ホモロゲーション車両が背負う決意 (1) トヨタ・GRヤリスWRC 日産・GTR NISMO GT3

2020年8月18日 16:33

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トヨタ・GRヤリス・RS (プロトタイプ)(画像: トヨタ自動車の発表資料より)

トヨタ・GRヤリス・RS (プロトタイプ)(画像: トヨタ自動車の発表資料より)[写真拡大]

 トヨタ・GRヤリスは、2020年1月10日、東京オートサロン2020の「TOYOTA GAZOO Racingブース」で発表された。トヨタの世界戦略の一翼を担うWRC(世界ラリー選手権)参戦のベースモデルだ。同様に、日産・GT-R NISMO GT3も、GT3レースに参戦するためのベースモデルという性格がある。

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 自動車レースと市販車の販売戦略は常に関連しているが、現在の日本では、ラリーもGTレースも人気がないので販売促進効果が薄い。しかし、かつてGT-Rの前身であったプリンス・スカイライン2000GTがレースに参戦し始めたころは、日本でもレース結果によって販売台数が左右されることが起きていた。そのため自動車メーカーは自社の技術的優位を宣伝するため、本気で開発し、レースのための改造を行ってきた。

 そして、日産・スカイライン2000GTの50連勝などと言った歴史に残る成果を示してきた。レースで勝ち続けるスカイラインは英雄視され、アイドルのような扱いを受けていた。だが、自動車レースの人気は下がってしまい、一部のマニアが公道で無謀な走りをして「暴走族」と同一視される事態にまでなっている。残念なことだ。

 ヨーロッパでは、自動車レースの最高峰、レース専用車を使ったフォーミュラレースのF1レーサーは「サー(騎士)」の称号を持つほど尊敬されている。

 日産・ブルーバードSSSも、このほど生産中止が決まった三菱・パジェロも、ラリーに参戦することで注目され販売数が伸びたことがあった。そこで、自動車各社がレースに勝てるベース車両を作ることとなり、ホモロゲーション「FIA(国際自動車連盟)レース出場形式認定」をクリアするためにだけ生産する車両もあった。

 現在、注目されるのはGRヤリスだ。トヨタは、ヤリスが参戦するWRCラリーを始めとして、レース活動に熱心な豊田章男社長のもとでル・マン24時間耐久レースに勝利するなど、世界で「技術のトヨタ」をアピールしている。市販車で重要なのは、「市販車に近い形で参戦するレース」だ。ヨーロッパの伝統からすると、WRC「世界ラリー選手権(World Rally Championship)」は重要な宣伝ポイントであり、トヨタは全力で参戦している状況だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

続きは:ホモロゲーション車両が背負う決意 (2) GRヤリスRZ High performance、RZ、RS、RC

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