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名鉄名古屋駅の再開発が開業時期未定に、資材費高騰や作業員不足で再検証へ

線路の倍増計画が未定となった名鉄名古屋駅(筆者撮影)[写真拡大]
名古屋鉄道は名古屋市の名古屋駅桜通口で計画していた再開発(中村区名駅)を開業時期未定とし、再検証することを決めた。建築工事の資材費高騰や建築作業員不足が原因で、高崎裕樹社長が記者会見で明らかにした。名鉄百貨店本店の2026年2月末営業終了だけは予定通り実施する。
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計画場所は名鉄、近鉄の名古屋駅や名鉄百貨店本店がある約3万3,000平方メートル。建物を解体して新たなビルを建築、米ホテル大手ハイアットの高級ホテル「アンダーズ」やオフィスなどを入れるとともに、名鉄名古屋駅の線路を現在の2本から4本に増やすことにしていた。
2026年度中に再開発エリア内の既存施設解体を始め、2027年度から建設工事に着手、2033年度に第1期工事、2040年代前半に第2期工事を完了する計画だった。総投資額は8,800億円を見込んでいた。
名鉄百貨店本店の営業終了以外、すべての計画が既存施設の解体時期から未定となり、名鉄グランドホテルや名鉄バスセンター、スカイパーキングの営業終了も白紙に戻して再検証する。
名鉄は解体・新築工事の施工予定者選定を進めていたが、応募参加者から作業員の人材確保が困難として入札辞退届が提出された。加えて、概算工事費や工事期間が当初の想定を大幅に上回ることも明らかになり、事業推進の前提が崩れたと判断した。
資材費の高騰や作業員不足は全国各地で問題になり、再開発計画や公共施設整備に影響している。東京都中野区の中野サンプラザ建替計画が白紙に戻されたほか、福岡県博多区の博多駅に複合ビルを整備する計画が中止された。
このほか、千葉県習志野市のJR津田沼駅前再開発が一時中断したのに加え、大阪メトロと大阪公立大が大阪市城東区で計画していたアリーナと新キャンパス整備工事、徳島県が徳島市のJR徳島駅前で計画する文化芸術ホールの入札に応募者がなく、不調に終わっている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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