相場展望11月2日号 米国株は次期大統領決定まで、『下放たれ』警戒? 日本株は欧米株の下落にどこまで耐えられるか

2020年11月2日 08:24

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■I.米国株式市場

●1.米株式市況の推移

 1)10/29、NYダウ+139ドル高の26,659ドル
  ・アップルなどハイテク株が業績期待で買われ、市場を牽引した。
  ・4日間で▲1,844ドル安だったこともあり、反発しやすい状況にもあった。

【前回は】相場展望10月29日号 バイデン勝利は、増税回避で株式は売られやすい 日経平均にも異変の兆し

 2)10/30、NYダウ▲157ドル安の26,501ドル
  ・アップルが下げ主導し、GAFAのうち、AFAが下げ牽引、ツイッター、テスラ、スナップチャットなどハイテク株が下落

●2.米株主要指数の下落率(直近の高値10 /12と比較)

 1)米国株式は10/12高値から、各種イベントの先行きを懸念して身構えている。
  NYダウ    ▲8.10%
  ナスダック総合 ▲8.12%
  SP500     ▲7.98%
  SOX指数   ▲7.69% (半導体株式指数)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
  日経平均    ▲2.93%  10/19比
  TOPIX      ▲3.54%   10/19比

●3.NYダウは、チャート上でダブルトップを形成し、先行き「下放れ」を警戒?

 1)NYダウは、9/3高値29,199ドルと、10/12高値28,957ドルと、ダブルトップを形成し調整のサインを出し、その後は下落。さらに、52週移動平均線26,600ドルを、10/3終値26,501ドルと下回った。

 2)ナスダック総合指数は、10/30終値10,911と反落し、75日移動平均線11,134を大きく割り込んだ。

 3)VIX恐怖指数は10/28最近高値40.28を付け、10/30に38.2と若干下がったが、依然として高値警戒水準にある。

 4)下落の要因は、(1)大統領選挙の不透明感 (2)コロナ感染拡大 (3)追加経済対策決まらず、にあると考えられる。次の転換点は大統領選挙イベント(11/3投票)後の大統領決定で、それまで様子見が続くと考えられる。

 5)なお、過去の事例では、次期大統領決定後の約半年間はハネムーン期間と評されるように米国株価は上昇する確率が高い。

●4.米7~9月期国内総生産(GDP)は前期比+33.1%(年率)上昇と景気後退脱出か(フィスコ)

 1)米商務省10/29発表、政府が統計開始した1947年以来最大の伸びを記録した。(ロイター)
        4~6月   7~9月 (前期比・年率)
   GDP    ▲31.4%  +33.1%  
   個人消費  ▲33.2    +40.7

 2)米労働省発表の、週次新規失業保険申請件数は前週比▲4万件減の75.1万件と3月中旬以来で最小。

●5.米商務省10/30発表、9月個人消費は前月比+1.4%増(予想+1%)、個人所得+0.9%増(時事) 

●6.WTI原油価格は下落

 1)10/29、36.17ドル/バレル

●7.企業動向

 1)ボーイング   2021年末迄7,000人追加し計3万人の人員減見込む(ブルームバーグ)。7~9月期決算の純損益▲4.66億ドル(約▲485億円)の赤字。
 2)フォード    7~9月期決算は前年同期比で売上+1.4%増収、純利益5.6倍の23.8億ドル。ピックアップトラックとSUVの販売好調。(レスポンス)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)10/29、+3高の3,272
  ・小幅高。

 2)10/30、▲48安の3,224
  ・中国の国有5大銀行は7~9月期減益、不良債権増大の恐れ(ロイター)
  ・欧米の新型コロナ感染再流行で世界経済の回復遅れが、中国にも飛び火するとの警戒感がくすぶった。(亜州リサーチ)加えて、米大統領選前の様子見も強まった。

●2.中国景況指数10月、2カ月ぶり小幅低下も、回復基調は維持(時事通信)

 1)中国国家統計局10/31発表、10月製造業購買担当者景況指数(PMI)は51.4、前月を▲0.1下回った。

 2)ただ、景気の分岐点50を8カ月連続上回り、中国経済の回復基調を維持している。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)10/29、日経平均は▲86円安の23,331円
  ・NYダウ▲943円安を受け、一時▲200円程度の安となったが、押し目買いとともに日銀によるETF701億円の買いが入り、下げ幅を急速に縮小した。

 2)10/30、日経平均は▲354円安の22,977円
  ・欧州で外出制限等の動きが相次ぎ、米株価指数先物の下落もあり、日経平均は大幅安。  
  ・5日間連続下落で下落幅は計▲539円となった。

●2.日本株式は、欧米株の下落にいつまで耐えられるのか?

 1)米国株は直近高値からの下落率は概ね▲8%程度に対し、日経平均は▲3%前後と耐えている。

 2)日経平均が米国株と比べると堅調な要因
  (1)中国経済回復の恩恵で、企業業績が持ち直しを見せている。
  (2)世界の自動車生産・販売が復調傾向にある。
  (3)新型コロナ感染は、欧米と比較して落ち着きが見られる。

 3)欧米の新型コロナ感染再拡大の影響と、冬を迎える日本でも再拡大が確認されると、経済下振れが意識され日本株式も下落懸念が出てくる可能性がある。

●3.株式関連の状況

 1)外人先物手口の買残高が大幅減少(売り転換)
  ・10/21 235,669枚 ⇒ 10/29 208,863枚(▲11.4%減) 日経平均▲308円安
 
 2)日銀ETF
  ・10/28、29、30と3日間連続で計2,103億円の買い支え出動。

 3)年初来高値・安値銘柄数では、安値銘柄数が上回る状況へと変化し弱含みに転換。

 4)恐怖指数が警戒水準に上昇
  ・日経平均VI指数 10/22 22.03 ⇒ 10/30 30.45

●4.企業動向

 1)ニトリ    島忠の全株取得へ10/29決定、DCMに対抗(時事通信)
 2)キオクシア  先端メモリ増産で、1兆円投資で四日市工場拡張(時事通信)「5G」需要拡大のため、2022年中の生産開始予定。
 3)デンソー   9月中間期決算▲711億円赤字。自動車販売落ち込み。(共同通信)
 4)ファナック  通期営業利益を従来予想の2倍以上の+854億円に上方修正。(ロイター)

■IV.注目銘柄(株式投資は自己責任でお願いします)

 ・6258 平田機工    利益好調。
 ・6289 技研製作所   防災関連で、政府第3次補正予算に期待。
 ・1721 コムシス    5G工事に期待。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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