給与管理システム等クラウドシステム展開、H&T収益好調の理由

2025年8月6日 09:36

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 ヒューマンテクノロジーズ(5621、東証グロース市場、H&T)。主軸は勤怠管理システム「キングオブタイム」をクラウド展開。市場シェアNo.1の企業。

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 2018年の「働き方改革推進法」の成立が、収益押し上げの要因となった。17年の売上高11億3800万円が前25年3月期は60億5500万円、と居所を変えている。前期末の利用者数6万1000社(前々期末比12.5%増)。

 23年12月22日上場。上場後初決算の24年3月期を「19.2%増収、58.3%営業増益12円配」で発進。前25年3月期を「20.3%増収、64.3%増益、8.5円増配20.50円配」で通過し、今3月期は「20.0%増収(72億6500万円)、38.1%増益(12億8500万円)、7.5円増配28円配」計画。

 今後についても収益の積み重ねが見込まれている。四季報の材料欄は【収穫期】の見出しで、こう記している。「前期の電子契約アプリの投入で開発案件は一巡。会計ソフトの弥生向けOEM供給開始。給与計算のベイロールなどと販売代理店契約を締結して新規顧客を開拓」。

 前3月期の決算資料にも「順調/好調」が読み取れる。

 「勤怠管理を中心に“給与計算の自動化”を目指しサービスの提供を行っている・・・勤怠管理サービスにとどまらず昨年10月には社会労務士を主なユーザーとした“就業規則ナビ”をリリース・・・当期には人事労務関連の契約業務の電子化・・・引き続き新規案件アナログ管理(紙やExcel)からの導入が多く、様々な業種で勤怠管理システムの採用が進んだ・・・」。

 勤怠管理システムを入り口に広範なサービスの展開が有利に進んでいることは、勤怠管理・人事給与システムが、アイティクラウド社が主催する「2025 Spring」の勤怠管理システム部門で今春も24期連続して最高位の「Leader」を受賞したことでもうかがえる。

 長らくフリーランスの立ち位置で時を過ごしてきた身には、勤怠管理システムは無縁。がデジタル化のメリットを知ると、「なるほど」と頷かざるをえない。自動計算⇔確実な本人確認⇔リアルタイムで確認⇔在宅時でも把握可⇔何時でも紙でないデータ保管が可。

 H&Tは23年12月22日に、公開価格1224円に対し初値1194円で生まれた。時価は2200円水準。年初来安値1118円(4月7日)から高値2277円(6月17日)まで買い直された後の、年初来高値水準での推移。上場後の値動きは1194円から時価まで84%のパフォーマンス。見守りながら押し目買いが賢明か・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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