相場展望7月2日号 米国株:7/1、米国主要株価指数は反落、AI・半導体株が大幅安と牽引 日本株:値動き荒く、朝大幅高⇒大きく売られる展開続く

2026年7月2日 15:40

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米国株:7/1、米国主要株価指数は反落、特にAI・半導体株が大幅安と牽引
日本株:値動きが荒く、しかも、朝大幅高⇒大きく売られる展開が続く

■Ⅰ.米国株式市場

●1.NYダウの推移

●1)6/30、NYダウ+136ドル高、52,319ドル (日経新聞)

・6/30の米国株式市場でNYダウは前日比+0.26%高と続伸した。
連日で最高値を更新した。
人工知能(AI)・半導体関連株などを中心に買いが優勢だった。

・AIインフラ投資拡大の恩恵を受けるキャタピラーやエヌビディアが買われた。
NYダウの構成銘柄ではないが、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やインテルといった半導体株、KLAなどの半導体製造装置株などへの買いも目立った。

・前週にはAI投資の持続性や投資収益率(ROI)を巡る懸念で半導体を含むテック株が全般に弱含む場面があったが、今週に入って成長期待などから改めて持ち高を増やす動きがみられる。

・四半期末で一部の機関投資家が運用成績を良く見せるための「お化粧買い」を入れたとの指摘もあった。
 「米国超大型ハイテク株『7社』は売られ過ぎた」との声が強まっており、アップルやアルファベットなど巨大テック株にも見直し買いが入った。

・NYダウは寄り付き直後に下げる場面があった。
 ディフェンシブ株の一角などに利益確定や持ち高調整の売りが出た。
 米国とイランの戦闘終結に向けた次回協議の日程が定まらないなど中東情勢を巡る不透明感が相場の重荷だった。
 米国長期金利が上昇(債券価格は下落)し、株式の相対的な割高感も意識された。

・その他のNYダウの構成銘柄では、ハネウェル・テクノロジーズやウォルト・ディズニーが売られた。
 コカ・コーラやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)なども下げた。

・NYダウは4~6月に+5,977ドル(+12.8%)上昇した。
 上昇率は四半期として2022年10~12月期以来の大きさだった。

・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比+1.52%高と続伸した。
 アナリストが目標株価を引上げたAMDが上昇した。
 ナスダック総合は四半期で+21.4%上昇し、上昇率は2020年4~6月期以来、6年ぶりの大きさだった。

・半導体関連は全般に物色が活発で、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+4%近く上昇した。
 四半期では+87%上げ、QUICK・ファクトセットで遡れる1994年7~9月期以降で最も大きかった。

・多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は前日比+0.79%高の7,499で終えた。
 4~6月期の上昇率は+14.8%と四半期として2020年4~6月期以来の大きさだった。

●2)7/01、NYダウ▲13ドル安、52,305ドル (日経新聞)

・7/1の米国株式市場でNYダウは前日比▲0.02%安と、3営業日ぶりに反落した。
 人工知能(AI)・半導体関連株が大幅安となり、投資家心理の重荷となった。
 前日に最高値を付けるなど高値警戒感が意識され、持ち高調整の売りも出た。
 一方、米国連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退したことが相場を支えた。

・NYダウの構成銘柄ではないが、マイクロン・テクノロジーやインテルなど半導体株が大幅安となった。
 年前半に急騰していたAI関連や半導体株に持ち高調整や利益確定目的の売りが広がり、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は▲6.2%安と急落した。

・メタプラットフォームズがAI向けの計算資源を外部提供する事業の立ち上げを検討していると伝わった。
 「ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)によるAI投資が過剰との思惑が浮上し、半導体株の売りを促した」との声があった。
 収益が改善するとの期待でメタプラットフォームズは大幅に上昇した。

・一方、NYダウは+400ドルあまり上昇する場面があった。
 FRBのウォーシュ議長は7/1、欧州中央銀行(ECB)主催の「ECBフォーラム」の討論会で「議長就任後の4週間で、インフレ期待やインフレリスクが低下した」との認識を示した。
 FRBは利上げを急がないとの思惑が高まって、株買いを促した。
 株価上昇が目立っていた半導体株を売り、他の出遅れ銘柄に資金を振り向ける動きもみられた。

