相場展望4月15日 日本株はVIX指数低下し楽観強いが、5月半ば以降注意

2021年4月15日 11:07

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)4/12、NYダウ▲55ドル安、33,745ドル(日経新聞)
  ・前週に過去最高値を更新していたため、短期的な過熱感が意識され、消費者物価指数(CPI)や決算発表を控え、持ち高調整の売りも出やすかった。
  ・ただし、ワクチン接種が米国成人の3割強となり、経済活動再開で企業業績を押し上げるとの見方が強まり、下値は限られた。

【前回は】相場展望4月12日 衆院総選挙で株価反応するセクターを選択、日本株軟調 バイデン政権2.25兆ドル投資法案成立は長期化と縮小

 2)4/13、NYダウ▲68ドル安、33,677ドル
  ・米食品医薬品局(FDA)がジョンソン&ジョンソンのワクチン接種を一時中断するように勧告した。この決定を受け、ワクチン普及混乱により経済活動に支障をきたすという懸念が広がり、景気敏感株を中心に売り優勢となった。(フィスコ)
  ・長期金利低下で、ハイテク株が買われ、ナスダック総合指数は上昇した。(日経新聞)
  ・決算発表が4月半ばから始まるため、業績を見極めたいという姿勢もあり、買い控えられた、側面もある。

 3)4/14、NYダウ+53ドル高、33,730ドル(日経新聞)
  ・ファイザーがワクチン供給量を+10%増やし目標3億回分を前倒し達成すると示し、ワクチン普及で米経済活動の正常化が順調に進むとの期待を盛り返した。
  ・市場予想を上回る好決算を発表したゴールドマン・サックスなど金融株が大幅高となり、NYダウを押し上げた。
  ・ハイテク株が多いナスダック総合指数は下落、SP500も下落した。

●2.米株式市場に与える材料に、今後は留意したい

 1)企業業績は既に株価に織り込み済みの可能性。
 2)法人税増税は企業業績を下押しする。
 3)米消費者物価指数(CPI)上昇は、インフレを示唆。

●3.バイデン政権の増税が、企業増益率を押し下げ、米国株価への逆風に、ゴールドマンが強調

 1)増税案(ブルームバーグ)
  (1)法人税率21%⇒28%に引上げ。
  (2)海外利益税率10.5%⇒21%に引上げ。

 2)増税が与える1株当たり利益の押し下げ効果
  (1)税率100%実施:2022年1株利益203ドルと+12%増⇒190ドルの+5%増に低下。
  (2)税率増の一部引下げ修正:1株利益が+12%増⇒+9%増に低下。

●4.米3月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.6%と、前月の0.4%をも上回った(フィスコ)

 1)前年比では+2.6%(予想+2.5%、2月は+1.7%)と2018年8月以来で最大となった。
 2)FRBが注視する、変動が激しい燃料・食料品を除いたコアCPIは前年比+1.6%となったが、FRB目標である+2%は下回った。

●5.米輸入物価指数は前月比+1.2%と、予想+0.9%を上回った、2月は+1.3%(フィスコ)

●6.アルケゴス問題に絡む金融機関の損失は100億ドル(約1兆900億円)とJPモルガンが予測(ブルームバーグ)

●7.マイクロソフト、音声認識技術や人工知能(AI)の「ニュアンス」を2兆1,000億円で買収(ロイター)

●8.ウェルズ・ファーゴの1~3月期純利益は47.4億ドルと、前年同期比7.3倍(日経新聞)


■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)4/12、上海総合指数▲37安、3,412(亜州リサーチ)
  ・翌日から発表される経済指標を前に手控えムードが流れた。
   主要経済指標:3月貿易統計、金融統計、1~3月GDP成長率
  ・これらの内容を見極めたいということもあり投資家は慎重スタンスを強めた。

