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新型ワゴンR登場、ガラパゴスな軽規格はトランプ大統領の口撃対象にも
ガラパゴスな規格であることから、非関税障壁だと海外メーカーから指摘され、今後はトランプ米大統領から優遇税制撤廃の外圧・口撃が強まるとも予想される日本の軽自動車。[写真拡大]
ガラパゴスな規格であることから、非関税障壁だと海外メーカーから指摘され、今後はトランプ米大統領から優遇税制撤廃の外圧・口撃が強まるとも予想される日本の軽自動車。
そんななかで、「軽自動車トールワゴン」の新型がデビューした。新型スズキ「ワゴンR」「ワゴンRスティングレー」である。
噂されていたストロングハイブリッド搭載は見送られ、マイルドハイブリッド車をラインアップした。これにより軽自動車トールワゴンで最高となる燃費33.4km/リッター(JC08モード)を達成した。
マイルドハイブリッドは、ISG(モーター機能付発電機)の高出力化とリチウムイオンバッテリーを大容量化し、モーターによるクリープ走行と、幅広い速度域でエンジンをモーターがアシストする。減速して車速が約13km/h以下になり、アクセルもブレーキも踏まない時や、アイドリングストップ後の停車からの発進時に、最長10秒間のモーターによるクリープ走行を可能にした。また、発進から約100km/hまでの加速時に、ISGがモーターアシストを行ないエンジンの負担を軽減することで燃料の消費を抑えるという。
燃費向上に貢献したのは、軽量化と高剛性を両立した新プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の採用も大きい。プラットフォームやボディ、足まわりなどの軽量化で、先代モデル比で約20kgの軽量化を実現している。
新型は先進安全技術の搭載も自慢だという。スズキ軽自動車初となる単眼カメラと赤外線レーザーレーダーを組み合わせた衝突被害軽減システム「デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)」をはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能、先行車発進お知らせ機能と、ヘッドランプのハイビーム/ロービームを自動で切り替えるハイビームアシスト機能(スズキ軽自動車初)を搭載した。
運転席前方のダッシュボードに「ヘッドアップディスプレイ」を軽自動車で初めて採用。ディスプレイより前方かつ遠方でドライバーの焦点が合うように表示されるため、走行中の視線移動が少なく、運転に集中できるレイアウトとした。ディスプレイには、前方衝突警報/自動ブレーキ作動状況、車線逸脱警報、車速、シフトポジション、凍結警告、交差点案内(全方位モニター付メモリーナビゲーション装着車)を表示する。
新プラットフォームは室内空間の拡大にもひと役買っている。シートアレンジもフルフラットや助手席を前に倒して広く使えるシートアレンジ、片手で操作できるワンタッチダブルフォールディングリヤシート、左右独立リヤシートスライドなど、ワゴンRの使い勝手の良さを継承している。
スズキでは、新型ワゴンR、ワゴンRスティングレー合わせて月販1万6000台と強気な目標を掲げる。
軽自動車の販売は、国内新車販売の40%を超えた時期もあったが、ここ2年は消費増税や軽自動車税の値上げで屋や低調な結果となっている。スズキとしては、軽自動車の最量販モデルである新型ワゴンRで弾みを付けたいところだろう。
しかし、冒頭でも述べたが今後、日本の軽自動車に対して海外からの外圧が強まることはあっても、弱まることはない。軽自動車専業メーカーともいえるダイハツやスズキ、量販軽自動車を抱えるホンダや日産にしても、国際的に競争力のあるコンパクトカーの開発を急いだ方が良い時期にきているのではなかろうか。
具体的には、効率の良い800cc程度のパワーユニットを搭載する全長3.7m程度の世界市場で戦えるクルマを開発すべきだろう。スズキやダイハツが本気になれば出来ると思う。(編集担当:吉田恒)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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