・NYダウの構成銘柄では、キャタピラーやウォルマート、メルクが下落した。
 エヌビディアやスリーエム(3M)も売られた。
 半面、アナリストが投資判断を引上げたセールスフォースや、前日に四半期決算を発表したナイキが上昇した。
 マイクロソフトやアメリカン・エキスプレスにも買いが入った。

・ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は前日比▲0.66%安の26,040と、3営業日ぶりに反落した。
 メタプラットフォームズがAIインフラ事業への参入を検討しているとの報道で、新興クラウド事業者のコアウィーブやネビウス・グループが急落した。
 アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やアーム、サンディスクも大幅安だった。


●2.米国株 : 7/1、米国主要株価指数は反落、特にAI・半導体株が大幅安と牽引した


●1)7/1、米国主要株価指数は反落、特にAI・半導体株が大幅安と牽引した

⑴主要株価指数の動き
NYダウ ▲0.03%安
ナスダック総合  ▲0.66
ナスダック100  ▲1.54
S&P500種    ▲0.21
半導体株(SOX) ▲6.28

⑵AIへの巨額投資への視点が「期待から収益へ」転換
・巨額のAI投資が主導して株高を誘導してきた。
 しかし、投資家の関心は「巨額投資が収益に寄与するか否か」に向けられてきた。
 その不安心理が、高騰したAI関連株の持ち高調整の売りにつながった可能性がある。

●2)スペースXの株価

⑴スペースXの上場来の株価
  ・6/12   160.95ドル  新規上場、公募価格135ドル比で+19.2%高
   6/15   190.50前日比+19.6%高
   6/16 201.80  +4.8%、株価上昇に勢い弱まる
   6/17   191.82▲ 4.9%安
   6/18    185.00   ▲ 3.5%安
   6/22    154.60    ▲16.4%安
   6/25153.00   上場来の最安値  
   6/29   164.19 6/26比で+7.17%高
   7/01    157.546/30比で▲13.32%安

⑵スペースX株価が正念場を迎えつつある。
・超大規模の株式新規上場となったスペースXも、上場来高値から下落し、現在は小康を
 保っているが、今後の売り圧力に注目したい。
・ジャスダック100に採用が予定されており、買いが増えると見込まれる。
 一方、売り規制が緩和されるため、従業員などからの売りが増える。

●3)NYダウはチャートでは「モメンタム(勢い)に陰り」を示唆

・特に、フィラデルフィア半導体株(SOX)のチャートは、リスキーな感じが伺える。
・NYダウは、上昇幅が縮小しており、モメンタムに課題が浮上してしている。
・オープンAIの超大型株式公開(IPO)の先送り報道もあり、楽観できず。


●3.出生地主義制限の米国大統領令は憲法違反、不法滞在の子にも市民権、米国最高裁 (時事通信)


■Ⅱ.中国株式市場

1.上海総合株価指数の推移
1)6/30、上海総合+20高、4,094   (亜州リサーチ)
・6/30の中国本土マーケットで上海総合指数は、中国景況感の改善が相場を支える流れとなり、前日比+0.50%高と続伸した。

・寄り付き直後に公表された今年6月の製造業PMIは50.3と、市場予50.1を上回り、非製造業PMIも50.2と予想の49.9を上回った。

・当局の産業支援スタンスもプラス。
 李強首相は6/29に開いた国務院常務会議で、「人工知能(AI)産業を支援し、それを幅広い産業で活用する『AI+』を推し進める」と強調した。

・ただ、上値は限定的だった。
 資源相場の軟調が重しだ。
 6/30の上海期貨交易所(上海先物取引所)でアルミ先物が安く推移しているほか、昨夜のNY金先物は3日ぶりに反落した。
 原油相場は今月の安値圏で推移している。
 株価指数は安く推移する場面もあった。

・業種別では、
 ハイテクの上げが目立つ。
 宇宙・軍需産業も物色された。
 自動車、不動産なども買われた。
 半面、非鉄や産金、石炭・石油など資源は冴えない。
 金融、消費、医薬も売られた。

2)7/01、上海総合+18高、4,112   (亜州リサーチ)
・7/1の中国本土マーケットは主要指標の上海総合指数が前日比+0.44%高と、3日続伸して終えた。

・中国景気の改善が、引き続き相場を支える流れとなった。
 心理的節目の4,100を回復して取引を終えた。

・民間が集計する6月のRatingDog中国サービス業PMIが取引時間中に公表され、51.7と市場予想51.6を上回った。
 前月実績51.8を下回ったものの、景況判断の境目となる50を7ヵ月連続で超えた。

