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大幸薬品が市場に対し執るべき道はただ1つ、感染管理事業の再構築
3月中旬だった。大幸薬品の広報・IR担当者から夜7時を回った頃、私の自宅に電話が入った。件の「クレベリン」に関する消費者庁との間の「不当景品類及び不当表示法」についての経過を伝える電話だった。
【こちらも】大幸薬品を「クレベリンはコロナ効果を満喫」と記したメディアはどこだ!?
私は2021年1月29日の企業・産業欄に、愛読書:会社四季報の記載に腹が立ち『大幸薬品を「クレベリンはコロナ効果を満喫」と記したメディアはどこだ』と題する記事を投稿した。
周知の通りクレベリンの「景品表示法(第7条第1項の規定に基づく措置命令)」違反が、消費者庁から指摘されたのは今年1月も終盤。その後、司法の場に是非の判断は委ねられた。電話は地裁判断が出た後のことだ。
広報・IR担当者は、「ご迷惑をおかけしているが、今後とも誠心誠意消費者庁にご説明を続けご理解いただくように努める所存。ご理解いただけると確信している」といった内容を語った。私はその時、「信じている。が御社のクレベリンに関する表示が『×』となった場合は、株式市場への冒涜となることはあえて申し上げておきたい」と話したことをハッキリ覚えている。
大幸薬品が株式を上場したのは、現会長の柴田仁氏が社長時代の2009年3月。上場に際しての記者会見で柴田氏は、『感染管理事業(クレベリン事業)の目途が立ったので証券市場のお力をお借りすべく上場の断を下した』と言った。
そもそもの上場のキッカケは、正露丸の最大手だった大幸薬品で柴田仁・高(副社長、現社長)の間で「新たな成長の階段を創出しないと・・・」という遣り取りが契機だった。
仁氏はそもそも「1事業100年周期説」を有していた。正露丸だけでは「成長期・高原状態期の後に衰退期がくる。早々に備えなくてはいけない」と論じる仁氏に対し、医学博士でもあった高氏が「二酸化塩素と取り組もう」と提言した。「できるのか!?」「僕にやらせて欲しい」。二酸化塩素が消臭・除菌効果が高いことは知られていた。だが「気化」「液化」するとその効果が激減してしまうことが、最大のネックだった。仁氏は医学博士:高氏に「新たな成長の創造」を委ねた。
先入観と言われればそれまでだが・・・日露戦争時に軍の医療部隊が開発した吐瀉薬:正露丸は長い間その効果のメカニズムが解明されないままだった。それを大学との連携で科学的に解明したのは高氏だった(CMとして公開もされた)。
が、前記の地裁判断が覆されたことから大幸薬品は5月3日、『弊社商品の表示に関するお知らせ』で、「違反するものでした」と屈した(認めた)。
さて・・・大幸薬品の執るべき道は!?(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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