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ルネサスに強力な助っ人、車載カメラで先行なるか
オープンなISPソルーション(写真:ルネサスの発表資料より)[写真拡大]
ルネサスは18日、車載用スマートカメラアプリケーションの開発を容易化・迅速化する、オープンなISP(Image Signal Processor)ソリューションを発表した。助っ人は、世界最大のモバイルおよび産業用グラフィックス技術を持つMM Solutionsだ。
【こちらも】ルネサス、車載プラットフォーム「R-Car」が人工感性知能に対応
自動運転での半導体の役割は大きく車載用半導体市場は急成長している。IC Insightsによれば、2016年度には前年度比10.6%増、2017年度は19.4%増だ。この勢いは2021年度まで続くという強気な予想だ。自動運転に必須な制御、人工知能(AI)、メモリ、そして目となるセンサとアクチュエータだ。この成長市場での競争は熾烈だ。車載のアプリケーション一つに関しても、数社のコラボレーションが必要であり、業界のディファクトスタンダードを各社模索する。
今回の発表では、カメラアプリケーションの雄であるMM Solutionsに加えて、カメラ用センサでトップシェアのソニーが技術的な課題解決の手段として、IPSソルーションを推奨。車載半導体で大きなシェアを持つルネサスが、自動運転での周辺環境を検知するアプリケーションで、優位を築く構想であろうか。AIによる自動運転の前段階に注力する。
晴れの日は勿論、雨や霧などの厳しい環境でもノイズが少なく、人間の目以上の広いダイナミックレンジの確保が必要だ。イメージセンサの設定や調整を支援するISPソリューションを開発。ISPの画像処理ソフトウェアをルネサスのプラットフォームR-Carに組み込んだが、特定なカメラに依存しないという。Tier1メーカやカメラメーカの採用を促す。
●R-CAR上のISPソルーションの特長
カメラ開発キットとISP用ファームウェアの提供であろうか。開発工数の比重がハードウェアからソフトウェアへとシフトするなかで、この二つの提供は、カメラのみならず、センサにも依存しない開発を可能にする。R-Carに内蔵するISPのセンサ調整やチューニングプロセスが容易になれば、開発工数や開発期間の短縮に貢献できる。
他方、MM Solutionsのコメントは興味深い。「市場投入にかかる時間をますます短縮していくためには、複数のプラットフォームに対応したターンキーISPソリューションが不可欠」という。プラットフォームとしてルネサスR-Carの優位性を認識しつつも、他のプラットフォームも視野に置く。ルネサスR-Car搭載を踏み石に、更なる飛躍を狙う意図か。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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