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マツダ・スカイアクティブX窮地、目標達成できず マツダの将来に暗雲
「SKYACTIV-X」エンジン。(画像: マツダの発表資料より)[写真拡大]
マツダのプレミアムブランドへの挑戦は思うに任せないようだ。「スカイアクティブXエンジン」は予定通りの性能を発揮できていない。
【こちらも】マツダ3はCX-30より魅力的か? SKYACTIV-Xエンジンの商品力を紐解く(1/2)
マツダ3に搭載される期待の「X」エンジンなのだが、日本仕様のスカイアクティブXエンジン搭載車は2.0Lガソリンエンジン搭載車に比べて最高出力が14%、燃費性能(WLTCモード)が10%向上したのみだ。しかもハイオク仕様となり、価格も約70万円高い。これでは商品力としては心もとない。目標の3割をせめて達成しなければならない。
マツダは、スカイアクティブ・テクノロジーの第2期中期事業改革を進めている。この中で、新製品としてマツダ3から始まりCX-30と続き、全ての車種を新時代に切り替える計画だ。その目的は、プレミアムブランドに脱皮するために値引きを必要としない商品力をつけることだが、その新技術をユーザーはプレミアムと認識していないようだ。
北米のマツダ販売網では、値引きして売ろうとする販売店を避けるため販売店の数そのものが減り、現在、販売台数で苦戦している。販売店を増やすには「商品力」を付けねばならないが、それほどの技術とはユーザーが認めていないのだ。
乗り心地と操縦性、安全性などを向上させるマツダの新構造は専門家には高い評価を受けているのだが、ユーザーは値引きなしで買っていくほどの価値を認めてくれていない。
ポルシェ、BMW、ベンツなどのメーカーは値引きを必要としないようだが、それは高い技術レベルに裏打ちされている。マツダはそうした高い技術レベルを用意する途上にあると見るべきだが、これは消費者であるユーザーが決めることで、長い時間がかかることであるのであろう。
しかし一方で、スバルは値引きをせずとも売り上げを伸ばし、高い利益率を確保している。その売り方が重要で、「スバリスト」と呼ばれるコアなユーザーを組織化して販売の手助けとしている。このユーザーが自主的に運営する組織が、スバル車の使い方までアドバイスするなど大きな働きをしていると見えるが、各社が手本としてはいない。
ユーザーがユーザーに働きかける手段は、営業マンが語るよりも説得力があることは確かだ。また、故障などの時も心強いことだろう。国内でも縮小する市場を再び拡大する方法としても有望だ。ぜひとも研究することをお勧めしたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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