぶ世界初の発明であり、成長領域といわれておりますが、その理解・体験が極めて難しいといわれるweb3のほぼすべての側面の実体験が可能で、そしてマイニングまで参加できます。我々はそれをシーリングと言っておりますが、そのような体験ができます。

資本コストと企業価値を意識した経営

続きまして、資本コストと企業価値を意識した経営に関しましては、売上高当期純利益率、総資産回転率、ROE、その他においてもプライム市場の平均値を上回り、しっかりした結果を出してきております。今後はさらに資本効率を上げていきたいと思っております。

PERにつきましても、企業価値向上に向けて、重要な新しいチャレンジをしていきたいと思っております。

3年間でカテゴリーチェンジを実現し、通信カテゴリーから脱却し、「通信⽣まれの5G/web3/AI実装企業」というポジショニングを⽬指す

フリービットの株価につきましては、上下することもありますが、フリービット、ギガプライズともに、現在PER15倍から18倍で止まるといわれる通信カテゴリーに配置されていると、株式市場やメディアからみなされております。

ただし、「ChatGPT」などのAIで調べてみてください。フリービットの技術というのは、AIでは新しいweb3の技術として紹介されており、そのようなプロンプトで聞かれることが多いということです。社会の興味というのはそちら側に向かっております。

web3であると、PERは40倍から60倍、AIは35倍から75倍というかたちになっております。最終利益に対してPERをかけたものが時価総額となりますので、利益の何倍分の価値を市場から期待されているかということになります。

例えば我々がAIにカテゴリーチェンジできたら、中期経営計画『SiLK VISION 2024』の最終利益を掛け合わせただけでも、時価総額は2,400億円になるということです。

⾼PER化(通信事業からの脱却)

これまでのシードを使って、通信生まれからweb3やAIなどの得意な領域に対してチェンジし、そのような期待値をどのように作っていくのかということが重要だと考えております。

SiLK VISION 2027 売上/利益⽬標

『SiLK VISION 2027』におきましては、これらを進めてまいります。

通信⽣まれのweb3(5G+AI) 実装企業となり、SV2030へ︕

最後にまとめです。『SiLK VISION 2027』では信用の所在地、信用を社会実装していくというような企業グループを目指してまいります。事業成長に対してキャッシュアロケーション、成長投資領域をしっかりと設定した上で、3年間を爆走します。

加えて、カテゴリーチェンジです。これらを通じまして、通信生まれから新しいカテゴリーにチェンジすることで企業価値向上を目指してまいります。

企業価値向上により、ステークホルダーである株主のみなさまだけではなく、社員やお客さま、さらには社会への還元ということで、我々は通信生まれのweb3実装企業となり、次の『SiLK VISION 2030』へ進んでいきたいと思っております。

社会実装

生み出した価値をグループ全体として社会実装してまいります。

価値創造委員会

ギガプライズとの取り組み、価値創造委員会にはギガプライズ前CEOの梁瀬氏もおり、新しく事務局長となった柴⽥氏はNTTグループにおいて若くしてドローンのビジネスを立ち上げたメンバーです。

web3に加え、これから我々が作っていく通信から新しいカテゴリーへのチェンジというところで、柴田氏がフリービットグループにジョインしまして、事務局長として活躍していただくかたちとなっております。

これらの社会実装によって、21世紀の問題をしっかりと解決していきたいと思っております。

以上、『SiLK VISION 2027』につきましてご説明させていただきました。ありがとうございました。

動画内での下記表現に関する補⾜事項

関連キーワード

関連記事