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原油価格下落中! この先ガソリン価格はどうなるのか
3月初旬のOPECプラス会合での決裂を受け、サウジアラビアとロシアが原油の増産を始めた。これを受け、石油過剰供給の懸念が広がったことから、日本の石油元売り各社が燃料の値下げを決めた。そして現在、石油価格の下落が国内でも起きている。
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石油価格が下がれば、レギュラーガソリンや軽油価格の値段が下がるため、クルマを使用している人たちにとっては朗報だろう。
資源エネルギー庁が直近3月30日に行った調査データによれば、レギュラーガソリンの全国小売平均価格は、前の週より3.3円値下がりの1リットル当たり136.3円となった。10連続の値下がりである。当然、軽油や灯油も9週連続で値下がりしている。
今回の値下がりの発端は、サウジアラビアが原油の増産に転じたことであるが、この問題のほかに、新型コロナウイルスが世界的に拡大していることも大きく関わってきている。新型コロナウイルスの影響で消費が滞っているからである。
これまでは消費も大きくなり、増産すれば製油所もフル稼働でガソリンなどを生産できた。しかし、需要が世界的に縮小傾向にあるため、例えば、カナダのニューファンドランド・ラブラドール州にある石油企業「North Atlantic Refining」では、石油製油所「Come by Chance」の操業を停止した。
実は、この製油所停止は今後の供給に悪影響を及ぼす可能性がある。製油所が操業を停止るということは、パイプラインが詰まり、再稼働が難しくなる恐れがあるからだ。
現在は原油価格が下落し、石油価格も下落しているが、製油所の操業停止が相次ぐと、石油製品の在庫が積み上げられなくなる。すると今度は、供給不足となり、ガソリン価格の上昇も考えられないわけではない。
しかし、直近では石油製品の価格下落が続いているため、今すぐ値上げに転じることはない。ただ、いくら値下がりしているとはいえ、外出自粛要請が各地で出始めている日本において、この恩恵を受ける人は例年に比べると少ないはずだ。
ゴールデンウィークに遠出をするには、ガソリン価格が安いことは大歓迎である。本来であれば、行楽に出かける人が増え、地方の観光地も潤いを見せるはずであった。しかし、新型コロナウイルスの影響で、ガソリン消費が間違いなく落ち込む。
この落ち込みは、北海道で自粛要請が出されたときにも現れていた。gogo.gsの全国ガソリンスタンド価格ランキング(安い順)を見ると、北海道のガソリンスタンドはこれまで1度もランクインしていなかったが、ここ最近10位以内にランクインしているスタンドが目立つ。
これは、ガソリンを入れる人が減ったことで、ガソリンスタンドが値下げに踏み切った証拠だろう。
この現象は、この先日本全国で多く見られるようになるだろう。しかし、実際に外出ができなければ、ガソリン値下がりを指をくわえ見ている人がほとんどとなるだろう。(記事:小泉嘉史・記事一覧を見る)
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