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現会長:福田武が起業した、日本管財HDの昨日・今日・明日
日本管財ホールディングス(東証プライム。以下、日本管財HD)。2023年4月、日本管財が持株会社に移行。ビル・マンション・公共施設などの清掃・警備など総合管理で実績を積み重ねている。
【こちらも】建物総合管理大手:日本管財は創業者会長の実体験が生みの親
創業は1956年。現代表取締役会長:福田武氏の手で産み落とされた。福田氏は学生時代に、ビル管理会社でアルバイトをしていた。思った。「ビル管理と一口に言っても、掃除にはじまり多種多様。それを別々の会社が担っていた。まとめた方が効率的だろう」と。
そんな起業家スピリットが、今の斯界最大手の存在に繋がっている。持株会社化もあり昨今ではTVCMも目にするが、そもそも「地味」の2文字がフィットする企業だ。
収益動向も手元の四季報の業績欄の見出し、【堅調】そのもの。前3月期の「9.0%増収、11.2%営業増益、54円配」に続き今3月期も、「4.9%の増収(1186億円)、3.1%の営業増益(86億円)、54円配」計画。前3月期の業容状況に関しては連結仕様に置き換えて説明しているが、主軸3事業に関してはこんな具合。
★建物管理運営事業: ビル管理業務&保安警備が2本柱。新規管理案件受託・契約更改が堅調。前年度比7.9%増収。人件費や外注費上昇も料金改定やコスト削減で、セグメント利益は7.4%増。
★住宅管理運営事業: 公営住宅管理で修繕業務が増加し、12.0%増収。継続的なコスト削減効果で7.8%増益。
★環境施設管理事業: 上下水道処理施設など生活環境における公共施設管理事業が好調な契約更改や、受注自体の堅調で、12.0%増収。資源価格高騰の影響も適正な人員配置などのコスト削減で、7.4%増益。
増収率に対し増益率が低めに・・・という点を斯界に明るい記者は、「実績・歴史/オーナーの安心の裏返し。むしろ強み」と説明する。
では一体、どのくらいの物件の管理をしているのか。IR担当者は「マンションの場合日本管財グループ3社の合計で、10万522戸。非マンションの場合は棟数でカウントするのは難しくなっているが、弊社のDr.sumというシステムで検索すると日本管財で約4700棟というデータが出てくる」とした。
実は日本管財HDを初めて取材したのは、日本管財時代のかれこれ一昔前以前。その時に感心したのが「清掃スタッフは全員、正社員」という話だった。今はどうなのか。「直営の場合は、病院清掃などは自社雇用の正社員及びパート。協力会社を使う場合は、所有者(管理者)等の承諾を得て協力会社に再委託という方法で対応している」(IR担当者)という。今でも十分に働くスタッフへの配慮が感じられた。
持株会社化を機に日本管財HDでは内外を問わず(現状でも豪州・米国に計3拠点を展開)、M&Aや提携で周辺業務の拡大。学校や公民館、音楽ホールなどの包括管理の自治体への提案。清掃・警備にロボット導入などを打ち出している。
更なる業務拡大の動向に、注目したい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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