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業界2位ランサーズの新規事業:正社員マッチングは、首位クラウドワークスを追いこめるか
ランサーズ(4484、東証グロース市場)の収益右肩上がりは、信じてよいのか。周知のとおり仕事を発注したい企業と、受注したいフリーランスのマッチングプラットフォーム「ランサーズ」を運営している。
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確かに2022年3月期/23年3月期の「3億6700万円の営業赤字/2億4900万円の赤字」から、24年3月期は「7500万円の黒字」に転換、前3月期も「0.3%増収、44.7%増益」。そして今3月期も「10.0%増収(50億4800万円)、83.2%増益(2億円)、2円の初配当」計画。
前号四季報の材料欄は【地銀】の見出しで「清水銀行と業務提携、地域企業に人材マッチング支援を行う。地銀等との提携により全国展開」とあるが、文字通り「今後を占う上での材料」と捉えるべき。
足元の収益動向の変化は、前期の決算資料が記している様に「新規領域で成長加速」に着目すべき。具体的には数期前から体制を整えてきた、『フリーランスから正社員への転職を支援する「フリーランス転職」事業の展開』と捉えるべきだ。
新規事業参加を打ち出した際にランサーズを取材した折り、こんな話に接した。
「契機は時間や場所にとらわれない働き方をするというトレンドにある中、フリーランス自体は増加傾向を続けている。が今回改めて1300人以上の市場調査をしたところ、結婚・育児・介護などライフステージの変化に伴い“正社員への転職を希望・検討している”というフリーランスが3割以上にのぼることが分かった。また求人側の当社に対して正社員希望が、約1割になっている」。
性格悪の私は、こう問い返した。
「正社員の求人を望む企業に対し、適するフリーランスを選ぶ体制に自信が持てるのか」。対してランサーズではこう答えた。
「専属のキャリアアドバイザーが経験・実績に基づき、応募書類の添削や面接対応を行う」。
「ランサーズグループ内での実績があるフリーランスには、評価を活かした推薦を行う」。
「既に歩み出した実績をみると、フリーランス時の収入と同じ水準の正社員が率にして88%誕生している。募集する側も希望する側も、ウィンウィンな状況だ」。
斯界の構図はクラウドワークス(3900、東証グロース市場)をランサーズが追う形。前者の前期売上高171億1300万円に対し、ランサーズは今期予想で50億4800万円。フリーランス転職事業への参入でその差は縮まるトレンドになるのか、様子を見定めたい。時価は200円台入り口水準。年初来安値154円と高値279円の中間水準、さて・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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