関連記事
メドピア:医師の働き方改革施行に「減収懸念」の医師が少なくないとレポート よくよく覗いてみると
医師の働き方改革により、長時間労働が改善されることへの期待度(画像: メドピアの発表資料より)[写真拡大]
医師向け情報サイトを運営するメドピア(東証プライム)が、「ならでは」のリリースを配信した。表題は、『医師の働き方改革に関する意識調査 3割の医師が収入に「影響あり、減少する見込み」』。リクルートメディカルキャリアと共同で行った、メドピアの情報サイトに登録する医師(約16万人:日本の医師の約2人に1人)のうち2045人を対象にしたアンケート調査の結果だという。
【こちらも】患者の為になる施策を執るメドピアは、なかなか商売上手とも言える!?
この4月から「医師の働き方改革」が施行される。最大のポイントは、時間外労働の上限規制。具体的には「年間960時間、かつ月間100時間未満」。
アンケート項目と医師の捉え方を見ていく。
■改革の施工に伴う改善に関する期待度は?
39.6%が「どちらともいえない」。「とても期待している」「期待している」が合わせて32.4%。対して「あまり期待していない」「期待していない」が28%。
「期待している」という医師の最大の要因は、「休日・休暇が十分に取れる(49.6%)」だという。一般企業では2019年4月に施工された法令が、5年間の執行猶予を経て医療機関でも施行される。
が一般企業で法令が実施されていないケースが、多々メディアなどで報道されている事実もある・・・。
期待組の50代の一般内科医は「日常的な長時間労働が是正されることで、医師のパフォーマンス向上が期待でき、結果として医療事故も減少すると思う」には、頷かされるものを覚えた。
「どちらともいえない」とした呼吸器内科の医師は、「人手不足の総合病院では運用が困難と思う。自己研鑽と労働時間の境が曖昧で、労働時間を見かけ上、少なくすることはいくらでもできる」とコメントしている。
最近も医療事故⇔医師の長時間労働の提訴に対し病院側の責任者が「自己研鑽」を盾に、「長時間労働とは認識していない」とするニュースに接した。自己研鑽は医療技術の向上につながる。医師には不可欠な時間。納得し得ない思いを抱いたが・・・
■改革の施工に対する不安
不安を持つ医師の51.6%(複数回答可)が、「収入源が見込まれること」としている。私が通院する総合病院の内科医もこう言った。「医者=高所得者のイメージがあるようだが、どうだろうか。勤務医である我々は、技術系の労働者と認識している。昨今需要が高いIT系労働者と比べると収入は、平均値で下回っている。自分は産業医を掛け持ちしているから、これは実感」。
またアンケート結果で「業務負荷の増加が見込まれる」「自己研鑽に必要な時間・機会が減少し、結果とし提供する医療の質が低下する」とする、「不安組」も少なくない。
表現はよくないが、いずれにしても「医師が労働基準局に駆け込む」時代だけは避けたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
スポンサードリンク