・業種別では、
 バイオ医薬の上げが目立つ。
 金融も高い。
 半面、ガラス関連が冴えない。
 電器、発電設備、電子情報、非鉄金属も売られた。


■Ⅲ.日本株式市場


●1.日経平均の推移

●1)6/30、日経平均+594円高、70,062円 (日経新聞)

・6/30の東京株式市場で日経平均は前日比+0.86%高と続伸して終えた。
 7万円台で終えるのは、3営業日ぶりとなる。
 6/29の米国ハイテク株高を受け、投資余力を高めた海外投機筋による株価指数先物への断続的な買いが日経平均を押し上げた。
 東京エレクトロンやキオクシアなどの人工知能(AI)・半導体関連銘柄の上昇が目立った。
 日経平均の上げ幅は+1,100円を超える場面があった。

・6/29の米国株式市場では、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が+2%高、
 主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は+3%強上昇した。
 この流れを受け、東京市場ではフジクラやイビデンなどが買われた。

・日経平均は寄り付き直後に上げ幅を+1,000円強に広げた後、急失速して+200円近くまで下落する場面があった。
 6月は半期末と四半期末が重なる月で、今日は月末の取引最終日に当たる。
 4~6月期は日本株相場は大きく上昇しており、機関投資家などによるリバランス(資産配分の調整)目的の売り圧力が強まったとの見方があった。

・6/30午前の東京外国為替市場で、円の対ドル相場は約39年半ぶりの安値水準まで下げた。
 だが、政府・日銀による円買いの為替介入が意識され、トヨタやSUBARUなどの輸出関連株を買う動きは限られた。

・6月の日経平均は+3,732円(+5.62%)高と3ヵ月連続で上昇した。
 「AI・半導体銘柄への資金流入、政府による総額370兆円超に及ぶ官民投資計画、インフレ経済の定着期待などが相まって日経平均の上昇が続いた」との指摘があった。

・東証株価指数(TOPIX)は+0.32%高と続伸した。
 JPXプライム150指数も+0.42%高で終えた。

・東証プライムの売買代金は概算で10兆8,307億円、売買高は23億4,571万株だった。
 東証プライムの値上がり銘柄数は526、値下がりは1,002、横ばいは31だった。

・個別銘柄では、村田製作所や太陽誘電などの電子部品株が買われ、信越化学やキーエンスも上昇した。
 一方、ファーストリテイやニトリは売られ、中外薬や塩野義は下落した。

●2)7/01、日経平均+412円高、70,474円  (日経新聞)

・7/1の東京株式市場で日経平均は前日比+0.59%高と、3日続伸して終えた。
 前日の米国ハイテク株高を受けて、人工知能(AI)・半導体関連株に買いが優勢となった。
 日経平均は一時+1,900円上昇したものの、高値では利益確定売りに押され、上げ幅を+60円ほどに縮める場面もあった。

・半導体製造装置の東京エレクトロンを筆頭に、イビデンや太陽誘電といった電子部品株への買いが目立ち、日経平均を押し上げた。
 前週にはAI投資の収益性を巡る不安から国内外で関連株は軒並み下げていたが、6/30の米国株式市場ではハイテク銘柄が牽引する形でNYダウが連日で最高値を更新した。
 東京市場でもAI・半導体関連株に再び買いの勢いが増した。

・日銀が7/1発表した、6月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)が大企業・製造業で市場予想を上回り、8年3ヵ月ぶりの高水準となった。
 AI需要の拡大で企業の景況感や設備投資が上向いていると受け止められたことも関連株の買いを誘った。

・朝方の買いが一巡すると、日経平均は急速に上げ幅を縮め、午後も上値の重い展開となった。
 半導体株の比重が大きく、日経平均と連動性を高めているとされる韓国総合株価指数(KOSPI)が下げ幅を広げる局面で、日本株にも利益確定売りが増えた。
 日本時間7/1の取引で、米国株価指数先物が軟調に推移したのも相場の重荷となった。

・東証株価指数(TOPIX)は+0.42%高と、3日続伸した。
 JPXプライム150指数も+0.51%高と、3日続伸して終えた。

・東証プライムの売買代金は概算で10兆4,435億円、売買株数は22億7,439万株だった。
 東証プライムの値上がり銘柄数は677、値下がりは831、横ばいは50だった。

