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相場展望8月1日号 米国株: FRB議長「金利引下げ」発言で、(1)米国株高(2)金利低下(3)円高 日本株: (1)1日で5円もの円高 (2)対中国の輸出規制報道の危うさで日経平均はリスク
■I.米国株式市場
●1.NYダウの推移
1)7/29、NYダウ▲49ドル安、40,539ドル
2)7/30、NYダウ+203ドル高、40,743ドル
3)7/31、NYダウ+99ドル高、40,842ドル
【前回は】相場展望7月29日号 米国株: 個人消費は堅調・インフレ圧力緩和⇒FRBの利下げ観測高まる⇒株価安定化 日本株: 日経平均は正念場、当面は自律反発が期待できる、調整局面入りをお忘れなく
●2.米国株 :パウエルFRB議長「金利引下げ」発言で、(1)米国株高(2)金利低下(3)円高
1)米国主要株価指数の推移
7/30 7/31
NYダウ +0.50%高 +0.24%高
S&P500 ▲0.50%安 +1.58%高
ナスダック総合 ▲1.28%安 +2.64%高
ラッセル2000 +0.28%高 +0.58%高
半導体株(SOX) ▲3.88%安 +7.01%高
・パウエルFRB議長の「利下げ示唆」発言で、7/31は市場金利が大幅低下した。金利に対し相対的な割高感が薄れた株式市場は好感し大幅高となった。特に、このところ軟調だった半導体株の急騰が目立った。
2)米国金利が低下
7/01 7/30 7/31
02年国債金利 4.756% 4.359 4.258
10年国債金利 4.461% 4.139 4.030
3)円高・ドル安が急展開
7/01 7/03 7/30 7/31 7/31米国時間
円相場 160.90円 161.89 154.84 152.79 149.98
●3.マイクロソフト、4~6月期決算は増収増益、最終利益は前年同期比+10%増の3兆3,700億円(NHK)
1)生成AIを活用したクラウド事業が好調。
●4.マクドナルド、6期ぶりに減収、インフレ背景に来客者数が減少(ロイター)
■II.中国株式市場
●1.上海総合指数の推移
1)7/29 、上海総合+0.95高、2,891
2)7/30、上海総合▲12安、2,879
3)7/31、上海総合+59高、2,938
■III.日本株式市場
●1.日経平均の推移
1)7/29、日経平均+801円高、38,468円
2)7/30、日経平均+57円高、38,525円
3)7/31、日経平均+575円高、39,101円
●2.日本株:(1)1日で5円もの円高 (2)対中国の輸出規制報道の危うさで日本株はリスク
1)日銀、政策金利を+0.25%に引上げ ⇒ 英国7/31に円相場1ドル=149円台へ
・7/31の1日で、「5円」程度となる円高方向に進んだ。
・日米金利差の推移
7/01 7/30 7/31
日本10年債金利 1.068% 0.999 1.044
米国10年債金利 4.461 4.139 4.030
日米の金利差 3.393 3.140 2.986
・日米金利差の縮小で、為替は「円高・ドル安」に傾く。
・円高・ドル安
7/01 7/03 7/30 7/31 7/31米国時間
円相場の推移 160.90円 161.89 154.84 152.79 149.98
・米国は金利低下、日本は金利引上げで、7/31に約5円もの円高・ドル安となった。
2)7/31日経平均の大幅高の要因は、米国による対中国への半導体規制除外の噂で
・米国バイデン政権は、中国の先端半導体技術へ規制強化として新たな貿易制限を検討している。これに、日本・オランダの先端半導体関連企業である東京エレクトロンやオランダのASMLも規制が及ぶとされた。ところの半導体関連企業の株価の下落の大きな要因でもあった。
・ところが、7/31に日本・韓国・オランダは含まないという報道が伝わった。この報道により、中国向け販売が継続できるという可能性が好感され、日本では東京エレクトロン、オランダのASMLが7/31に株価は+7.4%高・+11%高と大幅上昇した。そして、他の半導体関連企業にも株高が波及した。
3)米国の安全保障上で対中国・輸出規制から、日本など同盟国を外すことはない
・米国は対中国向け輸出規制強化を検討との報道で、半導体株が下落した。しかし、その後、その規制から日本・オランダ・韓国など同盟国を除外するととの「匿名による関係者の発言」が伝えられた。
・その報道をきっかけに「7/31の日経平均は+575円と急上昇して終えた。上昇の寄与度が高いのは、東京エレクトロンなど値がさ半導体株である。日本の株式市場は「噂の報道」を真に受けて、「自由に中国に輸出できる」と解釈した結果の株高だったと思われる。
・しかし、米国の「安全保障」上の対中国の輸出規制強化である点が抜け落ちている。米国の安全保障の問題であるため、中国に利するような日本など同盟国が自由な活動を認めるとは思われない。対中国規制強化の方法論として、米国の法律で縛るのではなく、同盟国の自主的な規制強化を目論んでいると理解するべき。
4)そもそも7/31朝方は日経平均が▲500円超の下落で始まった点を忘れなく
・短期筋の海外勢が株価先物の売り攻勢をかけて、下落していた。
・そのなかで、「匿名による関係者の発言」という「噂」が市場を駆け巡り、前日の上昇もあって乗り遅れたくない投資家の買いが買いを呼んで、1日の値幅が+1,200円を超える急騰につながった、と思われる。
5)8/1は前日の急騰を打ち消す下落を想定する
・もともと、短期筋の海外勢は7/30朝方は先物売りをしていた。しかし、「噂」による急伸をみて、提灯買いに転換して株価を上に放り投げたとみている。
・ならば、8/1は利益確定売りのためぶん投げてくると想像する。
・「噂」を流した本尊も、売り転換してくるに違いない。
・「噂」に踊らされた投資家も冷静になって、損失覚悟で売り解消をしてくる可能性がある。
・しかも、急激な円高で、輸出関連株に業績面での追い打ちがある。
●3.デンソー、2025年3月期の営業利益を7,140⇒6,920億円に下方修正(時事通信)
1)4~6月期の業績が想定よりも下振れした分を反映した。
●4.三菱電機、米国RTXと「SPY-6 」構成部品供給で契約、防衛産業に新たな展開(乗りものニュース)
●5.トヨタ、6月世界販売は前年同期比▲5.8%減の91.3万台、日本・中国の減少響く(ブルームバーグ)
1)前年同月比割れは5ヵ月連続。
2)日本では認証不正問題で▲14%減、現地勢と厳しい競争が続く中国で▲13%減。
3)1~6月の世界販売台数は516万台、5年連続で世界トップ、2位は独VW(TBS)
●6.日産、6月世界生産▲16.3%減、日米中が低迷、世界販売3ヵ月連続減 (ロイター)
●7.村田製、4~6月期営業利益は前年同期比+32%増、通期見通しは据え置き(ロイター)
●8.野村HD、4~6月期純利益は+689億円、市場予想+566億円(ブルームバーグ)
●9.TDK、4~6月期の営業利益は前年同期比+2.2倍、通期見通しは据え置き(ロイター)
1)株式分割を1対5で、9/30を基準日として10/1付で実施。
●10.ANA、4~6月期の営業利益は前年同期比▲30.7%減の+303億円(時事通信)
1)旺盛な訪日客を背景に売上高は過去最高も、為替などの影響で整備費が膨らみ、燃料価格の高騰が響き利益を押し下げた。
●11.NEC、4~6月期の税引後利益は前年同期比から▲8億円悪化の▲32億円赤字(クラウドWatch)
■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)
・2175 エスエムエス 業績堅調
・4384 ラクスル 業績好調
・7259 アイシン 業績好調
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