エヌビディアの時価総額が世界初の4兆ドル突破! 快進撃はどこまで続く?

2025年7月16日 09:38

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●エヌビディアの時価総額4兆ドルに

 米半導体大手のエヌビディアの株価が、10日の終値で時価総額4兆ドル(約590兆円)を突破した。4兆ドル突破は世界初となる。

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 ロイター通信によると、4兆ドルという金額は、英国の上場企業全て合わせた時価総額も上回る。トヨタ自動車の約15倍となり、日本のGDP(2024年)の609兆円にも迫る。

 直近2週間でマイクロソフトの時価総額を上回り世界首位に立ったが、勢いはとどまることを知らない。2023年の初頭から比較すると、約11倍の株価となっている。

 エヌビディアの快進撃は今後も続き、時価総額は5兆ドル、6兆ドルと伸びていくのだろうか?

●急騰の原因

 米政府が4月から、エヌビディアによる中国へのGPU販売規制を行った影響により、5-7月期の四半期売上は80億ドルの下押し要因となったものの、総売上は450億ドルで、想定内だった。

 生成AIの需要に対する期待が引き続き高いことも上昇要因であり、同じくAI関連であるマイクロソフトの株価も、過去最高を記録している。

 イスラエルとハマスの停戦、FRBの利下げ示唆、雇用統計などの米国経済指標の好調さなど外部要因も、エヌビディア株を押し上げたと見られている。

●死角はないのか?今やディフェンシブ銘柄?

 トランプ関税の動きは相変わらず慌ただしいが、4月のようなショック相場になることは考えづらく、市場にも耐性ができている。

 エヌビディアの決算は8月27日(米国時間)であり、当面はエヌビディアに直接関係する材料はない。

 にもかかわらず、これだけ上昇するということはエヌビディアがディフェンシブ銘柄として定着しつつあるということが言える。

 PERが50倍を超えており、S&P500の平均PERも大きく上回る割高さだ。生成AIの本格的な普及はこれからで先行投資の面があるが、収益が安定し、景気変動の影響を受けにくい銘柄として定着しつつある。

 トランプ関税による相場の不確実性が高まっている状況下で、成長性があり、収益も安定しつつあるエヌビディアが、無難な投資先として選ばれている。

 資金の流れが変わる時には警戒が必要であるが、まだまだエヌビディアの快進撃は続きそうだ。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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