EV用電池として有力視される全固体電池、対応企業はどこか!?

2021年3月15日 16:46

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 「トヨタ自動車が東京工業大学と共同で、正極と負極を電気が行き来し易い固体電解質を発見した。20年代前半にも生産の実用化に乗り出す予定。実証実験で、超小型EV:コムスを動かすことに成功した」。そんな報道に接した折、正直言ってチンプンカンプンだった。

【こちらも】日立造船、1000ミリアンペアの容量を持つ全固体電池開発

 知り合いのアナリストに「噛み砕いて説明してほしい」と頼み込んだ。冷たい目線を感じながら、こんな遣り取りで始まった。

 「EV車に使われる電池は何」「リチウムイオン電池」「確かに現状のEV車の電池は、リチウムイオン電池だ。だがリチウムイオン電池が主役から外れる可能性が出てきている」「どういうこと?」。ここまで話が進んでアナリストが口にしたのが『全固体電池』。「EV車の主力電池候補に浮上してきている」としたのである。

 早速、彼が言わんとすることを調べてみた。まず知ったのは、リチウムイオン電池には弱点があるという事実。「構造上、イオンを運ぶ役割を果たす物質(電解質)を溶かした液体(電解液)が電池の中に入っている。低温では凍結してイオンが動かなくなる可能性が高い。0~50度がその適応環境。液体は希硫酸と呼ばれ、液漏れが発生すると火災が発生しかねない。また急速に充電すると電池自体が高温になり、危険な状態になりかねない」と言うのだ。つまり寒冷地での使用や、充電時間の短縮を図ろうとすると多々問題があると指摘されているのである。

 そこで注目を集め始めているのが、そうした問題点を解決できる技術を持つ「全固体電池」。特性として、「電解液を個体にした全個体電池は、マイナス30~100度の環境に適応するポテンシャル(潜在能力)を有する」「ガソリンを給油するのと同じぐらいの時間で急速充電が可能」「リチウムイオン電池では不可欠な“空気を冷却する流路”が不要/電池パックの小型化につながる」などが指折り数えられている。

 ちなみに富士経済では全固定電池の市場が、「2020年の3000億円見込みから、35には約2兆1000億円に達する」と試算している。

 では全固体電池の生産に積極的な企業はどこか。村田製作所では「開発した全固体電池は他社に比べ高容量という点からロボット・位置制御機器・IT機器向けに、今期下半期から月産10万個を生産する計画」としている。

 また(マクセルHD傘下の)マクセルでは三井金属と協業で開発した固体電解質を使い「マイナス50~125度で使える電池の量産化を21年度内に開始する計画」としている。更には3月13日付けの共同通信が「日立造船が全固体電池の容量を約7倍に増やすことに成功した」と伝えた。

 EV元年と言われているが、こと軸となる電池の開発競争は今後一段と激しくなりそうである。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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