ナンバー3を失った日産 社外取で構成する「指名委員会」は「脳内お花畑」なのか?

2020年1月31日 08:01

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 日産自動車のナンバー3であった関潤氏について、日本電産の永守重信会長は23日、拡大を続ける電気自動車(EV)向けの駆動用モーター部門の統括に就任させていることを示した。社長のポストを約束していると見られることについては、明言を避けている。

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 関氏は、日産の西川廣人前社長の後を継ぐと思われていたが、どうやらルノーから嫌われたようで、日産の指名委員会は関氏に副COOの立場を示して日産の再建を託した。しかし、最もビジネスモデルを知り、実力者と思われる関氏に対する今回の人事では、日産内部でも機能しないことが懸念された。

 いわば、ルノーの圧力で妥協した人事ではあったが、関氏は自分の実力を発揮できる場所を選んだのであろう。メガサプライヤーの立場で、新たに自動車産業に関わる覚悟なのかもしれない。

 剛腕で知られる日本電産の永守会長に請われ、一度は断ったものの、日産ではナンバー1に付けなかったことから、大企業でナンバー1として手腕を発揮できる最後のチャンスとの考えでこの立場を選んだものであろう。企業経営とはこうした「人間性を基礎」としなければならないものだ。

 日産の「品質問題」において、元日産の専門家と称する人物が、「品質とは、データに基づきメカニカルに対策するものだ」として社員の「気持ち」を忖度しない発言をしていた。しかし、「品質管理」で最も困難なのは、「いいクルマをつくろうよ」と社員の気持ち、意識を前向きにすることなのだ。経営者がこの基本が理解できず、マニュアルや教育などをいくら実施しても効果は半減だ。

 「お役所仕事」をなかなか変えられないのは、「気持ち」が国民の側に向かないためだ。人間社会である限り「人間の気持ち」が基礎にあり、その上に「技術」が乗っていくのだ。どれほど良くできたシステムであっても、それを実行、運営できるのかが問題となる。これからAIの時代になるが、それでも過去の「教師データ」が間違っていると、AIも間違った認識を示すこととなる。

 恐ろしいのは「法務AI」だ。弁護士や裁判長に替わってAIが判断する機会が増えてくる。そのAIの「教師データ」、つまり、過去の「判例」に偏りがあるとAIも偏ってしまう。また「過去の判例」よりさらに踏み込んで、「新たな判例」を生み出せるのかが問題だ。

 人間の能力は一人一人の「気持ち」があってこそ発揮される。今回の日産とルノーの派閥争いで生まれた力学では、「関潤氏は納得してはいない」と見るべきであった。

 ある超巨大企業の社長レースに敗れた人材が、阻害された人事によって送られた会社で「外された」との気持ちを持ってしまうと、前向きな仕事には「使えなく」なってしまう。その阻害された人事を受けた人物は、かなり優秀な人材と見られたが、引き受けさせられた企業を「ただただ縮小させる」だけに終わったことがある。

 その点、関氏は期待されている企業で、手腕を発揮するチャンスをつかんでいる。これほど「人生」で恵まれていることはない。活躍を期待する。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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