相場展望5月7日号 米国株: イラン戦争終結に向け合意が近いとの報道で、原油安・株高 トランプ大統領またも「TACO」る、「言い出して、すぐに止める」 日本株: 5/7、イラン停戦合意見通しで、先物が+2,400円程上昇か?

2026年5月7日 13:37

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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

 1)5/4、NYダウ▲557ドル安、48,941ドル
 2)5/5、 NYダウ+356ドル高、49,298ドル
 3)5/6、NYダウ+612ドル高、49,910ドル

【前回は】相場展望5月4日号 米国株: S&P・ナスダックは最高値更新も、決算発表終盤後の動向注視 日本株: 日経平均上昇を牽引したハイテク株の2極化が目立ち始めた

●2.米国株: イラン戦争終結に向け合意が近いとの報道で、原油安・株高

       トランプ大統領またも「TACO」った、「言い出して、すぐに止める」

 1)イラン戦争は2カ月経過しても終結しない、緊張高まる⇒株安リスク懸念が高まる
  (1)イランがホルムズ海峡の掌握が続く(5/4現在)
   ・ホルムズ海峡で韓国の船舶が、イランから攻撃を受け爆発・火災発生。
   ・米国海軍のミサイル駆逐艦2隻がペルシャ湾に入り、米国船籍の商戦2隻がホルムズ海峡を通過したと発表。
   ・イラン海軍は米国軍艦がホルムズ海峡に侵入するのを阻止したと表明。
   ・UAE国防省はミサイルを迎撃したと発表。
   ・UAE東部フジャイラでドローン攻撃があり石油工業地帯で火勢が発生。
   ・米国軍がイランの小型船7隻を轟沈。

  (2)トランプ氏、イランとの戦争は濃縮ウラン引き渡しであと2~3週間続くと発言(ブルームバーグ)
  (3)米国のイラン方針
   ・圧倒的な攻撃でイランに「全面降伏」を迫る。そして、ホルムズ海峡を再開させる。
   ・それが実現しなかった場合、軍艦が護衛し商船をホルムズ海峡通過させる。

  (4)ところが、イランの反撃で、米国の思惑通りに進展していない
   ・イランはミサイルやドローンを発射し、船舶を攻撃するために小型高速船を出動させている。
   ・米国軍は艦船と航空機で反撃し、イラン高速攻撃艇6隻を轟沈したという。

  (5)米国株式市場は最高値水準にあり、軍事衝突で株価が下振れするリスクがある。

  (6)イラン情勢の緊張を背景に、原油・金利が上昇・緊張が減り低下vs株価は反対
        WTI原油   10年金利     NYダウ
    5/1  101.94ドル  4.371%    49,499ドル
    5/4  105.14    4.441     48,941
    5/5  100.29    4.380     49,298
    5/6  95.82     4.348     49,910

  (7)トランプ大統領、またも「TACO」った  「言い出して、すぐに止める」
   ・トランプ大統領、プロジェクト・フリーダムを5/4に開始と発表。作戦内容は、ホルムズ海峡で足止めされている船舶の退避を米国軍艦船が護衛する。
   ・トランプ大統領は5/5、プロジェクト・フリーダムを2日間で「短期間停止」と発表。トランプ大統領、またも「TACO」った。「TACO」とは「言い出して、すぐに止める」というトランプ氏の特徴を表した用語。ただ、イランの港湾に出入りする船舶を対象にした米国軍による「海上封鎖」は継続する。
   ・イランのアラグチ外相は5/6 、北京で王毅外相と会談。
     
 2)米国・イランは5/5~6、戦争終結に向け合意が近いとの報道で、原油安・株高
  (1)報道によると、ホルムズ海峡の封鎖について双方が解除する内容が含まれているという。ただ、現時点ではまだ合意に達していない。
  (2)米国では48時間以内にイランからの回答があるとみている。(ブルームバーグ)
  (3)戦闘終結に向けた覚書の内容
   ・交渉期間は30日に設定。
   ・議題
    ・戦闘の終結。
    ・イランの核開発への制限。
    ・イランに対する制裁の解除。
    ・ホルムズ海峡の封鎖は、段階的に解除。
  (4)イラン戦争を巡る楽観が広がり、
    原油価格
    金利低下
    株高
   と5/5~6の株式相場は好反応して上昇した。

 3)逆戻りのリスクあり
  (1)ホルムズ海峡での対立が続き、全面戦争に逆戻りする可能性がある
   ・イランは、トランプ大統領の弱点である「中間選挙」をよく認識して対応している。早期決着より、遅らせることがイラン有利となることを分かっている。
   ・ただ、イランは原油輸出ができないと、原油生産にダメージが加わり、生産回復に年月がかかる。それがイランの弱点。
   ・イランはインフレ・物不足で国民の不満が高まり大規模ストで体制崩壊の寸前までいっていた。ところが、米国・イスラエルのイラン攻撃のおかげで、イラン国民の団結を強め、イラン政府への不満が縮小した。そのため、トランプ氏はイラン政府を擁護したことになる。

