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名鉄名古屋駅で再開発、高層ビル2棟に4線化 2033年度に第1期工事完成へ
名古屋鉄道は、近畿日本鉄道、日本生命などと連携し、名古屋市の名古屋駅地区再開発(中村区名駅)を事業化する。名鉄名古屋駅を4線化して鉄道ネットワーク機能や中部国際空港(愛知県常滑市)へのアクセス強化を図るとともに、リニア中央新幹線開業に向けて、名鉄名古屋駅周辺の商業機能向上を目指す。事業は2期に分けて進められ、第1期が2033年度、第2期が2040年代前半の開業を目指している。
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再開発区域は、JR名古屋駅に隣接する名鉄百貨店本店や名鉄グランドホテル、名鉄バスセンターがある一帯約3万3,000平方メートル。延べ床面積約52万平方メートルの施設を整備し、名鉄名古屋駅の機能を強化する。名鉄の総投資額は約5,400億円と見積もられている。
新施設にはホテルや商業施設、オフィス、新しいバスターミナルなどを入れる計画。第1期工事ではホテルと商業施設の一部、バスターミナル、名鉄名古屋駅の一部施設が開業する。第2期工事では商業施設と名鉄名古屋駅が全面開業となる。
名鉄名古屋駅構内は4線化され、新たに空港アクセス専用ホームが整備されるほか、行先別にホームを分けて利用客の利便性を向上させる。ゆとりを持った駅空間にして段差の解消なども実現する。
名鉄百貨店本店は2026年2月末、名鉄グランドホテル、名鉄バスセンターは2026年3月で営業終了し、2026年度に解体工事を実施して2027年度から建設工事に入る。名鉄バスセンターは営業終了までに近隣で代替地を確保し、バスターミナル機能を維持する。
リニア中央新幹線は、JR東海が品川-名古屋間の開業を最短で2027年としていたが、静岡県で着工が遅れたうえ、各地でトンネル工事に問題が発生、早くて2034年以降となった。中部国際空港は首都圏の成田、羽田両空港、関西の関西空港に旅客を奪われ、北米便復活のめどが立たないなど厳しい状態に追い込まれている。
名鉄はリニア開業を名古屋市活性化の好機と位置づけ、にぎわい拠点の整備に乗り出すと同時に、唯一の空港アクセス鉄道事業者として空港利用の利便性向上に踏み切る。(記事:高田泰・記事一覧を見る)
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