関連記事
原油高で下落する株式市場、その行方は?

(c) 123rf[写真拡大]
●原油価格高騰で株式市場が下落
イラン情勢を受けて、原油価格が乱高下している。3月9日にWTI原油先物が一時1バレル=119ドルの高値を付けたが、10日には1バレル=81ドルに急落するなど、激しい値動きが続いている。
【こちらも】中国の輸出規制で気になるタングステンの行方
9日は、ハメネイ師の次男・モジタバ氏がイランで後継者に選ばれ、戦況が長期化することを懸念して上昇した。その後トランプ米大統領が、「戦争はまもなく終結する」と発言したことで急落した。
9日は原油高を受け、日経平均は2024年8月5日以来とにる4000円超の下落となった。6日に発表された2月の米雇用統計の下振れにより米国経済悪化の懸念が嫌気されたことも、影響している。
原油高・株安・円安の三重苦となるのだろうか?
●各国が石油備蓄放出を表明
IEA(国際エネルギー機関)は11日、加盟国全体で4億バレルの放出に合意したことを発表。これは2022年のウクライナ危機時の1億8200万バレルを大幅に上回る。
日本も高市首相が、16日にも日本単独で石油備蓄を放出すると表明しており、約254日分の備蓄から1カ月分放出する。
ホルムズ海峡封鎖により、タンカーの到着が遅れる分を在庫で賄うことで、物理的な燃料切れを防ぐ保険として有効となる。国際社会が協調することで、投機筋への牽制にもなる。
2022年の大規模放出時には、原油価格を約15%押し下げる効果があった。
●備蓄放出だけでは不十分?
備蓄放出はあくまでも時間稼ぎに過ぎず、イラン問題が長期化すれば意味をなさない。放出した石油は備蓄のために買い戻す必要もあり、高値で買い戻さざるを得ないなら本末転倒となる。
イラン側は、ホルムズ海峡への機雷敷設を開始しており、「1滴の石油も通さない」と強硬姿勢を見せている。日本も含め、イランの攻撃による各国の商船被害も多発している。
原油の約94%を中東に依存している日本では、その価格変動が生活に打撃を与えやすく、経済への影響も深刻になる可能性がある。中東依存からの脱却という課題が、さらに浮き彫りになった。
株式市場は急激な動きで、イラン情勢を織り込みすぎているとの見方もあり、しばらくは一喜一憂せず、乱高下には注意した方がいいだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
