東京メトロ、クレカのタッチ決済とQRコードで乗車 24時間券対象に

2025年3月7日 15:48

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購入・利用方法のイメージ(画像:東京メトロの発表資料より)

購入・利用方法のイメージ(画像:東京メトロの発表資料より)[写真拡大]

  • 入出場のイメージ(画像:東京メトロの発表資料より)

 東京メトロは、3月22日から、クレジットカードのタッチ決済とQRコードを用いた乗車サービスを始める。自動改札機に備えた各リーダーに、事前購入した乗車券をかざして乗車する仕組みで、「東京メトロ24時間券」が対象となる。券売機での購入が不要になり、24時間メトロ全線を自由に乗り降りできる。

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 販売はオンラインで行い、クレジットカードタッチとQRの2種類で24時間券を提供する。クレカタッチの場合は、購入に使用したタッチ決済対応のカード(クレジット・デビット・プリペイド)を、自動改札機のリーダーにかざして乗車する。QRコードは、スマートフォンなどモバイル端末で画面表示して使う。購入日から90日間の任意の日に、24時間利用可能だ。

 現時点では、中目黒駅や代々木上原駅など一部の駅にはリーダーが設置されておらず、入出場の際は駅係員などを通した対応が必要となる。順次設置駅を増やす方針で、25年度中には東京メトロ管轄の全駅への設置を予定している。

 東京メトロは、23年8月に本サービスの実施計画を発表しており、今回の提供開始に至った。当時は、24年度中に三井住友カードやJCB、ビザ・ワールドワイド・ジャパンらと連携して実証実験を始めるとしていたが、今回の発表に各社の連名はない。

 24時間券の販売の仕組みには、リンクティビティのプラットフォームを活用する。リンクティビティは、現地オプショナルツアーなどを手掛けるベルトラの子会社で、20年1月に設立。訪日旅行者向けにデジタルの企画乗車券や周遊パスなどを販売するプラットフォーム事業を展開している。

 創業以来、東京メトロとかかわりを持ち、20年3月にはQRコードを用いたEチケットのプラットフォームを提供。その後、WeChatミニプログラムと連携した乗車券の販売も支援している。

 24年3月には、東京メトロと資本業務提携を締結し、13.7億円の出資を受けた。なおリンクティビティは、東京メトロを含む関東の私鉄と都営バスで利用可能な「Greater Tokyo Pass」の販売も担っている。

 東京メトロは、今回の取り組みを「次世代乗車システムの促進」の一環と位置付け、まずは24時間券の事前購入からサービスを開始する。クレジットカードのタッチ決済の後払いについては、現在検討を進めている。今後も「交通系ICカードを主軸とする」としているが、サービス範囲が拡大する可能性もある。(記事:三部朗・記事一覧を見る

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