●3.米国4月ISM非製造業指数53.6に低下、新規受注は3年ぶりに大幅減(ロイター)

 1)米国供給管理協会(ISM)が5/5に発表した4月の非製造業総合指数は53.6となり、3月の54.0から低下した。低下は2カ月連続。予想は53.7を下回った。
 2)新規受注指数は3月の60.6から53.5へ低下した。なお、3月は3年ぶりとなる高水準だったが、今回の▲7.1低下は2023年3月以来で最大となった。
 3)イラン戦争は、エネルギー価格を押し上げただけでなく、サプライチェーンの混乱も引き起こし、主要な事業用資材の納品遅延を長引かせている。自動車燃料価格は、2022年夏以来で高水準となっている。

●4.トランプ氏、「世論調査はフェイク」、イラン戦争支持32%との結果を受け(CNN)

●5.トランプ氏、金利は「高すぎる」、手遅れは「米国の大惨事」(ロイター)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

 1)5/4~5、祝日「労働節」のため休場
 2)5/6、上海総合+48高、4,160

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

 1)5/4、祝日「みどりの日」で休場
 2)5/5、祝日「こどもの日」で休場
 3)5/6、祝日の振替休日で休場

●2.日本株:5/7、イラン停戦合意見通しを受け、株価先物が+2,400円程度上昇か?

 1)5/7は米国イランの停戦合意見通し強まりを受け、株価先物が+2,400円程度上昇
  (1)株価先物市場で米国・イラン停戦合意が近づいたとして、米国の
   ・株高
   ・原油先物安
   ・金利低下
   を受け、5/7の日本株市場は買い優勢となりそう。

  (2)5/7の株価先物の状況(5/1比)
   ・株価先物市場は5/7の日経平均で約+2,400円前後の上昇を見込んでいる。
    ・CFD日経225     +2,280円高
    ・日経先物SGX    +2,376円高
    ・日経先物CMEドル建て+2,421円高

  (3)日経平均は4/1比でNYダウを大きく上回っている
   ・日経平均・NYダウの上昇の推移
    ・    日経平均       NYダウ
      4/1  53,739円     46,565ドル
      5/1  59,513       49,298
      上昇幅+5,774円高     +2,733ドル高
      上昇率+10.74%高     +5.86%高

      5/7先物+2,400円
      5/7 61,913円       49,910ドル
      4/1比+8,174円高      +3,345ドル高
      4/2比+15.21%高      +7.18%高

    ・5/7の株価先物予想高が+2,400円高とするならば、
     4/1⇒5/7の日経平均は+8,174円高・+15.21%高となる。
           NYダウは+3,345ドル高・+7.18%高となる。
     つまり、日経平均の上昇幅は、NYダウ上昇比で+2.11倍。
     日経平均の圧倒勝ちである。

 2)果たして、上記のように4/1⇒5/7の日経平均の上昇幅の大きさが正常な範囲といえるだろうか?
  ・海外短期投資筋のパワーの大きさからして、5/7の日経平均株高は実現可能であろう。
  ・しかし、その長期的維持は可能だろうか?
  ・海外短期筋の中には、利益確定目的の売り・持ち高調整の売りが出現してくると思われる。
  ・つまり、海外短期筋の中で内ゲバが起こるとみる。したがって、「日経平均が上がるから買い」スタンスは「飛び降り」を意識した対応が賢明といえる。

●3.ホンダ、カナダの1.7兆円EV工場建設を無期限凍結、米国政権の政策転換が直撃(TBS)

■IV.注目銘柄(投資は自己責任でお願いします)

 ・6473 ジェイテクト    業績絶好調
 ・6857 アドバンテスト   海外短期筋銘柄
 ・8035 東京エレクトロン  海外短期筋銘柄

著者プロフィール

中島義之

中島義之(なかしま よしゆき) 

1970年に積水化学工業(株)入社、メーカーの企画・管理(財務含む)を32年間経験後、企業再生ビジネスに携わる。 現在、アイマックスパートナーズ(株)代表。 メーカーサイドから見た金融と企業経営を視点に、株式含む金融市場のコメントを2017年から発信。 発信内容は、オープン情報(ニュース、雑誌、証券リポート等々)を分析・組み合わせした上で、実現の可能性を予測・展望しながらコメントを作成。http://note.com/soubatennbou

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