トヨタとスズキ、拡がる提携 新パワートレーン開発にデンソー参画

2018年5月29日 11:15

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記事提供元:エコノミックニュース

2016年10月12日、トヨタ自動車の社長である豊田章男氏とスズキ自動車の会長・鈴木修氏が「協力関係の構築に向けた検討を開始する」と共同記者会見を開いた際のショット

2016年10月12日、トヨタ自動車の社長である豊田章男氏とスズキ自動車の会長・鈴木修氏が「協力関係の構築に向けた検討を開始する」と共同記者会見を開いた際のショット[写真拡大]

 トヨタ自動車およびスズキは、2017年2月6日の業務提携に向けた覚書締結以降、さまざまな具体的協力を進めてきた。

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 これまでインドにおける車両の相互供給などについて公表してきたが、それ以外にも生産関連、市場開拓関連など検討の幅が拡がりつつある。先般、開発・生産・市場開拓の分野で、新たな共同プロジェクトの協議を開始することで合意した。具体的な協議内容は以下のとおり。

 まず、スズキが主体となって開発する小型超高効率パワートレインに対し、デンソーとトヨタが技術支援を行なう。また、スズキが開発した車両をトヨタキルロスカ自動車(TKM)で生産し、トヨタ・スズキの両ブランドでインド国内において販売する。

 上記TKM生産モデルを含むスズキの開発車両を、トヨタ・スズキ両社がインドからアフリカ市場向けなどに供給し、それぞれの販売網を活用して販売する。同時に物流・サービス領域の協業を進める。詳細については、今後協議していく。

 2016年10月12日、突然の発表だった。トヨタ自動車の社長である豊田章男氏とスズキ自動車の会長・鈴木修氏が共同記者会見を開いた。

 そこで両社は、「協力関係の構築に向けた検討を開始することを決定した」と発表したのだ。が、そこには具体的な内容はなにもなかった。次世代のエコカー環境技術や自動運転技術などの開発などで業務提携を検討するということだけを公表した。

 その後、2017年2月6日の業務提携に向けた覚書締結以降、「環境技術」「安全技術」「情報技術」「商品・ユニット補完」など広範協業の実現に向けた検討を具体的に進めてきた。その一環として2017年11月に、インド市場に2020年頃に電気自動車を投入するための協力関係構築に向けて検討を進めることで合意している。両社の商品ラインアップを強化しつつ、インド市場における販売競争の活性化に向けて、ハイブリッド車やコンパクトカーなどの相互供給を行なうことに合意していた。

 今回の発表は、両社の協働が具体的に進展していることをアピールしたものといえる。(編集担当:吉田恒)

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