・個別銘柄では、村田製作所や京セラ、味の素が高い。
 スクリーンやディスコ、安川電機も上昇した。
 一方、フジクラやキオクシア、アドバンテストが安い。
 古河電工や住友電工、川崎重工も下落した。


●2.日本株 : 値動きが荒く、しかも、朝大幅高⇒大きく売られる展開が続く


●1)日経平均の日中の動き

⑴6/30の日経平均
   前日終値 (69,468円)
   始値+617円高 高く寄り付く
   高値  +1,199円高  前日比+1.72%高と大幅高
   安値   ▲166円安  高値から▲1,365円安と大きく売られる
   終値+594円高 安値から買い直しも、始値以下で着地
  (70,062円)

・日本株は6/30、AI・半導体銘柄が牽引した。
・6/29の米国ハイテク株高を受け、投資余力のある海外投機筋による株価指数先物への買いが日経平均を押し上げた。
  しかし、朝高で日経平均が急騰した時点で、海外投機筋が売れに転換した可能性がある。

●⑵7/01の日経平均

   前日終値  (70,062円)
   始値+712円高 米国株高を受け大幅高で始まる
   高値 +1,900円高    海外投機筋の買いもあり、爆上げ
   安値 +62円高     利益確定売りがでて▲1,838円安
   終値  +412円高   買い戻されるが、始値以下で終えた
  (70,474円)

● ⑶2日間の特徴: 値動きが荒く、しかも、朝大幅高⇒大きく売られる展開が続く

 ・午前にその日の最高値を付ける ⇒ 大きく売られ ⇒ 戻す、ただし始値以下。
 ・1日の値動きが大きく、荒っぽい展開が続く
6/30  値幅 1,365円
7/01  値幅 1,838円
 ・韓国総合株価指数(KOSPI)の動きに、日経平均が引きずられる展開も気になる。
  今までにない動きである。
 ・日経平均主体の強さからくる株価上昇ではな、韓国株の動向で日経平均が動くという
  展開が色濃くなっている。
 ・以上のように、日経平均にとって好ましくない状況が続き、不安定感が増している。

●2)日経平均を動かす、寄与上位5銘柄の状況

⑴6/30、日経平均+594円高に占める上位寄与銘柄の寄与額+520円高、占有率87.54%
銘柄 寄与額上昇率   株価上昇幅
東京エレクトロン  +246円高  + 3.28%高  +2,450円高 
アドバンテスト   + 94+ 1.22     + 390 
フジクラ  + 71+ 5.99     + 353 
ソフトバンクG    + 56+ 1.17     + 69 
村田製作所 + 53+ 6.09     + 655 
 合計   +520

  ・マイナス寄与では、ファーストリテイ▲126円安が1番目立っていた。
  ・東京エレクトロンなどの人工知能(AI)・半導体関連銘柄の上昇が目立った。
  ・日経平均の上げ幅は+1,199円と大幅高となる場面があった。
   その後、▲1,365円安となるなど、振れ幅が大きくなっている点を意識したい。

⑵7/01、日経平均+412円高に占める上位寄与銘柄の寄与額+517円高、占有率125.48%
銘柄 寄与額上昇率   株価上昇幅
東京エレクトロン  +166円高  + 2.14%高  +1,650円高  
イビデン  +132+ 8.27+1,970
太陽誘電  + 84+12.43 +2,505
京セラ   + 70+ 7.30+ 260
TDK+ 65+ 3.64+ 130
 合計   +517円高

 ・マイナス寄与に、フジクラ▲83円、アドバンテスト▲82円、キオクシア▲36円、
  KDDI▲36円がある。
 ・相場の主体は、AI・半導体株であるが、日経平均が上昇にも関わらずマイナス寄与銘柄
  が見受けられる点が気になる。
  AI・半導体株と言っても、個別銘柄のバラツキに注意したい。


●3.米国バークシャー、三井物産・丸紅株を追加取得、保有比率10%超に  (Money world)

  1)三井物産 9.82%⇒10.83%へ
丸紅   9.30%⇒10.32%へ


■Ⅳ.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)


・2413 エムスリー 業績堅調
・3053 ペッパーフード   業績回復期待
・4188 三菱ケミカル業績絶好調

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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