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自動運転時代で注目される新明和の機械駐車場技術と、100年史
ホンダが正式に自動運転「レベル3」に相当する自動運転技術を搭載した「レジェンド」を、3月5日に発売すると発表したのは前日4日のことだった。国交省によるとレベル3の自動運転車の市販車は、世界初だと言う。
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高速道路で渋滞に巻き込まれたような際に、運転者は手放し状態OK。走行は車に任せられる。搭載したレジェンドは前後の車間距離などを感知しつつ、システム運転をする。運転者は、運転から解放され車内モニターで動画などを見ることが可能になる。但し、車からの指示に従い「ハンドルを握って」と命令されれば運転に戻る。
EV車と自動運転車、車も大きな転換期を迎えていることを改めて痛感した。
そんな報道に接してから1カ月後の4月3日に共同通信が、『自動運転、バック車庫入れ成功 機械式駐車場に』と題する記事を配信した。新明和工業が自動運転で難易度の高い機械駐車場にバックで車庫入れする、実証実験に成功したと発表。2017年から群馬大学と共同研究を開始し、「駐車場設備と車が双方向で通信をして1cm単位で正確な位置に誘導する」システムだと言う。新明和工業では今後、自動車メーカーと協議しながら事業化に向けて開発を進めると言う。
新明和工業は、「ダンプやタンクローリーなど特装車で首位。官民向け飛行艇(機)・部品で特異なメーカー。機械駐車場等も展開」と紹介される。
新明和工業を初めて取材したのは、車社会が急速に拡大する中で「駐車場不足」が問題になる中、「世の中に不足するものを供給する企業は買い」という趣旨の株式関連記事を書くためだった。その際に諸々調べ新明和工業という会社の面白さ?を知った。昨年創業100周年を迎えた新明和は現社長の五十川龍之氏も「この間、航空機、特装車、産業機械と社会インフラへと事業領域を広げ・・・」と語っているように、実は「飛行機会社」が源流だった。
前身の川西機械製作所(飛行機部)は、1920年に川西清兵衛氏により創業されている。川西氏は中島飛行場(現スバルの前身)の創業者:中島知久と共同で、「日本飛行機製作所」を設立という歴史も経ている。「紫電」「紫電改」などを開発製造している。
新明和工業への社名変更は60年だが、戦後も「YS-11」や現防衛省向けの「緊急飛行艇」「対潜哨戒機」を開発している。79年にはボーイング767向けの部品製造も手掛けている。
現在も多面的な社会インフラの開発・製造と取り組んでいるが、その源が飛行機(艇)とは興味深いし100年企業「歩み」に改めて感嘆させられる。
原稿を書いているまさにそんなタイミングで、「トヨタがレベル2の自動運転システムを搭載した、レクサスのセダン:LSと(水素)燃料電池自動車:ミライを発売する」というニュースが飛び込んできた。「免許証を返納するのではなかった」と漏らすと、同居人から「免許証があっても高い車を買うお金がどこにあるの」と冷水を浴びせられた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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