2人乗り小型EVなど次世代モビリティ、規制緩和で市販化加速の見込み

2020年3月24日 08:55

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記事提供元:エコノミックニュース

矢野経済研究所が次世代モビリティの国内販売台数予測を公表。超小型EVは2020年より軽自動車の一種と区分されることで市販化加速の見込み

矢野経済研究所が次世代モビリティの国内販売台数予測を公表。超小型EVは2020年より軽自動車の一種と区分されることで市販化加速の見込み[写真拡大]

 いまだ馴染みのない電動トライク、電動ミニカー、超小型モビリティなどの次世代モビリティだが、原付バイクよりもパワーがあり軽自動車よりも小さく小回りがきき駐車スペースも狭いため新たな都市型車両として注目を浴びている。

 電動ミニカーについては2012年にトヨタがコムスのモデルチェンジによって市場を拡大したという経緯があるものの、その後これに続く目玉製品の投入もなく全般的普及には至っていない。

 12日、矢野経済研究所が次世代モビリティ市場の調査を実施し、国内市場概況、海外類似市場の概況、主要メーカーの事業戦略を明らかにしたレポートを公表している。

 これによれば、最もニーズが高いとされている2人乗り超小型EVについては19年まで認証枠組みが設定さておらず市場の先行きは不透明な状態が続いていた。しかし、国土交通省の車両安全対策検討会が「2人乗り小型EV」を「超小型モビリティ」として正式に軽自動車の一種と区分し20年からの市販化推進の方針を固めたため、これによって市場の広がりに見通しが出てきた模様だ。

 制度上は今後次世代モビリティの市場拡大が見込めるというものの、現状では次世代モビリティは「機能は二輪車に近いが、価格は軽自動車並み」で独自のメリットが少ないことから普及には様々な課題が残されている。

 ランニングコストの低減はユーザ利益の観点から重要だ。その点で税制や車検についての調整が必要だが、自動車税については電動ミニカーと軽自動車の中間程度にする必要があるようだ。現在、電動ミニカーの自動車税3600円、軽自動車の1万800円の中間となる7200円で調整が進められており、また、車検についても軽自動車よりも簡素化されたものが検討されている。

 運転免許制度については改革が見込めず、欧州のように中心的ユーザとなっている若年層など普通自動車免許を持たない者の取り込みができないため市場の広がりにも限度がありそうだ。 また、日本では既に軽自動車が普及しており超小型モビリティが軽自動車区分となることで軽自動車との競合は避けられずコスト面の優位性を強調した市場展開になる模様だ。

 以上のような分析からレポートでは、20年の次世代モビリティ国内販売台数を4100台、うち超小型モビリティ3000台と予測、25年には8300台、うち超小型モビリティ7000台と予測している。(編集担当:久保田雄城)

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