10-12月期GDPは年率+0.2% 予想下振れだが日本株は堅調か調整か?

2026年2月17日 14:18

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 2月16日に発表された2025年10-12月期の実質GDPは、年率+0.2%と予想からは大幅に下振れした。プラス成長ながら「ほぼゼロ成長」の実態と、株価高騰の背景にある名目成長(+0.6%)の差について解説する。

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 個人消費や設備投資の低迷が日本株の調整を招くのか、投資家が注視すべき3つの要点を提示したい。

 2026年2月16日、内閣府が発表した2025年10─12月期の実質GDP(1次速報)は、前期比+0.1%、年率換算で+0.2%にとどまった。市場予想(年率+1.6%程度)を大きく下回る結果に、投資家の間では「景気回復の遅れ」への懸念と「利上げ遠のき」への期待が交錯している。

■1. 10─12月期GDP速報の概要:回復力は極めて限定的

 実質GDPはプラス成長を確保したものの、前期(7─9月期)のマイナス成長からの反動としては極めて弱く、景気の停滞感が浮き彫りとなった。

 ・内需の柱が不在: 個人消費は前期比+0.1%、設備投資は同+0.2%と小幅な伸び。物価高による買い控えや、人手不足に伴う投資の遅れが影響している。

 ・外需の押し下げ: 輸出が前期比▲0.3%とマイナスに転じ、海外経済の減速が足かせとなった。

 ・在庫変動の影響: 民間在庫変動が寄与度を押し下げたが、これは「意図せざる在庫」の整理が進んだ健全な調整という側面もあり、一概に悲観材料とは言えない。

■2. 「GDP低迷」と「株高」が共存するカラクリ

 実体経済が停滞する中で日経平均が底堅い動きを見せる背景には、「実質」と「名目」の乖離がある。

 今回の10-12月期は、実質GDPが+0.1%だったのに対し、物価上昇分を含めた名目GDPは前期比+0.6%と力強さを見せた。企業の売上や利益は「名目値」で計上されるため、インフレ局面ではGDP統計の見た目以上に企業業績が良く見える構造がある。

 またGDPの弱さが、「日銀の利上げ急加速」を抑制するとの見方から、円安・株高の構図が維持されやすい地合いとなっている。

■3. 今後の日本株動向:上昇継続か、それとも調整か

 市場の関心は「GDP下振れが株価の重しになるか」に集まっている。

 ・強気シナリオ: 景気は「底割れ」せず、名目成長に伴う企業利益の拡大が続く。低成長を背景に低金利環境が長期化し、海外マネーの流入が継続する。

 ・弱気シナリオ: 消費低迷が長期化し、企業の売上数量が減少。円高への揺り戻しや実質賃金のマイナスが続くことで、将来の成長期待が剥落し、株価の調整が深まる。

■4. 個人投資家が確認すべき“3つのチェック項目”

 ・為替と金融政策の距離感: GDP下振れが「円安」を助長するか。為替介入への警戒感とセットで注視が必要。

 ・実質賃金の推移: 次回のGDPに向け、春闘の結果が個人消費を「加速」させる材料になるか。

 ・設備投資の質: デジタル化や省力化投資が実行され、企業の生産性が向上しているか。

■まとめ

 10-12月期のGDPは「プラスだが期待外れ」の結果だった。しかし投資においては、「過去の統計(GDP)」よりも「将来の期待(名目利益・金利)」が優先さる。一喜一憂せず、名目成長と実体経済のズレがどこで修正されるかを見極める姿勢が重要だ。(記事:岩谷栄一郎・記事一覧を見る

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