 2)4/13、上海総合指数▲16安、3,396(亜州リサーチ)
  ・投資家の慎重スタンスが続く。
  ・米中対立の激化、中国の金融引き締めに対する警戒感が依然としてくすぶる。

 3)4/14、上海総合指数+20高、3,416(亜州リサーチ)
  ・4日ぶりに反発した。
  ・消費関連株の上昇が目立ち、素材株も物色され、銀行株は売られた。

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)4/12、日経平均▲229円安、29,538円
  ・新型コロナ第4波対策の「まん延防止等重点措置」が施行され、経済活動の回復が遅れるとの見方が広がり、売り優勢となった。
  ・安川電機が好決算を発表したが、予想を下回ったと下落したことも投資家心理冷やす。

 2)4/13、日経平均+212円高、29,751円
  ・前日の反動と景気回復が進み企業業績が向上するとの期待で、値嵩株を中心に買いが入った。
  ・一時+350円高となったが、先物が弱含みに転じると、戻り売りが出て、上げ幅縮小した。

 3)4/14、日経平均▲130円安、29,620円
  ・新型コロナ変異株含めた新規感染者数の増大で第4波との指摘があり、経済正常化の不透明感が強まった。
  ・幅広い銘柄に売りが出てだが、半導体関連などハイテクの一角が買われた。

●2.日本株はVIX指数低下し楽観強いが、5月半ば以降注意したい

 1)現状
  (1)格言「閑散に売りなし」の通り、高値横這いで保ち合いが続いている。

  (2)日経平均の推移。
   ・2/16 30,467円 ⇒ 3/15 28,864 ⇒ 3/18 30,216 ⇒ 4/14 29,620
   ・2/16高値を更新することなく、天井を形成しているイメージ。

  (3)年初来新安値銘柄数が増えてきており、気迷い状況が深まりつつあるのが窺える
   ・2/16 3/15 3/18 4/02 4/05 4/06 4/07 4/08 4/09 4/12 4/13 4/14   
     2  1   0   5  10  25  23  74  41  20  23  55

  (4)年初からは日経平均はNYダウをアウトパフォームしていたが、3/19以降は逆転してアンダーパフォーム基調になっている。

  (5)米国株との相関性は高いが、最近の特徴としては、下方指向に向いている。
   ・米国株の上昇に対しては、日経平均は鈍い上昇。
   ・米国株の下落に対しては、日経平均は敏感に下落。

 2)好材料
  (1)決算発表で好業績による個別銘柄の上昇。
  (2)米国株が強い。

 3)懸念
  (1)好業績は株価に、既に織り込み済みの可能性。
  (2)セル・イン・メイの到来。
  (3)ワクチン接種遅れで買い意欲後退の恐れ。
  (4)理由なく日経平均が上下しており、投資家の気迷いが窺える。
 
 4)予想
  (1)VIX(恐怖)指数は低下し、株式市場の先行きは楽観的にみている。VIX指数は20を超えていたが、4/13に16.52と、市場の楽観性を表している。
    ⇒ 企業決算発表までは高水準の株価維持を予想。
    ⇒ 楽観論を極めると、株価下落の兆し?を心配。
  (2)決算発表が終わる5月半ば以降、材料がなくなるため警戒したい。

●3.企業業績

 1)AGC   21年12月期営業利益を上方修正+1,000⇒+1,600億円(フィスコ)
 2)吉野家  21年2月期純損失▲75億円、コロナ時短営業と来店客減(共同通信)
 3)Jフロント  21/2期営業利益▲242億円赤字、22/2期+100億円黒字(フィスコ)
 4)パソナ  21/5期の純利益+62億円と前期比10倍(日経新聞)
 5)良品計画  9~2月期最終利益+203億円と前年同期比では2倍超(NHK)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・7832 バンダイナムコ 娯楽。業績堅調。
 ・2413 エムスリー   医療従事者向け情報サイト。業績好調。
 ・7564 ワークマン   作業服専門。業績堅調。

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。

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