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米のベネズエラ攻撃も株価は最高値、その要因は?
●米国がベネズエラを攻撃
トランプ米大統領は3日、米軍が南米ベネズエラを攻撃しマドゥロ大統領を拘束したと明かした。
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米軍は1月2日に空爆し、首都カラカスに到着した後、マドゥロ大統領夫妻を拘束。夫妻はその後、米軍のヘリコプターでニューヨークに移送された。
世界最大の石油埋蔵量を誇るベネズエラへの攻撃は、世界に衝撃を与えたが、米国株式市場は大幅に上昇し、ダウ工業30種は最高値を記録。大発会の5日の日経平均も終値で1463円上昇、翌日の終値は史上最高値を2カ月ぶりに更新した。
有事であることから金価格も約1%上昇しており、ビットコインなどの仮想通貨も上昇した。石油関連株も買われるなど、異例の上昇相場となった。
●石油大国であり、経済・人道危機に瀕するベネズエラ
世界最大の石油埋蔵量を持つベネズエラは、1999年に反米左派のチャベス大統領が就任して以来、米国との確執が続いていた。米国は、2005年のブッシュ政権以降、制裁を続けてきた。
2013年にチャベス氏が死去した後、マドゥロ政権が誕生すると、直後に原油価格が暴落。ハイパーインフレに見舞われるなど経済は混乱。国民の多くが貧困に苦しみ、経済破たんや弾圧により、約800万人が国外へ流出した。
現在も国民の大多数が貧困状態にあり、食料不足・医薬品不足・インフラの機能不全が深刻な問題となっている。
米国内での麻薬取引にも関わっていると見られ、マドゥロ大統領は麻薬テロ、コカイン密輸の共謀など4つの罪で刑事訴追されている。
●株価上昇の思惑は?下落リスクも!?
トランプ大統領の狙いは意見が分かれる。麻薬テロとの戦いが大義名分ではあるが、当面ベネズエラを一時的に運営すると明言しており、石油資源を掌握したいとの見方もある。
一方で、ベネズエラの石油輸出の半数を占める中国や、軍事・経済での友好国であるロシアやイランへの牽制との見方もある。
株式市場にとっては石油資源に米国企業の関与が進むことの期待や、攻撃が限定的であったことから他国への広がりはないとの楽観的な買いもあったかもしれない。
ベネズエラ攻撃後、トランプ大統領はコロンビア攻撃を示唆し、コロンビアは地上部隊を派遣するなど、緊張が高まる可能性もある。
投資家の関心は12月の雇用統計の方に移っているとの意見もあり、その結果次第では、ベネズエラ攻撃の上昇の反動で下落幅が大きくなるリスクにも警戒しなくてはならない。(記事:森泰隆・記事一覧を見る)
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