10-12月期GDPは年率0.2%増 追加利上げ観測はやや後退

2026年2月17日 17:42

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 内閣府が公表した2025年10-12月期の実質GDP(速報値)は、前期比0.1%増、年率換算で0.2%増となり、2期ぶりにプラス成長へ転じた。ただ市場予想を下回る伸びにとどまり、景気が力強く持ち直しているとは言い難い内容となった。結果として、日銀による追加利上げの判断に対しては、やや慎重な見方を強める材料になりそうだ。

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■0.2%増の実態

 需要項目をみると、個人消費はわずかに持ち直したものの、物価高の影響が家計を圧迫し、回復の勢いは限定的だった。部分的に、住宅投資は前期比4.8%増と上昇するなどした。

 しかし冬季賞与が支給される期であることを踏まえると、消費全体の伸びに関しては想定よりも振るわなかったとの印象が残る。実質賃金の伸びが十分とは言えない中で、消費の持続的な拡大にはなお時間を要する可能性がある。

 企業の設備投資は底堅さを維持したが、外需はマイナスとなった。輸出が振るわず、インバウンド消費も前期比0.6%減少した。中国による日本への渡航自粛の影響などが背景にあるとみられ、観光需要の減速が数字に表れた形だ。成長率自体はプラスを確保したものの、その内訳には現況の厳しさや閉塞感が表れている。

■追加利上げとGDPの関連

 こうした結果を受け、金融市場では日銀の追加利上げ観測がやや後退するとの見方が広がっている。物価上昇は依然として続いているが、実体経済の伸びが鈍い状況で引き締めを急げば、消費や投資を冷やすリスクがある。

 日銀としては、物価動向と景気動向の双方を見極めながら政策判断を行う必要があり、今回のGDPは慎重姿勢を後押しする材料となり得る。

 債券市場では長期金利の上昇が落ち着く可能性があり、為替市場では円高圧力が弱まるとの見方も出ている。株式市場では金利上昇懸念が和らぐことは支援材料となるが、外需の弱さが企業業績の先行き不透明感を強める要因にもなりかねない。特に輸出関連企業の動向は、今後の海外経済の回復状況に左右されそうだ。

 また、今後発表される物価や賃金関連指標、春闘の結果などが、日銀の政策スタンスを占う重要な材料となる。景気の持続的な回復が確認できるかどうかが、金融政策の方向性とマーケットの基調を左右する局面が続きそうだ。(記事:庭田 學・記事一覧を見る

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