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マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか? (5) 「出来ない理由」は解決すべき問題
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■「出来ない理由」は解決すべき問題
カルロス・ゴーン元日産会長が日産に赴任して数年後、『日本人は出来ない理由を述べるのがうまい』と、日本社会の現状を皮肉たっぷりに述べたのが今でも印象に残っている。
【前回は】マツダ、ホンダ、日産、生き残れるのか? (4) 新車販売台数から見える格差拡大
半世紀ほど企業経営をしてくると、「先の読めない者は没落する」との格言が常に頭によぎって離れない。「今は良いが、この先は?」と考えていても、今回の新型コロナウイルス感染拡大を想定できていた経営者は、まずいないであろう。
そうやって先の目標を定めて努力している時、社員が「解決すべき問題点」を「出来ない理由」にして主張した時が一番つらいものだ。問題がある上に、一緒に努力すべき社員を、反対に前進するよう説得をする手間と努力があると大きな負担となるのだ。
■「あんどん」が胆
そのため、常日頃から「ガバナンス」の在り方を工夫することとなる。トヨタでは「カイゼン」活動を通じて、全社員の方向性を揃えていくこととなる。
この作業は、社員全員に対して気持ちを前向きにする作業であり、努力する方向性を揃える作業のため多くのパワーを必要としている。またトップの姿勢が最も重要となる。
品質の問題を起こすことは、完璧には防げない。そこで問題が出てしまった時の動作が問題となる。トヨタでは「あんどん」と呼ばれる社内暗号のことだ。このシステムの存在の重要性に気付いていなかった経営者としてカルロス・ゴーン元日産会長の名もあがる。現在のホンダの経営陣にも、当然だが当てはまる。品質問題を起こしていた当時のスバル経営陣にも当てはまるのだ。
豊田章男社長を始め、各社の社長の顔には、疲労の色が見えている。2020年3月期の決算発表の中では、ソフトバンクの孫正義社長の顔に、最も濃く出ているようだ。どれほどつらくても、社員の意思を前向きにしないと、役所の連絡手段のように「FAXで集計していました」などと言った事態が突然出てくる。
これを民間企業で犯したならば、存続にかかわる問題が潜んでいるということだ。まともな経営者ならば「青くなる」瞬間だ。行政組織のガバナンスのレベルは大変心配なのだ。指導者は苦労しているのであろうが、日頃の努力の方向性が違っていたのだ。しかし、100%読み切ることもまた不可能だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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